指導者が語る合格指南

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草津校責任者 小林 礼朋 自ら限界線を引かず、チャレンジしよう!

能開センターで教壇に立ち、16年目。
京都・滋賀エリアで中学受験指導に当たる。
2005年より校責任者として改革の旗をふる。

草津1校で、灘1名、洛南高附属6名、ラサール5名合格

まず、2007年度入試の総括をお願いします。

はい。おかげ様で草津校として過去最高の合格実績を上げることができました。難関中では灘中1名、洛南高附属中6名、鹿児島ラサール中5名。T(難関中受験)クラスは全5名でして、洛南の1名はA(有名中受験)クラスからでした。そのほかのA(有名中受験)クラスのメンバーは今年は京都女子中IISなどに合格し進学しました。これらの反響は大きく、わざわざ京都市内や遠く彦根からも入会したいとお問い合わせをいただくほどでした。
一方、猛省すべきこともあります。実は灘中に挑戦したのは複数名でした。そのうち1名しか合格させられなかったのです。彼らが小4のとき以来、中学受験の頂点・灘中へのチャレンジを彼らとともに毎日毎日続けてきました。合格できたのは本人の実力、ダメだったのは指導者、つまり私の責任です。
今では少し伸びて五分刈りのようになったこの頭髪は、灘中学の合格発表の直後、丸めたものなのですよ。自分の姿かたちを通して、反省と今後への決意を自分の心に深くきざむため、どうしても丸坊主にしなければならない、そう思ったのです。いま指導中の子どもたちには「イメチェン」だとごまかしています(笑)。

自ら限界線を引かず、まずチャレンジしてみよう!

こういう実績を生み出す草津校の“秘密”を教えてください。

秘密なんてないのですが…(笑)、そうですね、「自ら限界線を引かず、まずチャレンジしてみよう!」という考え方と行動を、私はスタッフにも子どもたちにもいつも言っていますね。「そんなことはとてもできない」「やってもムダだ」などと、人間は誰しも自分の限界を低く見積もってしまいがちです。だから、チャレンジしないことが日常になってしまっています。
草津校でいま稼動中の本格的な「中学受験システム」を思い切って取り入れたのが2年前。これによって草津校の"改革"に弾みがつきました。でも、導入のとき、真っ先に「限界線を引いた」のは実はわが校のスタッフなのですよ(笑)。それまでは、京阪神に比べたらのんびりした滋賀県下の校だということで、現システムに比較すれば通塾日数や授業時間が少なく、ゆったりしたカリキュラムや教材群からなる、言わば地元中学受験型のシステムにのっとって指導を進めていました。
スタッフの意見はこうです。「そんなハードな受験システムはここではニーズがない。地元に受け入れられず、草津校はダメになってしまう」。しかしよく考えてみますと、草津は大阪や京都で働く方が多いベッドタウンで、転入者の出身地も京都・大阪・奈良が多数を占めます。ご家庭での教育方針は京阪神と変わらず、もしかしたら中学受験への熱意などはむしろ高いかもしれません。草津校にこそ、本格的な中学受験システムが必要だったのです。スタッフを説得したあと、保護者の皆さまに新システム導入の趣旨と内容をしっかりと説明しご理解を得ました。スタッフはこれを機に変わっていきました。
結果はどうだったでしょうか? これまでの自分の限界を超えて、挑戦する子どもたちが確実に増えました。また、先ほど言いました合格実績です。新システムのおかげだと、今ではみんなしっています。このカリキュラム、この教材群があったからこそ、最難関中学の入試問題にも立ち向かえるだけの実力が子どもたちの身についたのです。

本人が本気でチャレンジしているかどうか

子どもたちも自然体では同様なのです。「これ以上はムリだ」「あの中学にはとても受からない」と自分で勝手に決めつけています。そして、第一志望を簡単にあきらめてしまう。子どもたちが自分で思い込んでいる"限界"は本当の限界では決してありません。私の経験から言えば、そこより数段先まできっと行けます。はじめの"限界"は、自分にとっての乗り越えるべき壁なのです。それを苦労しながらも突き抜けてこそ、第一志望にも手が届きます。
私たちはまず、目標や夢に向かって「いっしょに行こうか」と子どもたちに声をかけます。そして次第に本人がやる気になって努力を始めれば、「よし、行くぞ!」に切り替えます。似ていますが、ちがいます。後の「行くぞ!」では子ども自身も主体になっています。ただついていくのではなく、本人自身が自分の意思で走っています。当人が本気でやる気になって、はじめてその壁を乗り越えることができるのです。本気でチャレンジしているか、していないか、そのちがいです。

勉強好きになっていくサイクルをつくる

草津校責任者 小林 礼朋

具体的にはどのような指導を心がけているのですか?

