指導者が語る合格指南

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能開センター河内長野校責任者 磯脇 大輔 中学受験を通して自己実現する力を身につけさせたい

これまで、そして現在も難関クラスの算数指導や最難関クラスの理科指導を、大阪では難波校・河内長野校で、奈良では王寺校で担当。「教える」よりも「発見させる」ことにこだわった指導が信条で、これが指導クラスの安定した得点力や高い成績向上率に繋がっていると、実績に裏付けされた自信を持っている。「ゆさぶり」を大事にした指導には定評がある。
2003年度より王寺校中学受験コース責任者。西大和学園中学を中心に難関・最難関中学に多数の合格者を輩出。
2009年度、河内長野校責任者に着任し、来春2回目の入試を迎える。また、現在、近畿地区 中学受験プロジェクト理科主任を兼務している。3科目型入試を理科強化で勝ち抜く「W(ダブル)理科講座」を設計するなどにも力を注いでいる。河内長野校と理科主任の「W責任者」として多忙な日々を楽しんでいる。

大阪星光学院・西大和学園・四天王寺中学校に、河内長野校単独で“トリプル10”の合格実績を出す!

入試が近づいてきました。2011年度は河内長野校を任せられて2年目の受験生を送りだすことに。河内長野校の今年度入試の「目標」について教えてください。

第一志望校合格に最後までこだわることはもちろんのこと、清風南海中学校や清教学園などの地元人気校はもとより、大阪星光学院・西大和学園・四天王寺の3中学校に校単独で10名の合格者を出すという“トリプル10”を目標としています。地元の人気校だけでなく、近畿の最難関・難関校にも果敢に挑戦していく受験生を輩出することで、能開センター河内長野校は地域の皆さまからのご期待に添えるものと思っています。

中学受験は子どもたちにとって、少年期における重要な成長機会と考えています。毎年受験生を送り出しますが、いつも子どもたちの成長する姿を目の当たりにすると、こういう大切な機会に携わることの喜びと責任を痛感します。今年の入試も、子どもたちにとって良き成長機会となるよう、最後の一人の入試が終わるまで、子どもたち・保護者の方々・我々指導スタッフが三位一体となって邁進していきたいと考えています。入試直前である現在、全スタッフ一丸となって、子どもたち一人ひとりの夢である“第一志望校合格”を実現させるため、とことんまで付き合っている最中です。

中学受験を通して自己実現する力を身につけてほしい

上記の目標を達成させるために、校としてどんな取り組みを実践していますか?

私は、中学受験を通して子どもたちに自己実現力を身につけてほしいと願っています。そのためには第一に、自己分析ができること、第二にその課題に対して具体的な方策を自ら見つけることだと考えます。そこで河内長野校では、毎月の実力テストや中学受験公開模試終了後、子どもたちに“振り返り”の作文を書かせて、各自の現状の課題と対策について考える習慣を身につけさせる指導をしています。また、普段の授業後や季節ごとの講習でも、毎日授業終了後5分程度を使い、その日を振り返らせることに取り組んでいます。

もちろん、子どもたちだけに任せているわけではなく、クラス担任が中心となって、一人ひとりのテストデータや授業の受け方、家庭学習の状況などを総合的に分析することにより、最大効率&最大効果のでる学習を一人別に提案し、フォローを行っています。その効果あってか、受験まで間もない今、6年生の子どもたちは春とは比べものにならないくらいたくましく成長してくれています。また、この“振り返り”は子どもたちだけでなく、我々指導スタッフにとっても子どもたちへの指導を検証する上で良い機会となっており、日々の指導力向上にも役立っています。

子どもたちを「ゆさぶる」キャッチボールを通して主体的な学びを培う

自分自身を振り返る習慣は、大人になってからもいろんな場面で役に立つ“一生もの”の力になりますね。では、教科面の指導で心がけていることは?

