指導者が語る合格指南

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京阪滋賀エリア責任者 高瀬 規之 自ら心を燃やし、自分の道を創り出す受験を!

多様な地域特性をあわせもつ「京阪滋賀エリア」

まず、自己プロフィールをお願いできますか。

ええっと、能開センターで教え始めて、はや15年目になります。ずっと京阪地域で指導してきました。担当教科は算数で、エリア責任者に就いて3年になります。付け加えますが、「京阪滋賀エリア」の所属校は枚方・住道・草津の3校でして、エリアの中でも各校に地域性があります。そこが他のエリアとはちょっと違うところですね。

エリアでの受験状況はどんな感じなのですか?

会員の過半数が、家から通いやすい京阪ラインの中学を志望しますね。そして残りが大阪中央部の中学を志望するといった形です。それにそれぞれの校の特徴としては、住道校の会員は地元の大阪桐蔭中学の志望者が多く、草津校の会員は京都はもちろん、直通電車が便利なのでしょう、兵庫の中学もよく受けていますね。

確かに特徴的ですね。

案外、地域特性が強い地域なのですよ。京阪地域の難関校として知られる高槻中学ですが、5〜6年前までは他エリアの能開生には知られていませんでした。その頃の合格者数は2ケタに乗っていません。枚方・草津に加え、江坂校などの会員だけが受験する“地域校”といった感じでした。それが一昨年には69名の合格者が出せるようになりました。統一受験となった2006年度でも32名です。“認知”されたのですね(笑)。

学校改革で有名大学の系列中学の人気が復活

それから、大学附属の中学の人気が高いことも特徴です。たとえば、同志社・同志社香里・同志社国際・同志社女子、立命館・立命館宇治の各中学ですね。実はしばらくの間、受験希望者が以前ほどは多くなくなっていました。大学入試が易化する傾向にあり、いわゆる“エスカレーター進学”の魅力が薄れていたのです。ところが近年、各中学はコース再編など様々な学校改革を行い、それぞれの魅力づくりに努めてきました。その効果が出てきたのでしょう、再び人気は上昇しました。

まさに学校も「改革」の時代ですね。

大学附属の中学ということでは、関西大学が2つ目の附属中学を2009年に高槻で新設しますね。超高層ビルの新キャンパスに、附属幼稚園・小学校・中学校・高校、大学新学部などが一斉に開設される予定です。聞くところによれば、関西大学では内部進学生の学力強化計画を練っていて、大学入学時には外部入学者以上のレベルまで指導するということですよ。
もう1つ、立命館守山中学がいよいよ2007年度から開設です。理系コースの充実を図り、立命館大学以外の国公立大医・薬学部もめざせる学力をつける方針と聞いています。

各学校ともスゴイですね。有名大学が多く立地する京阪ラインゆえのメリットですね。

女子は洛南高附属、男子は高槻後期の2科入試が注目

さて、2007年度入試についてなのですが…。

注目のトップ校は、女子なら洛南高附属中学、男子なら高槻中学ということになりますね。女子にとって洛南は魅力的です。入試は相当ハイレベルですが、通学時間の短さ・共学であること・面倒見のよい指導など魅力満点で、私のエリアではこれまで四天王寺中学を志望していた層がどっと洛南入試に挑むものと思われます。
しかし特に女子の場合、進学先はレベルだけでなく、お子様の性格をよく考えて学校を選ぶことが大切です。2006年度の場合、同志社や立命館の系列中学をエリア会員の約3分の1が希望されました。やはり伸び伸びと育てたいという選択をされたのだと思います。
高槻中学ですが、まだまだ知られていないので少し紹介させていただきます。別に何の関係もありませんよ(笑)。派手さはなく、堅実な校風です。進学校ですが、面倒見も良くなっていますね。大学進学は理系志望が80%、そのうち3分の1が医学部志望と聞いています。京大実績は2006年度26名ですが、これは大学名にこだわらず医学部など本人志望を優先させているためです。おそらく数年後には京大レベルの実績が50名を越えるでしょう。
この高槻中学が2007年度の後期入試を2科目で行います(前期は4科入試)。しかも、その入試日が六甲中学とずれます。初めてかどうかはわかりせんが、長い間なかったことです。兵庫の受験生はきっとこの高槻後期に殺到するでしょうね。

3科入試ではなく、2科入試ですか。その意図は?

