指導者が語る合格指南

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奈良エリア責任者 河原 豊 ご家庭の「進学戦略」に本気で応える奈良の”受験道場”として

入社以来一貫して奈良主体に受験指導に熱く携わり、県下の西大寺・王寺・八木校での受験指導実績と経験、加えて大阪難波校での研鑽も踏まえ、満を持して2007年度より八木校責任者に就任。2010年度より奈良エリア責任者を兼ねる。
指導教科は算数および理科で、特に理科のスペシャリストとして知られ、多年にわたり「東大寺学園中模試」理科問題の作成、膨大な入試対策問題を集大成しての「理科大全」編集、2012年度「中学受験公開模試」小6理科問題の作成などを担当する。また理科教科主任、灘特訓講座の理科指導経験も有する。
入試分析会や説明会の場をユーモアあふれる当意即妙の語り口で和ませる明るく楽しい人柄であるが、説明スライド中にまるで動画のように絶妙な動きを見せる変幻自在の画像を徹夜で仕上げるリアルさへのこだわりをもつことでも知られる。

教育水準「日本一」の奈良でどう進学戦略を立てるか

今日は奈良エリア責任者、八木校責任者、そして理科指導者という、河原さんの3つの顔を拝見します。では、まずエリア責任者としてですが、奈良の教育状況をどうとらえていますか?

 奈良県は中流以上の家庭が多く、全国でも特に教育水準の高い県です。たとえば3年前の記事になりますが、雑誌「アエラ」(2009.4.27号)の「奈良『日本一』の理由 県別東大・京大ランキング」によれば、都道府県別 高校卒業生の東大・京大合格率の全国第1位はほかでもない、この奈良県です。
 また、2011年度の大学入試センター試験に関するある大手予備校の「センターリサーチ」(405,249名参加)という自己採点結果をまとめたものによりますと、都道府県別の平均点で5教科合計の第1位は東京都、次に神奈川県、そして第3位が奈良県だそうです。ちなみに英語と数学のトップはともに奈良県です。
 以上は、言うまでもなく全国的にもトップ進学校として知られる東大寺学園および西大和学園の存在によるところが大でしょう。こう言いますと、「大阪出身の子も多いのじゃあ?」という声が聞こえてきそうですね(笑)。でも、奈良県の教育水準の高さは、大学入学時に限ったものではないのです。
 客観性を期すためにあえて能開のデータを使わずに申し上げますが、雑誌「プレジデント・ファミリー」(2011年12月号)のある記事によれば、全国の小学生を対象にしたある団体の学力テスト(2011年6月実施、小学2~5年生・約9万名受験)で、4学年「得点上位3000番までの出現率」の都道府県別ランキングのトップを東京都、第2~4位を神奈川・千葉・埼玉の各県、つまり首都圏が上位を独占する中、次の第5位につけたのが奈良県です。
 こういう高い教育意識をお持ちのご家庭が多い奈良県ですが、進学戦略としては「私立中学受験」とともに、「公立高校受験」をお考えのご家庭も比較的多いのかなと思います。しかしながら、時代とともに「公立高校受験」戦略は危機に瀕していると言っても過言ではありません。いまやその任に堪えているのは、かろうじて公立トップ校の奈良高校のみ、しかもそのトップグループのみと言ってよいでしょう。
 ちなみに一つの目安として、2012年度大学入試実績を「卒業生に占める東大・京大、および国公立医学部医学科合格シェアランキング」(その高校の卒業生のうち、東大・京大、国公立医学部医学科に合格できた割合のランキング)として集計したデータに基づき、奈良県の「大学入試時における学力到達レベルの見取り図」をざっと申し上げますと、第一群は「トップ私学生」です。具体的には東大寺学園、西大和学園生ですね。第二群は「上位私学生」で、具体的には奈良学園や帝塚山などの中高6年一貫コース生です(高校入学生ではありません)。第三群は「トップ公立生」で、具体的には奈良・畝傍高生です。以下は省略させてもらいます。
 リアルすぎるのでその数値はここでは差し控えさせてもらいますが、旧帝大以上の国立大あるいは国公立医学部医学科進学を確実にめざすなら第一群に、次に第二群に、せめて第三群上位ラインまでに位置しておく必要があるでしょうね。このラインまでが小学生をお持ちのご家庭が真剣に「進学戦略」をご検討される場合、それに値する範囲だと思います。

