指導者が語る合格指南

TOP > 指導者が語る合格指南 > αクラス責任者・算数担当 鳥居 輝良/四天王寺クラス副担任・国語担当 藤井 亜貴子

「灘または東大寺100%」「四天王寺80%」の“高品位”合格指導の秘密

出席者

鳥居 輝良 鳥居 輝良(αクラス責任者・算数担当)
開講2年目を迎えた「αクラス」を算数担当およびクラス責任者として指導。1年目の成功から期待されるプレッシャーを乗り越え、最難関中学受験指導のプロとして“男子は灘か東大寺に、女子は洛南高附か西大和に100%合格・進学”と、今入試でも「αクラス」の名に恥じぬ成果を上げた。

藤井 亜貴子 藤井 亜貴子(四天王寺クラス副担任・国語担当)
女子受験生専門指導クラスとして開講3年目を迎えた「志望校別日曜実戦・四天王寺クラス」で、同中入試のエキスパートとして国語担当および副担任の立場から女子受験生を密着指導。今入試でも、志望校別クラスの本領発揮となる“合格率80%”という大きな成果を生み出す原動力となった。

 開講2年目の「αクラス」からは、男子17名全員が灘か東大寺に、女子2名両名が洛南高附と西大和に合格・進学しました。開講3年目の「志望校別日曜実戦・四天王寺クラス」(「日曜実戦」の9月からの後期編成の1つ)からは、“5人に4人”が見事に志望校合格を果たしました(合格率80%)。
 今日は2015年入試の総括として、鳥居さんと藤井さんのお二人にこの1年を振り返っていただき、各クラスで行ってきた重点指導内容、合格のために練った秘策、子どもたちへの思い、またご苦労などをお聞きしたいと思います。

結果がすべて。言い訳は通用しない2年目のプレッシャー

――まず、鳥居さんに伺います。昨年、能開センター過去最高の灘中実績を達成した「αクラス」ですが、2年目のプレッシャーはなかったですか? 周りの期待がかなり大きかったと思いますが…。

鳥居  もちろんありました。今年こそ正念場だ、と強く思って指導をスタートさせました。1年目以上にはっきりと結果を出すことが内外から求められていると自覚していたからです。

 “世間”の受け止め方というものは「結果がすべて」です。そういう冷酷なものであることが常です。周りの人たちからすれば他人事であるので仕方がないことなのですが…。

 しかし、私には“2年目の意地”がありました。それは1年目の結果を「フロック(まぐれ)だった、とは絶対に思わせないぞ」という気持ちです。世間にエクスキューズ(言い訳)は通用しません。これが2年目のパワーの源です。

 子どもたちにも言うのですが、「2度目」というのはとても重要な節目となるトライアルです。1度目がうまくいったからといって、2度目もうまくいくとは限りません。2度目もできて、初めて「できた」と言えるのです。また、みんなも認めてくれるのです。

 だから、どんなに困難でもここを必死に努力して、何としても成功させることが、言わば“勝ちぐせ”をつけていくことになります。自分で新しい“当たり前”をつくっていくわけです。昨年生まれた、能開センターの「αクラス」の本気度を何としても示したかったのです。

 自分にできることは小さく限られていますが、やれる限りのことはやりたいと思い、実際、これまでの私のキャリアの中でもベストを尽くしました。満足できたという結果では決してありませんが、一定の仕事はできたのかなとは思います。もちろん、最後までがんばってくれた子どもたちのおかげですが。

――藤井さんはいかがでしたか?