「精神論」ぽくなってしまいましたが、もちろんそれだけではありません。たとえば、私たちは「鉛筆の持ち方」から指導します。いま、子どもたちの「はし」の持ち方が乱れていると言われていますが、鉛筆でも同様です。長い時間、集中して勉強するためには鉛筆の持ち方や机への向かい方が正しくできていなければとても持ちません。成績うんぬんの前に「勉強する姿勢」を身につけることが必要なのです。
また、宿題の出し方には細心の注意を払っています。易しすぎても難しすぎてもいけません。ストレッチで少し痛みを感じる程度の「背伸び」をさせる問題、これが最適です。本人にとっての良問の選択こそが、指導者の腕の見せ所だといえます。能開センターの中学受験システムには多レベルでヴァラエティーに富んだ教材群がそろっていますので、そこから選択します。その課題の与え方さえ誤らなければ、子どもたちは自分の力で伸びていきます。
幸い、草津校の保護者の皆さま、会員諸君は能開センターの方針をよくご理解いただいております。子どもたちは授業終了後も自主的に教室に残り、自習や質問に時間を費やします。その日の復習や宿題を早速始め、授業での不明点をその場でつぶして帰宅する子どもたちがほとんどです。
私たちは「勉強はわかっただけではできない。できる=解けるようになって完成だよ」とよく言うのですが、草津校の子どもたちはその日の勉強単元を「完成」させて帰ることが習慣となっています。その「完成」があるから、帰宅後一人でも残りの宿題の問題が解ける。解けるから勉強がおもしろくなる、達成感が生まれる。こうして勉強好きになっていくサイクルが回り始めるのです。

いろんなことに興味を持つ、チャレンジをしてみる

お話を伺うと、やはり自主性が重要なようですね。

その通りです。保護者の皆さまによく申し上げるのですが、人に依存するような勉強法を続けていると、必ず高学年になってから学力が伸びなくなります。たとえばお母さまが横にすわり、わからないと助け舟を出してもらう。これでは自分で「壁」を乗り越えようとする力どころか意志さえ育ちません。
それに、ご家庭での指導には限界があります。特に受験算数の指導にはやはり専門的な知識と技術が必要なのです。遅くとも小学4年のうちに自立型の勉強法に移行させることが欠かせないですね。そのあとの勉強については、すべて能開センターにお任せください(笑)。
能開センターがどんなところか、実際に知っていただけるよう、草津校では「無料体験授業」を春・秋中心に行っています。理科実験や算数パズルなど、ふだんとは少し角度をちがえた授業ですが、会員の子どもたちもたくさん参加しますので、教室の雰囲気は体験いただけると思います。保護者の方々にも参加いただき、ありのままをご覧いただいています。
話があちこちに飛びますが、私たち能開センターの願いは中学受験を通して能力開発をしてもらうこと、また学ぶ喜びを知ってもらうことです。そういう一環として、私は「算数オリンピック」への参加も呼びかけています。昨年、小6会員生が地方予選の「大阪トライアル」を滋賀県からはただ一人勝ち上がり、東京での「決勝ファイナル」へ進みました。いろんなことに興味を持つ、チャレンジをしてみる、そんな子どもたちを育てたいですね。

スピードとチームワークを活かしての「チーム指導」

元気な草津校ですが、今後はどんな校をめざしますか?

わが草津校の指導の持ち味はスピードとチームワークです。たとえば「中学受験公開模試」や「実力テスト」の日はこんな具合です。
全科目の試験終了後、すぐ子どもたちの答案のコピーをとり、解答とともに配布します。その場で答え合わせ、まちがい直しをさせるのです。あちこちから「あっ、そうか」と小さな声がもれます。もちろん質問にも答えます。必要なら、小授業もします。湯気が立っているうちに復習すること、これが大事です。てきめんの効き目があると思っています。
一方、私たちスタッフは採点を「アノトペン」という秘密兵器で行います。1問採点するたびにそのままデジタル情報としてデータベースに記録されていきます。採点が終われば、クラス別、個人別、科目別、問題別にただちに集計・分析できます。併せて、各担当者は答案研究を行い、自分の受け持ち科目の個人別、分野別把握をします。これでもってその日のうちに指導者会議を開き、クラス別状況や個人別課題などを全員で確認し合うのです。
このようにして、指導担当者全員が教科を越えて、クラス課題、また会員個人別課題を情報共有し、指導スタッフが一丸となって対策と指導に継続的に当たっています。「チーム医療」ならぬ「チーム指導」です。

子ども・保護者・スタッフが三位一体の校運営を

まだまだ小規模な校です。スタッフは子どもたち全員の顔と名前が一致します。学年を越えて、子どもたちや保護者の皆さまとお話ができます。保護者の皆さまとのコミュニケーションは特に大切にしています。お子さまの送り迎えの際なども情報交換の欠かせぬ機会と心得ています。何でもお話いただけるのは、私たちを信頼いただけている証です。それを背に受け止め、子どもたちに対して思い切って指導できることは何よりも指導者冥利に尽き、感謝しています。
子どもたちや保護者の皆さま、そして私たちスタッフが三位一体となって頑張れているなと感じさせていただけるのは、たとえば大阪・清風中学校で行われる「集結特訓」に草津校小6生のほぼ全員と参加できるときです。大切なお子さまを私たちに託していただいているわけです。実はこれも始めは「わざわざ大阪まで行かなければならないのに、参加してもらえるだろうか」という不安がスタッフの中にありました。
しかし、それも杞憂に終わりました。今ではサッカーの遠征試合に行くような刺激的な気分、「負けないぞ」という決意と覚悟で、子どもたちも私たちも意欲満々で参加しています。この三位一体の校運営をさらに拡げ、深めていき、皆さまのご期待により少しでもお応えできる草津校にしていきたいと心より思います。これからもいっそうのご支援をお願いします。

わかりました。本日はありがとうございました。

(2007.05)