近畿圏を志向する奈良県の共通性と特殊性をふまえて

わかりました。では、これに対しての能開センター・奈良エリアのスタンスを伺います。

 はい。奈良の「県」としての位置づけはやや特殊です。それはやはり「近畿圏」というものの中にあるからでしょう。首都圏における神奈川県や埼玉県にちょっと似ているでしょうか。つまり県であって県でない。活動圏としては県境を越えて近畿圏コア都市部の「京阪神」とダイレクトにつながっています。一方で生活圏として見れば、田園と大型スーパーを背景にした郊外ニュータウン群として多極的に散在しています。こういった両面の特性から、中学受験指導においてもある種の「共通性」と「特殊性」が生じています。
 まず「共通性」というのは、中学受験を「奈良県民」としてではなく、むしろ言わば「近畿圏民」としてお考えだということです。東大寺や西大和をめざされるのは奈良県にあるからだけではないでしょう。逆に大阪星光や四天王寺が大阪府にあっても何の問題もなく受験し通学されます。もちろん奈良学園など、奈良県にあるからこそという理由で人気の学校もありますが。
 こういったニーズをふまえて、能開センター・奈良エリアでは徹底した近畿圏受験シフトを敷いています。すなわち、西大寺・八木・生駒の3校では6年生は現在3クラス編成ですが、最難関校受験クラス(S)では灘・東大寺および洛南、難関校受験クラス(T)では大阪星光・西大和および四天王寺、有名校受験クラス(A)では奈良学園・帝塚山および智辯奈良カレッジなどの各中学に合格できる内容の指導を行っています。また、王寺校は現在2クラス編成ですが、トップレベルは東大寺以上に合格できる内容の指導を進めています。つまり奈良エリアの能開センターはどの校でも、最低でも先ほどの第2群に入る中学への合格を企図した指導を行っているわけです。
 他方の「特殊性」ということでは、奈良県はローカリティが強く県単位での動きがやや取りにくいということがあります。ふだん利用する鉄道網から違いますから(笑)。東大寺学園のある奈良盆地北部に位置する西大寺は近鉄奈良線で大阪・難波とつながり、京都へ通じる京都橿原線とのターミナルです。中南部の八木は大阪線で大阪・上本町とつながる一方で、吉野また三重方面とのターミナルとなっています。西大和学園お膝元の王寺はJR大和路線で大阪・天王寺と18分でつながるターミナルです。奈良線の生駒は大阪・上本町に16分、難波に20分のロケーションで、けいはんな線でも大阪に通じています。
 これら4つの地域は相互に連絡し合っているものの、その意識はおそらく奈良県としての一体感より各アクセスラインを通じての大阪との結びつき、あるいは近畿圏としての意識の方が強いものと思われます。それぞれの地域風土というものもやはりありますしね。以上をふまえながら、各校ごとに少しずつ地域色を味つけした上で、実際の指導は行っています。

激化する中学入試地図とそこでの能開指導のメリット

 さて、以上のように近畿圏統一入試に組み込まれている奈良ですが、だからこそその「台風の目」となっている動きもあります。2012年入試では、それが西大和の午後入試への制度変更でした。同時に大阪で、清風と大阪桐蔭(2011年から)も午後入試を導入したこともあり、一部でなく多くの層の受験生がこの「台風」に巻き込まれました。ひとことで言うと、府県を越えての受験がいっそう促進される結果となりました。
 奈良県民の立場から見ると、大阪・京都・兵庫から東大寺と西大和への受験者が増加し、そればかりかそこからの合格者も増えました。結果、奈良県の合格者は押し出されるようにやや減りました。
 奈良エゴはさて置きまして(笑)、この「台風」襲来によって灘・東大寺・西大和・大阪星光などの難関校は日程的には受けやすくなり、優秀な受験生がより集結するし烈な入試となりました。これを受け、各中学では追加合格者を出さない、あるいは極力減らす、また合否者の点差が小数点以下になるなど、受験生にとって合否ボーダーライン上での厳しさはますます激しくなっています。
 私の秘密情報網によれば(笑)、こうした状況を受け、奈良県の奈良学園、帝塚山、智辯奈良カレッジの各中学も来年度の入試制度変更を予定されているようです(帝塚山は2011年にも変更実施)。おそらくこれで先の「第2群」がさらに底上げされ、奈良県小学生の中学進学における二極化がますます進展するものと思われますね。
 ここで、奈良県の方が私たち能開センターから受験することのメリットを語ってもいいですか?(笑)

