指導者が語る合格指南

TOP > 指導者が語る合格指南 > 特別対談 αクラス統括責任者 鳥居輝良×草津校責任者 小林礼朋

特別対談

出席者

鳥居 輝良

αクラス統括責任者 鳥居 輝良
αクラス」の顔であり、オール能開センターを代表する指導者。神業のような受験指導力はもちろんのこと、ストイックでいてチャレンジ精神あふれる熱くたくましい心、しなやかで確かな言葉で能開センターの子どもたちばかりか、保護者の方々、指導者たちをも魅了してやまない。

小林 礼朋

草津校責任者 小林 礼朋
能開センターの灘中受験を、草津校ぬきでは語れなくした張本人。草津校からは昨年に引き続き今年も3名が合格、しかもその中の一人は国語合計得点でトップ。綿密周到な指導の一方、一律ではなく各人の潜在力を引き出す「自力突破」のメソッドで真の最難関突破力を鍛え上げる。

 能開生は今年も13名が灘中に合格してくれました。そのうち草津校からは、昨年に引き続き3名が見事合格を勝ち取りました。今日は2017年入試の総括として、上本町校でαクラスを統括する鳥居さんと“αクラス草津支店”を取り仕切る小林さんのお二人にこの1年を振り返っていただき、合格のために行ってきた指導、子どもたちへの思い、教育にかける情熱などをお聞きしたいと思います。

いっそう進化し、時には魔の山ともなる、灘中入試に今年も挑む

――今年の灘中入試はいかがでしたか?

鳥居 今年の灘中入試は、いかにも灘らしい算数勝負になりました。やはり灘は、出会う度に進化した新しい相貌を見せ、その全容が窺(うかが)い知れぬ巨大な峰であり、そこに挑む子どもたちを常ならぬ精神状態に引き込みかねない魔の頂だなと改めて感じましたね。

対談

小林 おっしゃる通りで、草津校からの3名合格も昨年のように手放しで喜べるものではありませんでした。本番で底力を発揮してくれた子がいた一方で、正直「まさか」という悔やまれる結果となった受験生もいます。算数での話ですが、1日目の出題配列にその魔が潜んでいました。他の子はうまく乗り越えたのに、奇しくも抜群の選球眼を持つ子がそこでつまずいてしまいました。

鳥居 他にも合格すべき子たちがいました。たとえばある子の場合は、灘という魔の山に魅入られて、持てる力を封じられたという感じでしょうか、峰に近づけば近づくほどそうなり、不思議なほど本来の力を発揮できないままに終わってしまいました。
 いずれにせよ、私たちの至らなさです。わずかな予断も捨て、いかなる事態の出来(しゅったい)にも対応できるよう事前の対策をより綿密に打っておくことが必要だったのです。大いに反省し、同じ過ちを繰り返さないようにしなければなりません。

 ただ、開講後4度目の入試を迎え、αクラスというものが確かに前進できているとの手応えは感じております。灘をはじめ中学入試の最高峰をめざして、進むべき方向性、そして行っていることの正しさは着実に証されつつあるとの確信を強めています。その点では納得のいく入試でありました。

対談

小林 遠く草津の地で灘中入試対策をどう進めるのかという大きな課題があるのですが、そこへ登場したのがαクラスでありαのシステムでした。草津校からの連続3名合格もそのなせる業だと思います。

鳥居 しかしながら灘中算数に関しましては、いま申しました確かな手応えを感じると同時に、その進化するスピードのすさまじさに驚嘆しています。「ついて来られるか?!」と私たち受験指導者が試されている、と強烈に感じる入試でもありました。
 灘中が思い描く算数入試の未来、それは算数を突き抜けて思考力そのものを問う深みあるいは高みをめざしているのだと思います。考え方、ものの見方自体を問う独創的な問題設定には1対1対応の対策は成り立たず、算数としてはもはや異次元のレベルに達しています。これからのαはここをめざすことになります。

αクラス“草津支店”としての指導、“上本町本店”としてのチャレンジ

――今年の指導をふり返ってください。

対談

小林 草津校の合格実績としては、最高の年となりました。2年連続の灘3名、洛星4名、洛南高附属12名(併願男子4、女子3含む)などです。このためかどうかわかりませんが、早々に転塾のご相談が舞い込んでいます。
 それはともあれ、昨年の「灘3名受験全員合格」という快挙を間近で見ていたこの受験生たちは、それぞれチャレンジ精神をもって自分の志望校決定に当たり、安直な妥協は決してしませんでした。そういう尊敬できる姿勢をもった子どもたちでした。

