指導者が語る合格指南

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泉州エリア責任者 南 健 受験は未来の自分自身へのチャレンジ!

入社20年。この間、一貫して
中学受験指導の先頭に立つ。
大阪主要校の責任者を歴任。

ナンバーワンだからこそ、地域を越えてチャレンジする

入試がいよいよ近づいてきました。泉州の状況はいかがですか?

岸和田校・泉佐野校の2校がカバーするこのエリアでは、地域ナンバーワン校の清風南海中学が圧倒的な存在感をもっています。能開センターに入会を希望される方も、志望校にまず清風南海中学を挙げられますね。それからです、選択の幅を広げられていくのは。
中でも、トップクラスの「スーパー特進」が人気の的です。そのスーパー特進の定員が2008年度から増員されます。これまでの1クラス40名が2クラス70名になるのです。これは優秀な生徒が40名の枠に収まり切らなくなったせいです。それだけ優秀な生徒が集まるようになった、つまりそれだけ入試も熾烈になっているということなんです。
実際、年々グレードアップする教育水準と男女共学というメリットで、これまで大阪中央部のトップ男子校、女子校を受けていた受験生が清風南海中学のスーパー特進をめざすようになってきました。
能開センターは長年、清風南海中学への合格者数ナンバーワンを確保していますが、私たちの目標は数ではなく質の高い合格です。つまり、スーパー特進にどれだけ合格者を送り出せるかが、私たちの指導力を測るモノサシだと考えています。
ただし、私たちは清風南海中学やスーパー特進への合格者数が地域ナンバーワンであることだけに満足はしていません。子どもたちの学力水準を向上させることに主眼をおき、地域を越えた近畿圏最難関中学校へチャレンジし、合格する力を育てることを志しています。それが全国ナンバーワン中学・灘への挑戦です。今年も、この最高レベルにまで学力を伸ばした会員生たちがチャレンジしてくれます。うれしい限りですね。

一人別の受験指導、進化し続けるテキストと指導内容

その灘中学への受験指導には、能開センター・近畿地区 中学受験プロジェクトとして「灘特訓クラス」を設置し、最難関プロジェクトが全面サポートする体制を敷いていますが、それだけではありません。所属校の本科担当の先生たちが灘特訓の指導者と緊密に連絡を取り合って、一人別の課題克服、弱点補強の指導に、それはもう真剣かつ熱心に毎日取り組んでいます。
合否の違いは数点の差、いいえ1点の差です。合格するに何が足りないのか。それはどの教科、どのテーマなのか。いつまでにどうすればいいのか。教材には何をどう使えばいいのか。このような仮説を立て、指導をどんどん精緻化していくよう進めています。ビジネス用語でいう「Plan(仮説)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)」のPDCAマネジメントサイクルを意識しているんです。
もちろん、これは灘中学への受験指導に限ったことではありません。受験生全員につき、PDCAサイクルを組み込んだ一人別の指導体制で取り組んでいます。
同様にして、能開センターの指導も毎年進化を遂げています。最新の指導カリキュラムをテキスト体系化した「算数大全」に続き、国語テキストも刷新を行っていきます。こういったことが可能なのは、科学的な分析方法論をもった綿密で精緻な入試分析を毎年行っているからです。一方で、入試分析結果を踏まえた様々なテストを実施し、その成績データを一問ごとに管理しています。
これらを組み合わせることにより、一人別の指導改善に活かすだけでなく、テキストと指導内容の最適化を図っているのです。このテキストに何が足りないのか。反対に、何が不要か。合格に必要にして十分なテキストと指導内容をめざして、常に検証を行い、次の改善へとつなげているのです。

入試当日も試験会場に入る直前まで激励指導

南さんは入試当日の引率・激励指導の総責任者でもありますよね。

ええ、そうです。とても重要な任務を頂戴していると感じ、どうすれば受験生一人ひとりに私たちの思いが伝えられるかと、毎年腐心しています。
数年間、ともに学び合い、時には苦しみを、時には喜びを分かち合ってきた子どもたちですが、私たち指導者は当然ながら試験会場の中には付き添えません。でも、その直前まで、際(きわ)の際(きわ)までなら、指導・激励することができるのです。
しっかりしているように見えても、まだ12歳の子どもたち。合否を左右する1点のプラスもマイナスも、本人の気持ち、内的な動機づけ次第でどちらにでも簡単に傾いてしまいます。
当日、学校指定の時刻前に、能開センター会員生には早めに集合してもらい、直前指導・激励会を行います。特別プリントによる頭脳のアイドリング(ウォーミングアップ)とミニ授業、そして最後の檄を飛ばして気合いを入れます。
同時に、私たちは平常心を失っている子がいないか、試験に向かう準備ができていない子はいないか、一人ひとりの表情や様子を確認していきます。気持ちが身体に表れるんですよ。そんな子は緊張で顔がこわばり、引きつっているように見えます。
私たちの役割はそれをほぐしてあげることです。声をかけ、いっしょに散歩したり、空を見上げさせたりします。いつもの明るい笑顔にもどれば、もう大丈夫です。ふだんの自分、つまり平常心を取り戻すことが一番大事です。
逆の場合もありますよ。はしゃいだり、試験をなめたような状態になっているケースです。これでは大きな失敗をやりかねません。ほどよい緊張感が必要です。緊張をほぐす、また引き締める。緊張と緩和を上手に行い、全員を最高の状態で試験会場に送り出すこと。これが入試の「際の際」で能開センターが行っていることです。