どうぞ(笑)。

 まず、能開センターは申し上げてきましたように、近畿圏入試に完全対応したシステムで進路指導を行っています。たとえば、小6月例の「中学受験公開模試」は近畿圏入試の模試そのもので、志望校合否可能性や成績の判定は近畿圏での分析評価です。また、中学受験に特化した専門指導を行っています。当然ながら、中学受験がダメなら高校受験でといった甘えはありません。
 それから、会員生全員を一人ひとり志望校合格まで導く指導を行っています。ありがちな、上位層だけに力点を置くようなことはしていません。また私たちは、し烈な入試のボーダーライン上の子どもたちをこそ合格させたいと考えています。だから対話的に指導を進めています。授業だけして後はすべて自助努力で、というのは私たちのやり方ではありません。これが、ほかにはない私たち能開の真の強さだと思っています。
 そして、これらを支えているのが能開センターの指導スタッフのエトスの高さです。「エトス」というのは、ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の「倫理」や「精神」のことで、人間の内部規律、気質やモチベーション、早い話が「やる気」や「熱心さ」のことです。これが違います。以上です(笑)。

「楽しく学んで伸ばす」八木校の伝統を受け継いで

では、次に八木校責任者としてのお考えをお聞かせください。

 ひとことで申しますと、「楽しい校」にしたいと考えています。まず喜んで通ってきてもらえる、これがなければなりません。先だってちょうど、内外装を中心にした校環境リニューアルの工事が完了しました。よりきれいになった八木校で楽しく学んでもらい、学力をぐんぐん伸ばしてもらいたいですね。
 八木校は中南和の中心に位置し、大阪柏原市や南の吉野方面、また名張など三重県からも子どもたちが時間をかけて通ってくれています。奈良県では小学1年より開講する唯一の校で、小学1・2年生の時に入会された会員生たちが高学年会員生の半ばを占めています。そういった子どもたちはとても優秀で、たとえば低学年時入会者が多い小学5年生のSクラスは、近畿統一の公開模試や実力テストの全校全クラス別平均点ランキングで長らくトップの座をキープしています。
 他の学年も同様で、この子たちがクラスにいるだけで新しく入会した会員生たちの早期レベルアップに大いに貢献してくれているものと思っています。そんな中には、ユニークというか、スゴイというか、単なる学力を超えた素晴らしい力をもつ子どもたちがいます。昨年だけでも、「日本学生科学賞」という全国コンクールで「県審査 知事賞」を受賞した小3生(現4年生)、「奈良県統計グラフコンクール」で「特選 協会長賞」を受賞した小3生(現4年生)、読売新聞が募集した「正倉院展」についての作文が選に入り新聞掲載された小4生(現5年生)などがいます。

指導の特色は?

 能開の指導を徹底して進める、これに尽きます。…とこれだけでは足りないなら(笑)、八木校には「楽しく学んで伸ばす」という伝統がありますね。私もこれを引き継いでいるわけでして、先生たちだけでなく子どもたちも、そして保護者の皆さまも楽しい演出やイベントが大好きです(笑)。小さなことでもイベント化することで、より深く大きく感じてもらえることができます。たとえば、表彰ですね。ほめるときは思いっ切りほめてあげる、これが八木校スタイルです。
 また、「計算リーグ」(全小6生が対象、一部小5希望者も参加)という月例イベントを行っています。サッカーのJリーグ風に、K1~K3の3リーグ制を敷いて、成績結果による順位発表、および各リーグの上位2名と下位2名の入れ替え制を実施しています。スポーツと同様、競い合いが各人の実力を向上させます。切磋琢磨です。
 それから、保護者の方々に向けては能開センター全体のイベントとは別に、校主催の「教育フォーラム」をできるだけ開催し、ご参加いただきたいと考えています。テーマは中学入試の基本知識や正しい家庭学習の方法、また各科目の勉強法や最新入試情報などで、現在のところ春に1~2回、秋に2~3回おこなっております。どなたでもご参加できます。
 あと、小学1・2年会員生の保護者の方々には、到達度テストの度にお子さまをお待ちの時間を活用して説明会を開き、テスト内容のほか、クラスでの状況報告などを定期的にいたしております。