藤井  開講3年目を迎える「日実・四天王寺クラス」でしたが、目標は2つありました。合格者数と合格率のアップです。

 開講当初より指導内容には自信を持っていたのですが、課題と感じていたのは受講効果のアピールと言いますか、存在感のアピールです。それには四天王寺中への合格実績や合格率がドーンと躍進すれば一番わかりやすいのですが、これまで入試日程の絡みなどからなかなか能開の受験者数自体が増えず、「四天王寺クラス」開講後も合格実績は以前とさほど変わらない状況でした。

 そういう中で、夏の「集結特訓」の結果も踏まえながら、受講資格者へ開講直前まで受講促進することで、例年以上の受講者をキープできました。これに加えて、「女子最難関クラス」も開講した今回は大チャンスでした。この機会を逃すまいと、これまで以上に教材と指導の充実、新たな試みの導入、個人別の状況把握と対策の徹底などを行いました。

 結果として、例年を大幅に上回る能開センター過去最高の合格実績とともに、「四天王寺クラス」としても過去最高の合格者数と過去最高の合格率を受講生たちが上げてくれました。ちなみに、能開センター受験生全体では合格率85%となります。本当にうれしい限りです。

最高の楽しいクラスで子どもも指導者もチャレンジャー

――今年の「αクラス」はどんなクラスでしたか?

鳥居  いかにも子どもらしい子どもたちが集まってくれた明るく元気なクラスでした。先ほど申し上げました重い責任を背負う立場ながら、この子どもたちと同じ時間、同じ場所で過ごせることがとても楽しかったですね。こんなに楽しく感じられたのは今まででも初めてのことでした。

 特に毎日授業がありました夏場は、教材作りなどで連日数時間しか眠れない日々で体はしんどかったですが、この夏の授業が永遠に続けばどんなに幸せだろうかと心では思っていました(笑)。

 受験生としてはそれぞれ弱さや未熟さを多く残した子どもたちではありますが、素直で人なつっこくて気持ちが良く、愛すべき子どもたちでした。子どもたち同士もとても仲良く、最後まで人間関係のトラブルなど1つもなく、競い合いながらも、うそ偽りなくしっかりとしたきずなで結ばれたクラスでした。

――そう言えば、先生の教室からはいつも笑いと拍手が聞こえていました。

 今年から「αクラス」に女子も受け入れました。今年は2名の女子が在籍していました。彼女たちは“αスピリッツ”の持ち主で、男子同様にチャレンジし続けてくれ、今後の“α女子”のロールモデルになったと言えます。  「αクラス」はこのように灘中だけでなく、それを含めた中学に合格をめざすクラスです。能開センターはチャレンジャーであるという自覚をもって、この難題に真正面から取り組んでいます。

 ですから、一年一年、個性が違う集団また個人に最適化させた内容と方法で指導しています。同じことではダメなのです。現状維持では同等もしくはそれ以上の結果は得られません。今年も、カリキュラム・教材ともに一から作り直しました。

 全員の最難関中合格をめざす「αクラス」です。そのために、指導の進行にあたっては、課題レベルとその導入タイミングのバランスを慎重に図りました。早くから難問ばかりすれば良いというものではありません。ラストスパートをかけるタイミングが命です。

 今年は、子どもたちの状況に合わせて、あえてカリキュラムの進行を遅らせて始めました。“勝つ”ためにそれが最善と信じたからです。これは、私にとってもチャレンジでした。自分の過去の経験則が通用しない世界にあえて踏み込むリスクをとりました。子どもたちにチャレンジさせるのに、指導者がチャレンジしないわけにはいきません。

合格ボーダーラインの子どもたちを細かくフォローアップ

――今年の四天王寺中入試はどうでしたか? また、どのように指導を進めてきましたか?

藤井  今年の四天王寺中入試は全体で受験者が50名以上増加しましたが、合格者数はほとんど変わりませんでした。つまり、昨年に比べ、難しくなったと言えます。科目別に受験者平均点を見ますと、算数は約10点上がり、国語は約20点下がり、理科・社会はほぼ昨年並みでした。算国は目標点に是正された形でしょうか。  このうち算数は、例年通り難問もあり、点の取り方がポイントでした。「四天王寺クラス」の算数教材は今年度大幅にリニューアルしていました。過去問を徹底分析し、四天王寺中らしい特徴ある問題を整理し、効率良く学習できるようにしていたのです。