本番シミュレーション体験「清風南海中模試」から学べること

泉州エリア責任者 南 健

先日の「清風南海中模試」について教えてください。

「清風南海中模試」は、11月3日の「大阪星光学院中模試」「四天王寺中模試」に始まり、「西大和学園中模試」「灘中模試」「東大寺学園中模試」と続けてきた、一連のターゲット模試の最後を飾る「志望校別模試」です。今年も12月23日に実施しました。泉州エリアでは、ここから入試に向けて最後のカウントダウンに入ります。
会員生322名が受験したのですが、この模試の最大の特長は試験会場がズバリ清風南海中学であるということです。同様にその中学を試験会場にして実施するものに、「西大和学園中模試」、和歌山地区の「智辯学園和歌山中模試」「近畿大学附属和歌山中模試」があります。
本当の入試が1月19・22日。約ひと月前の本番シミュレーション体験です。たとえうまくいかなったとしても、それを反省し最終調整すべきことを学べる最高の機会なのです。
だから、私たちの方の課題はどれだけ本番体験に近づけることができるか、ということになります。可能な限り、試験問題はもちろん、時間設定なども本番同様に行います。先ほど言いました「直前指導・激励会」まで、当日さながらに行うんですよ。
今年は人身事故で列車のダイアが大幅に遅れるというハプニングがありましたが、これは入試当日にだって起こりうることです。その場合に焦らずに如何なる行動をとるべきか、良い経験ができたと思います。いくら体験させようとしても、こればかりは私たちが設定することなんか出来ないことなんですから(笑)。
私たちにとっても、この模試でしか知り得ないことを知れる特別な機会となります。というのは、私たちが入場できなかった「入試会場」の中にまで入り、そこでの子どもたちの様子をじかに見ることができるのですから。
入室するまでの様子、着席後に何をどうしているか、試験時間をどう使っているか、休憩時間の過ごし方など、私たちは一人ひとりの振る舞いを細かくチェックしていきます。その場では何も言いません。まず、ありのままの姿を知りたいからです。これらはあとひと月の指導に活かせる貴重な材料となります。
試験結果は翌々日の25日に、採点答案と成績帳票として返却しました。冬期講習の初日です。おわかりでしょうか? つまり冬期講習は、模試から得られたそれぞれの課題(振る舞いも含めた)の克服に向けた、最後の集中学習の場なのです。

「親」であるがゆえの限界を自覚することが大切

ご家庭へのアドバイスがあればお願いします。

自分自身への戒めもこめて、お話させてもらいます。「親」であるがゆえの限界について、自覚されることが大切だと思います。親という立場は、わが子しか見えないものです。たとえば、できる、できないを兄弟同士、近所や知り合いの子と相対的に比較するだけ。客観的な絶対基準が持てません。
わが子の勉強の様子を見るにつけても、机に向かってさえいれば安心してしまう。でも違うんですね。何をするにしてもそうですが、時間には限りがあります。その限られた時間内にどれだけできるかこそが大事なのです。逆もありますよ。ぼっーとしているときこそ、集中して考えていることもあります。見かけではありません。
能開センター・泉州エリアの各教室にはタイマーが備えてあります。いつも必ず時間を限ってから学習指示を出しています。そういうクセをつけてほしいからです。
それから親は子どもに対して、つい「怒って」しまいます。本当は「叱ら」なければならないのですね。かく言う私自身も帰宅すれば、つい「怒って」いることがありますから(笑)。私も3人の子どもの父親ですが、他人様にわが子を預けてみること。その大切さを思います。

