指導者が語る合格指南

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学習指導室責任者 中村 光伸 今の力に慢心することなく理想を追求し続けるストイックさ、明るい向上心ある人の参画を求めたい

奈良エリアで校責を歴任、10年前より近畿中学受験部門「低学年PJ」の主要メンバーとして低学年の指導やテキスト・テスト開発を中心に担当。最近では、2009年度から能開one-twoスクール小学1年に導入されたLIALS(リアルス)システム(LogTeacher(ログ・ティーチャー)の指導)の開発や低学年国語の指導ガイド『国語 正伝』の編集を手がけている。2006年〜2007年には、新設プレ西大寺校責任者として、小学受験も指導。
また長年、指導者育成を担当する「学習指導室」のスタッフを兼務し、2008年度より「学習指導室」責任者として、プロの指導者輩出に尽力。

「学習指導室」の業務内容をご紹介ください。

指導者の研修と新しい人材の募集と採用が主な業務です。
こう言うと一般的な人事業務のようですが、『子どもたちが感動できる授業』に直接関わる業務ですから、指導者自身も成長し研修官も成長していけるよう、研修のシステムも採用のシステムも常にレベルアップを心がけています。また、研修官(研修する側)被研修者(研修を受ける側)という区分は存在しますが、『研修チーム』として一体感をもって進めていきたいと思っています。
どの職業においても職能の向上のために研修は必要ですが、一昔前の塾業界にあったような一方的な徒弟制度や模擬授業の単純な繰り返しで、一方的にアドバイスを受けているだけでは、現在求められている進学塾の姿やその成長速度から引き離されていきます。
一人の先生の模擬授業に対して、研修官たちが指摘をし…ここで終わってはもったいないです。改善点を挙げていくのは当然のこととして、その時の模擬授業を題材・きっかけとして、より最適な指導法や教科単元の本質について、研修者同士、あるいは研修者と研修官も一体になって議論できる集団でありたいと願っています。疑問や行き詰まりを恥じることなく明らかにし、考えながら、そしてアドバイスし合いながら研鑽を積める集団での経験が、自己研鑽できる個人の育成に繋がると信じています。

ナンバーワンの授業に必要な3つの力。指導者は明確な基準で選考しています

採用時のポイントは? どういう人材を求めていますか?

まず採用についてですが、毎年たくさんの方に応募をいただいていることに、深く感謝をしています。“自己の指導経験を生かしてプロとしてステップアップをしたい”“子どもたちと目標を共有できる進学塾で先生をしたい”と能開センターの教壇に立つことを希望する人たちが年間200名ほど応募してくださいます。その一方で大変申し訳ないと感じているのですが、合格率は10%台です。応募を頂いたことには深く感謝しつつ、厳しい選考基準を維持していくと、毎年10%台の合格率に自然と落ち着きます。

求めるのは常に進化し続けようとするプロフェッショナル

求めている人物像については、教科指導・受験指導のプロフェッショナルとなるわけですから、豊富な専門知識や指導経験があれば心強いのも確かです。さらに、一流のサービスマンに通じる要素も求めています。一流のサービスマンは、どんな難題が含まれていても、お客様の喜ぶ様子を見てやりがいを感じますよね。私たちも根底は同じです。子どもたちが楽しんでいる姿・意欲的な姿・目標をたち成した姿を見たいと本気で願っているかです。
応募者の方の志望動機をお聞きすると、次のような2種類の返答が多いのですが…
A「自分の持っている経験や知識を生徒たちに伝えたい」
B「自分のこれまでの経験や知識をもとに、生徒とともに自らもプロとして成長したい」
実はAタイプのお答えが多いのです。自分の方法が最も正しいのだと。
これは、研修のもう一つのポイントにも通じることですが、いくら自己評価は高くても周囲(他人)が認めないものには、社会的価値はないということです。たとえば、“自分は音楽への情熱なら誰にも負けない”“歌なら誰にも負けない、○○より私のほうがうまい”と強く信じていても、実際は周囲がその人の歌をどう感じるかですよね。
成績不振や理解に時間のかかる子に「なぜ、僕の授業を受けていてこんな成績なんだ!」と責めたてる指導者も、広く塾業界を見渡すと存在すると聞いています。しかし、そのような指導者は、いくら立派な経歴をもっていても、能開センターには不要です。自分の経験や知識で十分だと考えず、進化したものを今現実に目の前にいる子どもたちにどう伝えるか、そしてその模索を楽しむ明るい向上心をもった指導者が良い指導者だと考えます。
教科の専門知識に加えて「ナンバーワンの授業に必要な3つの力」をまとめますと
(1)疑問や行き詰まりを恥じずにオープンにできる心。
(2)一流サービスマンにも通じる顧客満足の提供に喜びを感じる心。
(3)模索・実践・検証を楽しめる明るい向上心。
です。