 「四天王寺クラス」では、個人別フォローを徹底していて、特に合格ラインすれすれの子たちには「あなた、合格点ギリギリよ。あと○点、がんばろー!」と声をかけ続けました。問題のテーマやタイプを特定し、「この問題をやりなさい」とか「これをやり直しなさい」という感じで、より具体的でピンポイントのフォローアップがこの算数教材で可能になりました。

 これは算数に限りません。過去問の徹底分析に基づくベスト教材のラインナップ、それに加えて個人別対策の最適化で弱点補強と長所伸長をしてきたことが今回の成功の大きな要因だと思います。

 平均点が大きく下がった国語では、抜き出し問題が昨年の6問から13問に倍増しました。このため、答えを見つけるのに手間がかかり、“時間との勝負”となったことでしょう。

――それが国語の平均点を下げた原因だったのですね。

 ええ。それから文学的文章の物語文ですが、出題された文章自体が難しいものでした。関西弁で、かつ情景描写が多く、読み取りに骨が折れたことと思います。また、子どもが主人公の物語なのですが、大人の心情が問われていました。

 四天王寺中入試の1科目目が国語であり、その最初の問題がこの物語文でしたので、受験生の中には出鼻をくじかれる格好になった子もいたようです。私が担当する国語は責任重大だと改めて感じた次第です。

鳥居  確かに1科目目の国語はその日の入試全体の気分を左右しかねませんね。

藤井  そういうわけです。「四天王寺クラス」の国語教材は前年データに基づき毎年アップデートしています。受験者平均点ラインの必須正答レベルの問題群をマスターさせた上で、それを超える上位コース合格のための“勝負問題”への対応力強化に努めてきました。比喩表現の読み取り、答えが離れている抜き出しなど高難度の問題にもスピードをもって対応できるようにすることが課題でした。入試後、気になった子に聞くと「一応、ぜんぶ埋めました」と話してくれ、ひと安心しました。

 四天王寺中入試の社会では、毎年、時事問題絡みで多く配点がなされています。そこで毎年のリニューアルは当然のこととして、期限ギリギリまでねばってねばって“旬ネタ”の改訂を続けるのが「四天王寺クラス」の社会教材の特色です。

 また、ベースとなる問題は学校教科書に基づいて作成していますが、じっくりと練り上げて入試予想問題として“当て”にいっています。それに、クラスの子どもたちのマスター状況に応じた“リアルタイム改訂”と言いますか、前回成績状況に応じた臨機応変の問題チューニングも行ってきました。

 併せて知識定着のために、間違った問題について一問一答形式でまとめさせ、自分専用の弱点補強教材、そして自分に最適化した入試対策参考書・問題集となる「まとめノート」を作らせてきました。

 重複となりますので、もう理科教材については詳細は割愛しますが、他科目同様にアップデートを、またレベル別対応や個別フォロー等を行っているのは言うまでもありません。

 このように各科目担当ともさまざまに工夫を凝らして取り組みましたが、「四天王寺クラス」指導チームとしてうまく機能することができたのが大きかったと思います。

合格だけでなく子どもたちの成長をも社会還元していく

――「αクラス」の指導の中で、何か感じられたことはありますか?

鳥居  「αクラス」の子どもたちは、少なくとも現状ではその多くが幼少時より最初から灘中をめざしてきたような子たちではありません。むしろ「ぼくなんてそんなのムリだ…」と難題にはすぐ尻込みしてしまうような、ふつうの子ばかりです。

 能開の「αクラス」は、そういう子たちが「同じめざすなら最高峰をめざしてみよう!」と自分自身にチャレンジしていくようになっていく場なのです。その中で、メンタリティーにある種の変化が起こります。いい意味での欲が出ると言いますか、現実に前向きになっていくと言いますか、挑戦することに喜びを、さらには面白ささえ感じ始め、真のチャレンジャーになっていくのです。これが心の“成長”です。

 中学受験を通じたこうした成長は子どもたちにとどまるものではありません。子どもたちの成長は、子どもたちに働きかけている私たちにも成長を促します。そして再び私たちが子どもたちに働きかけていくという、らせん的な運動が起こります。これが能開センターの言う“共育”ですが、私は「αクラス」の枠を超えて能開センター全体にチャレンジ・スピリッツを広げていきたいのです。