集合教育のダイナミズムが一人ひとりの力を引き出す

私はいつもこんなお話を保護者の方々にさせてもらいます。第1位が母親、第2位が父親、第3位が信頼できる大人、そして第4位が周りの友だちです。何だと思いますか? ある調査による「思春期に子どもが意見を受け容れにくくなる人」ランキングなんです。
母親はマシンガンのように注意しがちです。子どもはこれに慣れてしまうのですね。「またか」と受け流すようになって、聞いてはいないのです。父親はたまに注意します。家庭でのルールや人としてのルールに関してが多いですね。たとえて言えば、大砲を撃ち込むのです。少しは効き目があります。
でも、お母様方に申し上げますが、これも見かけの話なのです。子どもは幼年時代、お母様に甘えていたはずです。成長するにしたがって甘えが潜在化し、その気持ちがフィルターになって、お母様方に反発しているのです。つまり、本当は子どもが一番甘えたいのはお母様なんです。
父親の意見の方が受け容れやすいのは、父親の方が珍しいからです(笑)。たまにしか会わない、話さない存在だからこそ素直になり易いのです。ですから、お母様方はぜひ自負と自信をもって、お子様に対応してほしいと思いますね。
3番目の代表は先生ですが、ポイントは「他人」だということです。だから素直に受け容れやすいのです。しかし、「先生だからそんなこと言うんでしょ」とか「大人だからそんなことを言うんでしょ」と捉える子どもだっているのです。
最後、つまり最も受け容れやすいのは周りの友だち。これは友だちから「○○君それではいけないよ」と注意されることが、受け容れ易いということでは決してありません。みんながしていること、できていることを自分がしていなければ、そこには言い訳ができないのです。
だから、みんなで何かをいっしょにするということ、たとえば勉強するということが大切なのです。能開センターでクラスのみんなと勉強するということには、間違いなく意味と効果があります。「受験体験記」でも、友人の存在の大きさをみんな書いていますよね。
先ほども言いましたように、私たちは個人別指導のノウハウやツールを集積して、それを実践しています。しかしその指導の基盤は、子どもたち同士の相互刺激に満ちたクラス指導、つまり集合教育のダイナミズムなんです。そんな集合教育があるからこそ、一人ひとりの力が最大限に引き出される、といつも感じています。

指導者としての資格は子どもたちを「観る」こと

生徒指導にあたって、心がけていることは?

はい。私自身が心がけるとともに、いっしょに指導を担当する先生方にもよく言うのは、子どもたちをしっかり「観る」ということです。ただ「見る」のでも「看る」のでもありません。まず、冷静に細かく観察するのです。
指導者として、私たちは授業をしますが、テキストと黒板だけを見て教えているようでは失格です。この授業、この指導がクラスに合っているかどうか、易しすぎないか難しすぎないか、常に子どもたち一人ひとりを、目と言葉で観ることで検証することが必要なのです。それがない授業なんて、アリバイの授業に過ぎません。
子どもたちは正直ですよ。刻一刻と表情が変わります。やる気があるときとないときの動作はまるで違います。今日のテーマに興味を持ったか。自分の言ったことが伝わっているか。言っただけではダメです。コミュニケーションはキャッチボールです。相手がボールを確かに受け止めたかどうか、きちんと観なければいけません。出来具合は想定通りか。はずれていたら、次にすることは? 子どもたちを観察し、そういう自問自答をくり返しながら、発問し応答し、授業を展開していかなければなりません。それができて初めて指導者と呼ばれる資格があるのです。
ある有名私立中高一貫校の元校長先生のお話です。新しく就任され、学校改革に取り組まれたとき、先生方全員をこの観点からチェックされたそうです。そして「不合格」の先生には、学校から去ってもらうことにしたそうです。今ではその私学はたいへん優秀で人気のある学校として知られています。

受験を通じて、魅力ある人物に育ってほしい

受験に向けて、考えや決意があればお願いします。

受験はゴールではありません。しかしただの通過点でもありません。私は受験を大きな「分岐点」だと考えています。どういう分岐点なのかと言いますと、次の教育環境を選択する分かれ目です。学校によって、出会う先生や友だちが大きく変わります。また、「人生」=「人との出会い」と考えると、それこそ大きな「分岐点」だと言えます。校風をはじめとして自分に合った学校へ進学する。だから、第一志望校へ進学できることが望ましいのです。単に偏差値の高さではありません。
でも、受験は思い通りにならないこともあります。ですから、受験する学校は全て良い学校だと話してあげてください。第二志望校をけなすようなことがあってはなりません。特にお母様方にお願いしておきます。
また、受験においては「負けない」ことが大事です。人との競争に勝つのではなく、自分自身に打ち勝って、人には負けない力をつけることが大切なのです。そのためには、やるべきことをきちんとやり抜くこと。弱い自分との戦いなのです。
これが本当の教育だと思います。そのプロセスで自分自身が鍛えられ磨かれていきます。清風中学の平岡宏一副校長先生が「その人のそばにいけば、周りの人が自然と温かくなるような人物を育てたい」といつもおっしゃるのですが、能開センターがめざす教育も同じです。受験を通じて克己し、内剛外柔の魅力ある人になってほしいと考えています。
そういう意味で、能開センターは単なる受験塾ではありません。その証拠に、卒業した子どもたちがよく訪ねてきてくれます。能開センターは子どもたちが帰ってきてくれる、また帰れる場所であり続けたいですね。そうでなければ、能開センターである意味がないとさえ思います。
訪ねてきてくれたとき、自分の名前を覚えてくれていて呼んでもらえるような先生でありたい。それは、時にはしっかりと叱り、時には黙って見守ってやる、といった日頃の指導がどれだけ正しくできていたかどうか次第です。私たちは全員、そういう気持ちで日々の指導に取り組んでいます。
まもなく受験です。まず、入試で私たちの指導の成果が試されます。そして卒業後にも子どもたちの思い出の中で、私たちのトータルな指導がどうだったか問われるのです。
私たちがやるべきことはすべてやり尽くしました。子どもたちがどんな受験をしてくれるのか、楽しみに待つとともに、私たちの指導の評価を真摯に受け止めたいと思います。

わかりました。本日はありがとうございました。

(2008.01)