3科入試が流行っています。でも理社では差がつかないのですね。それなら、併願入試となる後期はより受け易い2科にして、広く優秀な生徒を集めようということではないでしょうか。もう1つ、校風が出ていると思います。高槻の入試は基本問題を中心に出題されます。合格点は上がりますが、難問が解ける子ではなく着実な力を持った生徒を採りたいということでしょう。
高槻の話ばかりになって恐縮です。あと、男子なら洛南、洛星、東大寺が、草津校では灘、洛南、高槻が目標校ですね。それから、同志社・立命館・関西大学系列の各中学、大阪市内の大阪星光、清風、明星などの中学が各人の入試スケジュールに入ってきます。 女子の中位層では、同志社・立命館系列の各中学に加え、京都女子中学も人気ですね。それから住道校では、男女とも大阪桐蔭中学です。大学実績が伸びていますが、面倒見がよい指導だと評判ですね。

学習習慣と自主的な学習力を育む「自習教室」の活用

京阪滋賀エリア責任者 高瀬 規之

エリアの指導方針など、指導面で特に力を入れていることは?

このエリアは伝統的に中学受験が盛んな地域です。進学への意識が高いご家庭が多い“都会型”の地域だと言えます。事実、1人あたり受験校数は平均5〜6校になります。同時に、それだけ学習塾選びの眼も厳しい地域だということにもなります。
そういう中で私たち能開センターは、「生活力から学習力、そして学力へ」という能開メソッドを貫いた指導を徹底実践しています。自分の「生活」をコントロールできてこそ、初めて身になる「学習」ができ、真の「学力」も育つという考え方です。その第一歩が学習習慣づくりです。

具体的にはどのような方法をとっているのですか?

小学4年生になると、家でより能開で過ごす時間の方が多くなります。授業のない日も、自習教室に子どもたちは通うようになります。「これで本当に自学自習の習慣が身につくの?」とお尋ねになるご家庭もあります。私たちが手取り足取り指導している、あるいは反対に子どもたちの好き勝手にさせ時間を過ごさせているのではないかと懸念されるのですね。私たちは文字通り「自習」(自主的な学習)をさせるために、そしてその「学習習慣」を体に染み込ませるために「自習教室」の場を使っているのです。
私たちの「自習教室」にはルールがあります。子どもたちは入室したら、まず担当の先生に“今日の目的と目標”、つまり「何をするために来たのか=計画」を『能開ダイアリー』(会員専用の計画帳)に書いて“自己申告”するのです。そして退室の際はノートチェックを受け、その「計画」の実施状況を担当が確認します。担当はアドバイスも添えて、確認のサインをします。
それだけではありません。この記録を「生徒指導簿」に転記し、クラス担任と各教科指導担当がいつでも閲覧できるようにしておくのです。個人別の学習状況の情報を指導チームで共有し、最善の集団指導を行うためです。

大変な努力をされていますね。

いえいえ(笑)、これが私たちの仕事ですから。授業後も30分ほど「自学習」の時間を設けています。習ったことを自分ですぐに定着させる習慣をつけるための時間です。その日の「確認テスト」の復習や単元学習の復習(宿題)をさせています。そういう学習習慣が自然に身につくことを願ってのことです。自分で勉強ができるようにならないと、本当には実力はつきません。それに中学に入ってから学力が伸びなくなってしまいますからね。

「成績が上がらない」をどう考えればよいのか

ご家庭からのご要望で多いことは?

やはり「成績が上がらない」ですね。

その場合、どうするのですか?

能開センターがお預かりした以上、やれることはすべてやらせてもらいます。ただ、中学受験が一般化している“成熟”した土地柄のせいか、子どもたちにエネルギーが足りませんね。成績が下がったり友だちに負けても、「なにくそ!」という発奮や競争心があまり湧きません。「仕方がないや」といった反応です。

なぜ成績が上がらないのですか?

自分で立てた「計画」をやり切れない、宿題をやり切れていないことが大きな原因ですね。安易に「わからない」と投げ出すのです。ねばり強く努力しない。時代のせいなのでしょうか。すぐに結果だけを求め過ぎます。「先生、それで答えは?」って言うのがそれです(笑)。安易に結果を求めず、今つまずいている所でがんばることが必要です。そうすれば、もっと“遠く”へ行けるのです。子どもたちは、お父様、お母様に対して「いい子」でいたいと願っています。保護者の方も、お子様に性急に結果だけをお求めなのです。失礼ながら、それが「成績が上がらない」というお声に反映しているように思います。