算数・理科の授業では、すぐに答えを伝えないで、子どもたちとのキャッチボールを通して、なぜそうなるのかしっかり考えさせることを意識してやっています。理科で言うと、子どもたちにとっての“当たり前”の多くは、実はそうではありません。普段から現象に対する理由(=原理原則)に気付かせるようにしています。

例えば、本とティッシュを空気中で落とすと本が先に落ちますが、これを真空でやった場合はどうなるか? また、空気中で本の上にティッシュを乗せて落としたらどうなるか? まず自分なりの仮説を立てさせて、実際にできることは試してみる。すると「おぉ!」と驚くような感動をともなって知識を得ることができます。感動を伴った知識は、忘れにくいのです。

また知識事項についても、できるだけ積極的に調べてもらうように仕向けています。子どもたちにとってひっかかりのあることをわざと言ってみたり、興味をひくような投げかけをします。「前脚しかないイモリって何だ?」「伊勢海老の幼生はバルタン星人に似ている!?」とか(笑)  枠にとらわれない知識力を身につけさせたいと思っています。そういった指導の方針を、河内長野校の全スタッフ、及び現在担当している理科のテキストの編集方針にも反映させていこうとしています。

最難関中学入試で求められるのは未知の問題に果敢に挑戦する力。 逃げない姿勢をじっくりと育てあげる

最難関中の入試で問われているのは、「自ら分析し、自ら法則を見つけ、自らその法則が果たす役割を推測し、自ら説明できる」力です。簡単に言うと、見たことも解いたこともない未知の問題に、入試では取り組まないといけないということ。合格するためにはその問題を捨てさせるわけにはいかないのです。ですから日ごろから未知の事柄や問題に、果敢に取り組む姿勢を身につけさせるように心がけて指導しています。

「ノート大賞」でいいノートを表彰、結果(成績)に至るまでの“プロセスも褒めて育てる”

なるほど、そういった姿勢は一朝一夕には身につきませんから、日々の指導の中で意識して継続的に伸ばしていくことが大切ですね。自分自身を振り返る、自分で考え調べる、つまり主体的な学習姿勢を育てようという工夫がうかがえます。

河内長野校では今年から小3・4・5年生を対象に、毎月「ノート大賞」という表彰イベントを始めています。各クラス、各教科のいいノートにコメントをつけて、校に掲示したり冊子化して配ったりしています。これは王寺校責任者の時代にもずっとやっていたことなのですが、こうすると、子どもたちのノートの質が格段に変わるんですよ。分からないところを先生に聞くよりも友達に教えてもらったほうが案外よく分かるのと同じで、指導者はつい理想のノートを求めてしまいがちですが、それよりも“身近なお手本” を見せることのほうが効きます。子どもたちはふだん、自分のノートしか見ないので、良いお手本を見る機会を作っています。

具体的にどんなノートがいいノートなんでしょうか?

単にきれいなノートではないです。
1.授業内容をきっちり復元できている
2.重要ポイントを書き足している
3.自分なりの課題とリンクさせたノートになっている
この3が重要で、“日記”みたいになっているノートがいいんです。これができたらゴール! これはそれぞれの学年に言えることで、できる子はどの学年でもできています。河内長野校では5年生を終了する段階で、ゴールまでいけるように指導を続けています。

また、これをするもう一つの理由は、成績以外にも子どもたちを“褒める機会”を設けようということがあります。結果(成績)も大事ですが、プロセスも重視してほしいので、プロセスも褒めて伸ばしてあげたいのです。

感動を伴う授業、子どもたちの思い出に残るような授業でひっぱっていく

子どもたちが問題を解くときに思い出すのは、家ではなく授業。だからいかに授業で印象づけることができるかなんです。感情の伴った思い出は忘れませんよね。それと同じで習ったことを感情と結びつけて、心と体で覚えているような、思い出になるような、そんな授業をしなければいけないと。良い授業があってはじめて、いいノートが生まれてくると思いますので。
5年生までは、正しい学習方法を身につけさせるために様々なアプローチをしていきます。しかし6年生からは、次の成長に向けて少し厳しくしていきます。

低学年期には、子どもの好奇心を親も一緒に掘り下げて

受験学年に入るまでに、学習姿勢、教科面で入念な準備が必要なのだとよく分かりました。
では、その前の低学年期に、子どもを勉強嫌いにさせないために、家庭で気をつけておきたいことは?