 この“渦”を能開センターに絶えず巻き起こしていくことが自分の役割であり、単に合格だけでなく一人ひとりの心の成長をも還元していくことが能開センターの社会的な役割だと私は思っています。

藤井  同感です。それが私たちの仕事のやりがいだと思いますね。それに、私も子どもたちを育てる以上に、子どもたちによって育てられています(笑)。

先輩から学び、“交換日記”や面談練習で不安解消

――「四天王寺クラス」では新しい施策を採り入れたと聞きました。うまくいったシステムについてもお聞かせください。

藤井  今年初めて行ったことに、「OGトーク」があります。この「四天王寺クラス」で受講し、めでたく“四天王寺ガール”となった能開卒業生たちがいま中学1・2年生になっています。彼女たちに来てもらい、受験生だったときのこと、その時々の気持ち、また四天王寺中学での様子などをざっくばらんに話してもらいました。

 授業の合い間のお弁当をとる休憩時間を利用し話してもらったのですが、みんな熱心に聴いていてメモをとる子も多くいましたね。さらに、そこで話し切れなかったこと、たとえば入試当日のこと、前夜は何時に寝たか、どんな持ち物を用意したか、入試直前の花道を通るときに思ったこと等々をアンケート形式で答えてもらい、後で紙にまとめて配布もしました。女の子は細かいことが大事なのです。知らないと、意外な場面で緊張したりもするのです。

鳥居  そうだと思います。“女の子”ではありませんが、気持ちはわかります(笑)。

藤井  このイベントは良かったと思います。先輩というロールモデルから直接話を聞き、最後までがんばろうという良いモチベーションにもなったと思います。それに卒業生のことを家でも話してくれたようで、ご家族を巻き込んで四天王寺中受験のことが話題になったと聞きました。こういうことが大切だと思います。中学受験はご家族の受験でもありますから。

 次に、先ほども触れましたが、一人ひとりへのフォローを徹底しました。各科目担当が約70名全員のノートを毎回チェックして、受講内容の理解度の点検、アドバイス、今後に向けての励ましなどのコメントを書き込み、即日返却しました。特に女子には個別の声かけが大事なのですが、人数が多いので直接話ができないのです。その代わりでもありますね。何より一回一回の授業にしっかり前向きに取り組んでもらいたいと思いまして、ひたすら書き続けました。この人数ですので、楽しい“修行”でした(笑)。

鳥居  先生方は大変だったと思いますが、ナイスフォローですね。子どもたちとのコミュニケーションが大事です。

藤井  それから、「ダイアリ-シート」というツールで、その日の自分の学習内容と取り組み方について振り返りをしてもらいました。ここには「お悩み欄」も設け、これへの返答を含めて“交換日記”をしていました。女子にはいろいろ悩みや不安があるのです。同じ“女子”ですのでよくわかります(笑)。

 不安解消ということでは、今年「面接練習」を採り入れました。冬ゼミ直前のタイミングで行ったのですが、予想以上に好評でした。女子は本当に心配性なところがありますね。中には、「うまくできなかったので、やり直しさせてください」と再チャレンジを申し出る子までいましたよ。

 一方で、モチベーションアップの仕掛けとして、前回の成績結果を反映させた座席変更を毎回行いました。2クラスあるのですが、クラス移動も行いました。まずは合格、そして上位コース合格を意識してもらいたかったのです。座席変更で「よし、いいぞ!」とか「次はがんばるぞ!」といったリズム感をもって学習に臨めたのではないかと思います。

 保護者の方へは計4回の保護者会を実施しました。講座は9月から始まりますが、6月に前年の四天王寺中の入試分析を踏まえた説明会、8月に親子参加の形で開講オリエンテーションと夏学習へのアドバイス、9月に講座スタートして、10月の「四天王寺中模試」を終えてすぐにその講評と中間成績報告会、11月末には入試出願に向けて諸々のご説明をしました。