理科指導で知的好奇心あふれる子どもたちを育てたい

では、最後に理科指導者として、また今後の抱負をお聞かせください。

 大学での専攻は化学なのですが、指導ではスライドや映像が使えてダイナミックに説明できる天体などを含む地学分野が好きですね。授業でも時折パソコンとプロジェクターを持ち込んでいます(笑)。先日の金環日食に先立ちおこなった授業にもスライドを作り、子どもたちに披露しました。驚きの喚声が上がりました(笑)。
 理科で大事なことは「なぜ?」です。自分が知らないことに興味をもち、科学の原理を理解したいという意欲、知的好奇心ですよね。理科指導者としての私の願いは知的好奇心に満ちた子どもたちを育てることです。中がどうなっているか知りたくて、時計などを分解したことはありませんか? 私はありますね。授業中にシャープペンシルをばらばらにし、中のバネを引き伸ばしている子を見つけたことがあります。叱りましたが、こういう子、好きですね(笑)。
 「理科」は英語ではサイエンスです。つまり、とてつもなく広範な学域をもつ「科学」ですね。物理・化学・地学・生物の4分野にわたり、その基礎を学ぶのが理科という科目ですが、その学習には知識・理屈(原理)・訓練のアスペクト(局面)があります。
 私の授業では、能開の「点の教育」(学習目標に到達するための中間点だけを順次提示して、それらに次々と子どもたちを「飛びつかせ」、一挙に目的を遂げようとする能開独自の教育手法)として、「疑問を抱くこと」と「競い合う修行」を両軸に進めています。前者はすべての起点となる知的好奇心を磨くこと、後者は各テーマの解法を競い合う中で身体的に修得していくことがねらいです。
 理科学習の出発点は生物や地学の分野というか、モノとして見える身近な世界です。さまざまな生き物に直に触れること、能開の理科実験授業で触れるようないろいろな理科現象の体験、また今年は「天文イヤー」ですのでこれを利用した天体観測など、科学が対象とするモノや現象に触れる機会をできるだけ多くもつことが本当に大事で、これらの体験が特に低学年のお子さまにとっては高学年に向けてなにものにも代え難い財産となるでしょう。YouTubeの活用もオススメです。
 しかし、保護者の皆さんからすれば、めんどうなことですよね。そうなのです、理科はめんどうくさい科目なのです(笑)。お子さまに付き合ってあげること、いっしょに楽しんでいただくこと、これが理科好きの子どもにする秘訣です。

 最後に、能開・奈良エリアの魅力を申し上げます。子どもたちは本来楽しいことが大好きです。心の底から笑わせてあげたいですね。他方で、勉強の中で理解・修得のために、さらには志望校合格のためには本当に苦しまなければならないこともあります。しかしながら、どうでしょう、お子さまは本当に楽しんでいますか、苦しんでいますか? 中途半端からは何も生まれません。本気に叱られる、心の底から楽しみ笑う、時には悔しさのあまり泣く。これが能開センターです。
 喜怒哀楽は、心のエネルギーの絶対値としての強さです。どれだけ本気かを示すものだと思います。私たちはお預かりしたお子さまたちを本気にさせます。だから、喜怒哀楽が激しくなるのです。心のエネルギーを高めて、これまで乗り越えられなかった困難や苦しみを克服し、目標にゴールさせることが私たちの仕事です。だから私たちも本気です。そういう意味で、子どもたちと私たちがしのぎを削りながら切磋琢磨し合う、言わば"道場"が能開センターなのです。私たちは、「教育は共育」という能開センターの原点を胸に皆さまのお越しをお待ちしております。

ありがとうございました。

インタビュアーによる追記:

 インタビュー中に、河原あての来訪者があった。「実はいま卒業生を待たせています。アポなしで急に訪ねてきまして…。私の西大寺校時代の教え子なのですが、卒業以来ですので6年ぶりでしょうか。個別指導アクシスに通っていた友人から私の居どころを知ったようです。聞きますと、いま大学1年生で、西大和学園から奈良県立医大に現役で合格したそうです」
 八木校にほど近い奈良県立医科大学で学ぶことになり、ふと河原のことを思い出してふらりと寄ったのだろうか。能開センターでの学び、河原の指導をどこか傍証してくれる訪問だと考え、ここにあえて記す。