学力を伸ばすという目的に加え、「学ぶおもしろさが伝わる授業」を指導者は追求します

学習指導室責任者:中村光伸

人材育成において、(1)OJT(On the Job Training)(2)研修(3)自己研鑽の三つを有機的に結合させていくことが重要だ、と言われています。能開センターの人材育成システムはどのようにされていますか?

学習指導室が行う研修では、まず「客観的な目」を自己に向けることから始めることにしています。先に述べた3つの力の(1)に通じることですが、実際の授業風景を映像に収めて、研修チーム全員で視聴をします。そして、2種類(セルフチェック用とパートナーチェック用)の4段階評価×25項目のチェックシートを用いて、ただ漫然と視聴するのではなく、観るべきところを観て必ず評価をすることを行っています。
模擬授業は、実際の担当クラスで直近に授業をする単元で行う日と、入試問題をベースにした教材や入試問題そのものを扱う日があります。毎回の授業の精度向上をはかっていく一方、目の前の授業単元だけを追いかけても、楽しく深みのある授業はできませんから、常に「ゴール(入試)」を見つめています。そして、この模擬授業も学習指導室で作り上げたチェックシート(4段階×25項目)を使って評価をします。

指導法はオープン
被研修者同士の相互チェックで自己研鑽を深める環境も整えています

こうしたチェックシートは、研修官の好みや主観による評価を防ぎ、誰もが良いと認める理想的な授業に何が不足しているのか明確にできる効果があります。また、他の研修者もこのシートで評価をする立場を体験し、自己に置き換えて再度考え直す機会としていますから、自己研鑽へ向かう感性を養えていると思います。そして、研修結果や評価を記したものは全て所属長が目を通したあと、所属長から本人へ手渡しで返してもらうようにしています。学習指導室だけが指導者の育成をしているわけではないからです。
所属する校舎には、よき先輩や同僚がたくさん存在し、全員が担当教科に関係なく、指導力アップには関心を持ち合っています。教材研究に必要な観点を教わることも、授業の見学も、授業のチェックを受けることは各校舎でも可能です。
また、校舎に入れば授業だけが仕事ではありません。子どもたちを安全に送迎するのも、子どもたちのノートに残すコメントも、校舎環境を整えるのも、全て目的があることですから全てに最適な方法があります。そうしたことをありとあらゆる機会を捉えて学べるように、学習指導室も各校舎の先輩たちも「育成責任」を担っているのです。

能開センターは常に皆さまのお声に耳を傾けています

能開センターには生徒や保護者からも授業の評価をもらう「授業アンケート」あるとお聞きしています。

はい、能開センターでは毎年定期的に「授業アンケート」を実施しています。子どもたちと保護者の方にご記入いただくアンケートは、第三者の手で集計され指導者にフィードバックされます。アンケート結果は真摯に受け止め、フォローアップ研修の実施など、皆さまの声を速やかに反映させる体制を整えています。

先輩、同僚、そして子どもたちや保護者の方からも、オープンに評価を受けるシステムが根付いているのですね。そうした在り方を今後も大切にしながら、よりよい指導を実現していってください。
本日はありがとうございました。

(2009.5)