 こうして保護者の方とも直接お話しさせていただく機会も増え、「四天王寺クラス」は週1回の天王寺校実施ですが、ご相談などを私たちにダイレクトにしてくださる方もいらっしゃるようになりました。

 もとより、地元での所属校のゼミクラス担任と緊密に連携をいつもとってきました。日曜実戦の私たちと各校の“ダブル担任”の態勢で、一人ひとりをフォローしてきたわけです。こうすることで、かえって良い緊張と刺激を互いにもって、子どもたちのために切磋琢磨できたのではないかと思います。次年度にはもっともっと「四天王寺クラス」からの発信を増やしていきたいですね。

鳥居  保護者会ということでは、「αクラス」も3・5・9・11月と計4回、「受験対策保護者会」として開催しました。保護者の方々のご理解とご協力がやはりクラス指導の基盤となります。

手を震わせて確認テストを受ける子どもたち?

――印象に残っていることや子どもたちについてお聞かせください。

鳥居  やはり“夏の思い出”になるのですが(笑)、そこでは競争原理を最大限に機能させることに腐心しました。毎日の確認テストで毎日席替えをしました。「四天王寺クラス」と同じですね。結果は、クラスでの順位や平均点とともに、前年度の、つまり先輩の成績とも比較してフィードバックしました。タテヨコで自分の位置を意識させたのです。

 この中で、単なる競い合いを超えて、自分の結果への正しいこだわりが生まれたと言いますか、正解すること、努力を正しく完結させることの大事さを学んでいってくれたように思います。夏の約ひと月半、これを続けてきた最終日、最後の確認テストを行いました。30点問題が2問、40点問題が1問という問題構成でした。たった1問の失点で大きな差がつきます。

 いつものように問題用紙を配布し、「始め!」と号令をかけました。はっと、何か異様な雰囲気に気づきました。子どもたちの手が震えているのです。今にも泣き出しそうな顔つきの子もいます。

 理解できました。この得点結果で最終順位が決まります。子どもたちは、夏の総決算となる大事な大事な確認テストだと強く意識するあまり、異常なほど緊張して確認テストを受けていたのです。

 クラスメイトとの、そして自分自身との必死の勝負でした。一通り解き終えて、今度はすごい形相で見直しをしています。やがて、にこーっと笑うのです。「よし、合っている!」という心の声が聞こえました。そして、再び全力で解き直し始める…。

 見ているこちらが彼らの姿に感動しました。一問の大事さを心底学んでくれたんだなと思いました。「君たちはこの夏にすごい経験ができたのだよ」と後でほめました。同時に、めざしていることの方向性は間違っていないと確信しました。

藤井  すごいですねー。そういうクラスだからこそ、入試本番でも一人ひとりきちんと結果を出せたのだと思いますよ。

 私は入試日や直前まで気になった子たちのことを紹介します。まず、女子ということでは、毎年そうなのですが、入試の際に泣き出してしまう子がいます。入試の直前指導の前にアイドリングと呼んでいます小学習タイムがあるのですが、そのときからプレッシャーでか、もう泣いているのです。ふだんはそんなそぶりもないのですが、そういう子ほどプレッシャーに弱い面があります。このあたりがやはり女子ですね。そういう場合は、試験会場である学校に向かいながらでも、平常心を取り戻させるようにします。

 別の子の話ですが、やはり子どもたちの成績には波があるものです。入試のときに、その波が上昇しているかどうかがポイントですね。私たちもそれを意識して、しり上がりに調子が出るように指導を心がけています。そんな中で、それまで成績が低迷していた子が入試直前の「直前特訓」で復調し、入試本番に一番調子良く臨めた子がいました。みごとに上位コースでの合格となりました。

 こんな子もいました。それまで能開センターの会員生ではなかったのですが、秋に能開センター主催の「四天王寺中模試」を受け、その際の算数解説授業がとてもわかりやすかったと、平日に受ける地元塾での学習に加えて、「日曜実戦会員」として「四天王寺クラス」に参加した子がいました。この子の場合、各科目の担当がやり直しの学習法から指導しましたが、みごとに合格してくれました。指導の甲斐があったというものです。