 草津校での灘中受験は志願制です。「挑戦したい」と自ら手を挙げるのです。一方的な押しつけはしません。結果もさることながら、プロセスが厳しいのが最難関受験です。だからこそ、それを自己選択する、自己決定することがその道を突き進む最高のモチベーションとなるのです。

 教材は6年ゼミテキスト「大全」に「α教材」、直前の冬には新編の洛南高附対策教材も使いました。洛南合格には、これが功を奏しました。灘志望生は、上本町で実施の「αクラス」へ、季節ごとの「集結特訓α」、またゼミの合い間を縫って開講の「Spécial-α」の際に遠路合流しました。刺激的で楽しい学びの“遠征試合”になったと思います。

 クラス全体としては、一人ひとりがそれぞれチャレンジとなる目標校のボーダーラインにまで努力して到達し、さらに本番当日そのラインを合格へと見事乗り越えてくれた子たちが多く出た入試でした。それぞれの勝利に拍手するとともに、指導者としてこの子たちに伴走できたことを誇らしく思います。

対談

鳥居 小林さんは草津校で「αクラス」を実践し、実現できていると思います。いわば「αクラス草津支店」です。私が認定します(笑)。灘受験生ばかりではないのに、α教材を上手に活用し、はるばる上本町校のαクラスにまで子どもたちを率い、また送り出してくれました。
 まず、「自力突破」などαのチャレンジスピリットを体現した指導で、目標に向けてがんばる子どもたちを力強く導き支えることができていたと思いますし、そればかりではなく、保護者の方々に子どもたちのチャレンジをご理解いただき、しっかりと信頼を勝ち得ていたこともすばらしいと思いました。

 さて、上本町校でのαクラス“本店”の方ですが、年ごとに個性的なクラスで、2016年もそうでした。よく言えば自然児、悪く言えば自由気ままなタイプの子たちが多かったですね。この子たちをコントロールし“優等生”にすることも可能だったのですが、それでは彼らのエネルギーを殺ぐことにもなりますので、あえてそうはしませんでした。結果、全体としては本来のパワーを発揮してくれたものと思います。

 αのシステム強化としては、算数の「Petit(プチ)演習テスト」導入など各教科システムの拡充、それに年間を通じて質・量ともに指導をより強化するため、「Spécial-α」(αクラス特別授業)を大幅に拡張しました。
 指導のベースとなるものはありますが、αクラスは各年、同じカリキュラム、同じ教材、同じプランはあり得ません。一年一年子どもたちの個性は異なりますし、毎年、前年までの結果と反省をトータルに踏まえて、αクラスとしての新たな可能性や試みに必ずチャレンジするからです。それがαスピリットであり、αのチャレンジです。

 今年の指導では特に入試直前期において、いわゆる「企業秘密」となることもあり、ここで多くを語ることはできませんが、私の指導歴でも初の試みとなる大いなるチャレンジを行い、それに成功できたと考えています。その意味でも今後への画期となる前進の1年でした。

αスピリットとは“攻め”の姿勢を崩さずチャレンジし続けること

――そう言えば、小林さん、灘中国語でトップ得点をとった子のことを教えてもらえますか。

対談

小林 はい、実は彼は理系タイプなのです。それがどちらかと言えば苦手な国語で最高点をとったのですからまったく驚きです。
 彼自身はたいへんな努力家です。人に頼らず、何であれ自分自身でやり遂げようとしました。言わば「自力突破」の申し子です。それでいて気概もあり、「みんなで灘をめざそうぜ!」とクラスでリーダーシップを発揮していましたね。

 苦手だからこそ、それを少しでも克服しようと努力する、そういうタイプです。だから国語を最後までコツコツと学習していました。そう言えば、分厚くて重い「語彙大全」という国語の言語テキストを、入試会場にも持ち込んでいました。苦手から逃げず、真正面からひたすら取り組み挑戦し続けた結果が「国語で最高点」になったのでしょう。チャレンジ精神あふれるすごい男の子だと思います。

――ありがとうございます。では、鳥居さん、今後に向けた決意をお聞かせください。

対談

鳥居 はい、今後とも“攻め”の姿勢を崩さずチャレンジを続け、αスピリットをますます高めていきたいと思います。先ほど申しました直前期のプログラム変更も、そんな攻めの大胆な一手でした。結果として成功しましたが、常道とは真逆の戦略で、本当に迷いました。しかし、最後はやはりチャレンジする道を選びました。