低学年期には、保護者のみなさんはお子さまの好奇心に対して敏感になっていただきたいのです。例えば理科の例で言いますと、公園などで見かけた昆虫をお子さまが「この虫、何だろう!?」と聞いてきたら、「知らないなぁ」などとは言わずに、「写真にとって、図鑑で調べてみよう!」というように、好奇心を一緒に掘り下げてあげて欲しいのです。また、簡単な実験をご家庭でやってみるのもお勧めです。実験は失敗しても構いません。その工夫の中でお子さまは原理法則への理解を深め、自然現象の驚きや感動を五感を通して身に付けることができるでしょう。「分からないなら、覚えてしまえ~」は、絶対にタブーです。

必須理科 +「演習理科」=“W理科” で理科の得点力を大幅アップ

近畿地区 中学受験プロジェクトの理科主任も兼務しておられます。能開センターは2011年度から3科目型入試を理科強化で勝ち抜く「W(ダブル)理科講座」を設置しますね。この講座について少しご説明ください。

3科目受験ができる学校がここ数年で一挙に増え、東大寺学園・洛星中学校・大阪星光学院なども4科目入試1本から「3科目・4科目アラカルト方式」に変更となりました。これにより、算国理の3科目に絞って勉強してきた受験生たちにとっては、受験しやすい制度になったわけです。そこで、特に最難関・難関中学受験クラスの男子に対しては、
1.「科学的思考力育成」を強化し、「理系」に強い受験生を育てる
2.理科の演習量を増やして入試で“差をつける”武器にする
3.入試で差がつきにくい社会科の負担をなくし、他の3科目を強化する
ことを目的に、これまでの2倍の理科の授業時間を確保することにしたのです。具体的には小5・小6で3科目型受講を選択した場合、平日授業は「算数・国語・理科」の3科目に加えて、社会の代わりに開講する「演習理科」を受講してもらいます。わたしたちはこれを「W(ダブル)理科講座」と呼んでいます。

「演習理科」は、「理科ゼミテキスト」の補習的なものではなく、専用教材を使って発展的な内容に絞った演習を行い、丁寧な解説も加える授業になります。これで子どもたちの社会科学習の負担をなくし、理科の強化を図っていきます。

システム・授業・クラス担任がリンクし合い、子どもたち一人ひとりにきめこまやかな指導を行っていく

能開センターの学習システムを西洋医学(臨床)にたとえるとしたら、校の運営は漢方医学みたいなもので、子どもたちを丹念に育ててじっくり浸透させていくものだと思っています。精緻なデータだけでは子どもたちは変わらないですから。できない理由は一人ひとり様々で、苦手意識がある、理解が浅い、キライ、面倒くさいなどなど。面倒くさいと思っている子どもに強制的にやらせても、根本を改善しないかぎりやらない。もうこれ以上は待てないというギリギリまで根気よく指導して、タイミングをはかりながら“出来ない菌”をつぶしていきます。

小6から急に成績が下がる子がいます。こちらの要求するレベルが高くなるのに反比例して、そういう子は視野が狭くなり周囲が見えなくなっている。そんなときには毎日3行ぐらいの日記を書かせるようにします。すると、少しずつ他人が見えてくるようになり、こちらの指導も受け容れられるようになります。

こうした“処方箋”は、授業担当者が出し、同じく子どもたちのことがわかっているクラス担任が指導にあたります。

システム・授業・クラス担任、それらが相互にリンクしあって子どもたちをひっぱっていくのですね。子どもたちが順調に育ち、第一志望校への合格切符を持って能開センターを巣立った後、卒業生たちに期待することは?

将来、宇宙旅行に行ける時代になったとき、それに携わっているであろう教え子たちが僕のことを覚えていてくれたら、ロケットに乗る順番待ちをちょっと繰り上げてくれないかなぁ! と期待しています(笑)

合格は、最後まであきらめずに頑張った人への贈り物

いよいよ子どもたちを送り出す入試が目前に迫りました。受験生たちへのエールをお願いします。

君たちにとって、中学受験は初めて経験する大きな、また貴重な“自らの夢をかなえるステップ”の一つです。すべての能開生の受験が終わるまで、保護者の方々はもちろん先生たちも全力で応援します。不安と緊張の中、くじけそうに、あきらめそうになるかもしれません。でも、ここまで頑張ってきた自分自身を、最後は信じましょう。「やる!」と決めたことについては、自分を裏切らないようにしましょう。合格は、最後まであきらめずに頑張った人への贈り物です。最後の最後まで、1分、1秒を無駄にせず、今まで積み重ねてきたことを出し切りましょう!

今冬はラニーニャ現象で入試日のころは厳冬が予測されます。健康管理には十分に気をつけてください。健闘を祈ります。祝!合格!