女子指導のさらなる充実、そして全員合格をめざして

――最後に次年度に向けての決意、思いをお聞かせください。

鳥居  まず、能開センターにとって今年は「女子の年」だったと思います。「αクラス」での女子参加、「女子クラス」の開講、「四天王寺クラス」の躍進と。

 藤井さんがいつもおっしゃるように、女子専門指導の意義は大きいと思います。今年の女子指導は、能開センターにとり価値ある一歩になったではないでしょうか。

 私自身、「αクラス」から巣立っていってくれた女子たちを見て、今後の最上位女子の“進むべき道”を示してくれたと強く感じています。男子の道とはまた違う、最上位の女子たちが今後歩む道、すなわち「6年先を見据えた指導」を、「αクラス」でしっかりとやっていきたいと思います。

 しかし課題も山積しています。いま述べました3クラスでの女子の適正な選抜と移動、カリキュラムや教材整備など、さらなる内容向上に向けてシステム改善の余地は数多くあると思いますね。

藤井  そうですね。「日曜実戦・四天王寺クラス」でも、さらなる進化のため、今年初めて実施した「OGトーク」や「面接練習」などを含めて、四天王寺中合格のための一連のシステムとノウハウを整理し、さらにブラッシュアップしていきたいと思っています。

 鳥居さんがおっしゃるように、何より女子校である四天王寺中合格のためには、女子ならではの指導内容と方法があります。やはり男子指導とは一味違うのです。ここが一番肝心なところであり、「四天王寺クラス」の存在理由の核心だと思います。

 目標としては、合格者をさらに増やしていきます。そのためには前提となる受験者数、受講者数をいっそう増やさねばなりません。講座自体は6年生の9月からですが、能開センター内でも5年生からアピールを始めていけたらと考えています。合格率も100%をめざさなければなりません。それと、上位コースでの合格者をもっと増やしていきたいですね。

 今年は、入試日まで一貫したチーム指導態勢を敷きました。入試直前のアイドリングまで、“いつも”と変わらぬ「四天王寺クラス」授業担当が行ったのです。そして「入試には笑顔で送り出そう!」という目標どおり、受験生たちを明るく送り出しました。

 でも、来年はより上を目指させるため、ビシッと行きたいと思っています。ですから、来年のスローガンは「凛として送り出す!」でいきたいと思います(笑)。

鳥居  ちょうど2月になって新年度が始まり、第1回目の「αクラス」もスタートしました。初回の手応えは良かったですね。5年生のとき、「最難関α選抜特訓」メンバーとして接してきましたが、受験生らしくなっていました。

 3年目です。まだまだ“世間”の目は厳しいでしょう。“能開α”という存在の認知をさらに高め、広げていきたいと思います。

 それに私たちにとっては3回目でも、子どもたちまた保護者の方々にとっては“一生一度”の受験です。合格者の数ではなく、一人ひとりの夢を叶えていくのが“能開α”ですし、やり残したことはたくさんあります。今年度も“全員合格”に本気で取り組み、指導していきます。

 成功は同じことをくり返していても実現できません。「それがベストか?」と絶えず自問自答し、自分の過去の経験則に頼らず、まず自分自身にチャレンジしていくことが大事だと考えています。

 “能開α”はまだまだ成長途上にあります。それがマチュアなものになるまで(成熟するまで)、先ほど申し上げたことと矛盾するようですが、同じ方法で同じ良い結果が出せるくらい高い完成度をめざして私はやっていきます。

 そういう“道”をつくっていくことが私の仕事だと自任しています。また、能開センターはそういう私を許してくれる場で、それがありがたいと感じています。能開センターは子どもたちとともに、私たちも成長できる場なのですから。藤井さん、いっしょにがんばってまいりましょう。

藤井  はい、よろしくお願いします。精一杯がんばります。

本日は長時間ありがとうございました。