 攻めこそが大事だと思うのです。「攻撃は最大の防御」とも言います。ただの守りは現状維持であり、やがて必ず後退となります。必要とあらば、今まで築き上げてきたものすべてをいつでも捨て去る覚悟も私にはあります。
 αクラスは、ちょうど開講5年目、1つの節目を迎えます。私としては3つのチャレンジへの決意を新たにします。1つは直接担当していますα算数のニューアレンジメントです。今年の入試でいよいよ明確となった灘中算数の未来に対応できる、“異次元”へ挑戦するプログラムをどう作るかです。

 灘中入試は、もちろん十分な算数力を要求しています。ただし、それだけでは対応できません。たとえば、将棋のプロたちの世界を想像してもらえればわかりやすいかもしれません。定跡の理解や過去の勝負手の研究だけで、勝負には勝てないのです。前例のない初見の勝負に挑み、成功できる力、それを育成するにどうすればよいか、という課題です。
 灘中学校は、地頭の良い子、そういう意味での賢い子を選抜しようとしています。その選抜手段が算数・国語・理科の各教科です。教科力を前提にした上で、実は教科力を超えた力が試されています。私たち指導者はこんな難題を突きつけられているわけです。この未知の頂へ、非力ながらも私は挑むつもりです。

αから世界へ、未来へ:自分自身と社会を向上させていく価値観を育む

対談

鳥居 私のチャレンジの2つ目は、能開センターをより“攻め”の組織へと変えていくことです。3つ目はこれに直結してもいます。教育という仕事を通じて、社会に貢献していくことです。

小林 鳥居さんのお話を聞いていて、やっぱり私は“草津支店長”だなと思いますね(笑)。私の指導の定番とも言うべき草津校名物「自力突破」は、まさに算数を通じて思考力自体を鍛えていく方法です。また、指導には攻めやチャレンジこそ大切だと考えてきました。だから、草津校から中学入試の最高峰・灘に毎年挑んできたのです。算数オリンピックへの挑戦もそうです。

 草津校でのやりがいであり楽しみであるのは、この滋賀県に埋もれている才能ある子を見つけ、その子に知的な刺激を与えてその力を開花させてあげることです。その手段が中学受験であり灘中入試なのです。
 そして私の仕事の大きな目標は、滋賀県には磨けば光る原石のようなすばらしい子どもたちが実はたくさんいるということをこれらの教育活動で知らしめて、各ご家庭でより教育への関心を持ち高めていただくことです。

鳥居 私はαクラス統括責任者として、まず、わが能開センターの中でいま小林さんがおっしゃったことを進めなければいけない責任があると考えています。能開センターの中には、自分では気づけていないすばらしい才能を持った子どもたちがまだまだたくさんいます。私が一番恐れているのは、私たちが見つけられていないのではないか、ということなのです。

 私たちの教育理念にもありますが、教育とは、現状に満足せず、絶えず自分を向上させ、より良い社会に変えていこうという生き方そのものだと私は思います。これはある種“価値観”や“文化”の問題です。子どもたちにこれを教えるには、当然のこととしてまず私たち指導者がこの価値観をしっかりと身につけ、意識して臨まねばなりません。

対談

 大人でも、ましてや子どもたちは臆病なものです。「僕なんて…」「わたしなんて…」とあるがままの現実スケールに安易に妥協し、それを超えるチャレンジを自らあらかじめ封じ込めている子がたくさんいます。私たちはこう呼びかけ、力強く励まさなければなりません。
 「どうせやるなら全力で取り組もう!」「やる以上は金メダルをめざそう!」「10年先を見据えて自分を磨こう!」

 能開センターの「αクラス」は、そういう志、チャレンジスピリットを代表するクラスにすぎません。灘中受験対策専門クラスでもありません。現に女子も在籍しています。どのクラスであれ、自分自身にチャレンジすることが最重要なのです。
 こんなαスピリットのいっそうの浸透は能開センターを一段と強くし、そこで学ぶ子どもたちを必ずや飛躍的に成長させます。それが未来に、日本を世界を社会をより良く変えていくことにつながっていくものと私は信じています。

小林 世の中の仕事は何のためにあるのか、すべては社会に貢献するためでしょうが、とりわけ教育とはそういうものだと思います。私はふだんは草津校や滋賀県という範囲で考えがちですが、今日の鳥居さんのお話を伺って、改めてもっと広く大きく考えていかなければいけないなと思いました。ありがとうございました。

鳥居 灘中入試が示す未来もおそらく同じところにつながっているのだと思います。私自身も視野をより広げ、その未来から逆算して考えていきたいと思います。

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――お二人とも、本日はありがとうございました。