保護者の方々の役割と能開センターの役割

ご家庭に対して何かありましたら…。

他の先生方も言っていることなのですが、保護者の方には保護者の方にしかできない役割があると思います。まだまだ幼い小学生であるお子様にとって未知の体験となる「受験」。保護者の方はその一番の良き理解者でなければなりません。お子様にとって、精神的にプラスになる一言をかけてあげてください。
イライラするお気持ちは大変よくわかります。が、それをストレートにお子様に言ってはいけません。そんな時、子どもたちは心を遮断しています。つまり聞いていないのです。そしてご家庭の雰囲気だけが悪くなるという悪循環です(笑)。そこをぐっと我慢して、お子様を“応援”する言動を心がけてください。その時、お子様も私たちに安易に「教えて」と言うのをぐっと我慢している姿を思い浮かべてみてください。ご不満などお子様へ言いたいことは、ご遠慮なく私たちにぶつけてください。私たちはそれを汲み取って、指導としてお子様にフィードバックさせていただきますので。
確かに結果は大事ですよ。最終的な目標はそれなのですから。ですが、子どもたちに性急に結果を求めると、せっかくの才能をつぶしてしまう可能性すらあります。子どもたちは一人ひとり、才能の“開花”時期が違います。待てるか待てないか、それが“運命の分かれ目”です。「中学受験」はそういう意味で言えば、まだまだ“芽”の段階での試練です。言うまでもなく、受験が勉強のすべてではありません。少なくとも私たち能開センターはそう考えています。だからこそ、受験だけに役立つ勉強ではなく、受験にも最大の威力を発揮する学習法や学力を身につけてもらいたいと願っているのですよ。

なるほど。

いまの子どもたちは、与えられた1つの課題が終わったら、それからどうしたらいいのかわかりません。その課題が終わったら、もうオシマイなのです。自分の頭で考えて、新しい行動を起こせない。タイプで言えば、2つに分かれますね。全く反省しないか、反省ばかりしているか、のどちらかです。必ずその二者択一です。第3、第4の道を選べない、つまりは自分の道を作り出せない。もともとそんな“道”はありません。自分で創っていくものだからです。
一人っ子が増えているせいでしょうか。保護者の方もいわゆる“過保護”にされていて、わが子に失敗させたくないという気持ちが少し強すぎるのですね。だから、お子様は自分で考えることが少ないまま育っています。ピンチに弱い子が多いですね。だからこそ、私たちは自分の頭であれこれ考え、いろいろ試行錯誤をしなければならない授業、そうやって苦労してたどり着いた喜び、「自分でできた」という喜びを体験できる授業を心がけているのです。

授業に燃えることができるのは子どもたちから“火”をもらっているから

子どもたちを指導していての喜びって何でしょう?

そうですね。入試が終わり、新しい中学に入学後、卒業生が能開センターを訪ねてきてくれることがあります。学校での様子を聞かせてくれたり、ちょっとした相談にのってほしいと、学校帰りなどに立ち寄ってくれるのです。いつまでも居心地のよい空間なのでしょうか。これが一番の喜びで、まさに教師冥利に尽きますね。
子どもには3タイプあると思います。「火を点けようとしても燃えない子」「火を点ければ燃え上がる子」「自らが燃えている子」です。私たちのやっていることは、どの子に対してであれ“心に火を点けて燃やしてやろう”としているのですが、実は私たちも子どもたちから“火”をいつももらっています。それは何も「自らが燃えている子」からだけじゃありません。すべてのタイプの子どもたちからです。だからこそ、私たちは授業や指導に“燃え続ける”ことができているのです。
能開を卒業して大学生になっても、相談にのってほしいとやって来る子がいます。念のために言いますが、「自らが燃えていた子」とは限りませんよ(笑)。でも、いまさら何の相談にのれるというのでしょう(笑)。それでも訪ねて来てくれる。6年以上も前に、中学受験の指導をしただけなのに…。そんなとき、私たちはあの当時、子どもたちに受験指導以上の、もっともっと大きな影響を与えていたのだなと痛感しますね、それも恐いほど…。そして思うのです。だから、いま毎日真剣に子どもたちに対峙し、指導しようと。

よくわかります。

能開センターの会員全員を第一志望校へ合格させること。まずはこのために邁進します。私たちの理想を語るのはそれからでも十分でしょう。エリアのスタッフの想いは全員同じです。一丸となって“最終結果”のために、心を燃やした指導を最後まで貫きたいと思います。

お忙しい中、本日はありがとうございました。

(2006.10)