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2017入試Web特別報告会

岸本 裕貴

プロジェクトリーダーが語る合格への道標

星光・西大和プロジェクトリーダー 岸本裕貴

算数科副主任等を歴任。直接指導の傍ら、スーパー講師中学受験映像講座「Web難関中直前対策 大阪星光学院 算数」講師も務める。男子難関校への受験・算数指導に精通し、入試速報会・分析会では算数科を代表しての報告者に連年指名される。

藤井亜貴子

四天王寺プロジェクトリーダー 藤井 亜貴子

志望校別日曜実戦・四天王寺クラス(天王寺校実施の女子受験生専門指導講座)の責任者及び国語担当を務め、女子難関校の入試速報会・分析会では国語科を代表しての報告者に連年指名される。女子を知り尽くした厳しくも優しい受験・国語指導のエキスパートとして定評あり。

 2017年の大阪星光学院中入試で塾別合格者数ナンバーワンを達成した能開センター。これを牽引してきたのが能開の「星光・西大和プロジェクト」です。また、同「四天王寺プロジェクト」が牽引する四天王寺中入試の合格者数は3年連続で過去最高を更新中です。今回はこの2プロジェクトのリーダーによる「2017入試Web特別報告会」をお届けします(なお、本内容は3月20日に実施されました「入試報告会」に基づいています)。

星光・西大和プロジェクトリーダーが語る合格への道標

四天王寺プロジェクトリーダーが語る合格への道標

星光・西大和プロジェクトリーダーが語る合格への道標

プロジェクトの強化策により、ボーダー層の合格率が飛躍的に向上

岸本 こんにちは。能開センター星光・西大和プロジェクトの岸本です。2017年入試におけるプロジェクトの成果と活動についてご報告いたします。大阪星光学院中と西大和学園中は、男子受験生にとって入試レベルが近似しており併願受験することも多く、能開センターではこの2校への対策を併行して受験指導しております。本日につきましても、適宜比較対照しながらお話を進めますことをあらかじめお断りしておきます。

 早いもので入試から3カ月が経ちましたが、私には昨日のことのように目に浮かびます。大阪星光学院中84名合格、西大和学園中129名合格(男子106名)、という最終結果でした。ちなみに大阪星光学院は、2014年以来、3年ぶりの首位奪還となりました。今日は、能開センターがなぜ、そしていかにこの成果を収めたのかを具体的、かつリアルにご説明いたします。

 星光・西大和プロジェクトが発足し2度目の入試となった今回、その成果が表れ始めたものと私は考えています。2017年入試とそれまでとを比較しながら、ご説明したいと思います。まずご紹介いたしますのは、能開センター受験生の実際の合格率を、入試直前3回(10・11・12月)の中学受験公開模試での合格度判定(A~Eの5段階)別に示したグラフです。

星光西大和プロジェクト図1
星光西大和プロジェクト図2
星光西大和プロジェクト図3
星光西大和プロジェクト図4

 <図1>をご覧ください。これは西大和学園の2014~16年3年間の平均値です。縦軸が公開模試の合格度判定で、Aが80%、Bが60%、Cが40%、DEが20%未満のゾーンです。本来なら順々に比例的に並ぶべきグラフですが、AとBが実際の合格率で90%近くになり、ややいびつになっています。

 これは西大和入試の特徴である、算数の規則性などの思考問題、国語の段落整序問題の配点比重が大きいことによるものと考えられます。これらの問題は一般に対策が立てにくく、その場勝負となりがちなのです。なお、右下に示していますのは判定ゾーンごとの合格占有率です。判定が低くても合格の可能性のあることが見て取れます。

 そして2017年、<図2>です。A判定では合格率100%を達成、B~Eもそれぞれ合格率を伸ばし、より比例的に並んだグラフとなりました。占有率でもCDE判定で53%です。プロジェクトの主導の下、算数・国語で先ほどのテーマの徹底対策指導を行ってきたことが奏功したものと考えます。

 <図3>は、大阪星光学院2014~16年の同様のグラフです。西大和学園に比べると比例的に並んだグラフですが、よく見るとABとCDEの間に大きな合格率の落差があることがわかります。そのことは右下の合格者数の占有率グラフでもはっきりと確認できます。
 これは、大阪星光入試の特徴である、高い知識の訓練度合いが問われる算数、記述力が問われる国語への対応力の差が明瞭に表れたものと考えられます。実はプロジェクト発足時から、これらを第一の課題と認識し、CDE層つまり合格可能性がギリギリの子たちへ学力の強化を種々図ってまいりました。

 そして2017年、<図4>です。Aは100%、Bは約80%、Cが倍増して70%弱、DEも約1.5倍の合格率を達成できました。占有率でもCDE判定で49%と、西大和学園のグラフに近づきました。課題だったボーダーラインで、勝ち抜くことができた能開生がぐんと増えたのです。
 これらは、プロジェクトの主導の下、大阪星光対策をきっちりと進めてきた成果だと自負しています。もちろん、これもお子さまを信じて私たちの指導にお任せくださった保護者の皆さまの、ご理解ご支援あってのことだということは申し上げるまでもありません。

 なお、いまご説明に用いましたグラフはあくまで年度対比の相対値に基づくものです。毎年行う合否実績による能開偏差値の見直しの結果で合格度判定も相対的に変化していくものであることをお断りしておきます。

2017年の科目別合格平均点と合格偏差値、そこに至るまで

星光西大和プロジェクト図5

次に、2017年入試はどこでどう差がついたのか、科目別に見てみましょう。<図5>ですが、大阪星光学院と西大和学園それぞれの科目別平均点です。下から青色が不合格者平均点、まん中の黄色が受験者平均点、上の赤色が合格者平均点を示しています。
 合否で得点差が一番開いているのは算数です。やはり算数力が決め手になります。国語は、大阪星光で記述、西大和で段落整序とそれぞれ特色ある形式で国語力が問われますが、一定以上得点できるのであればむしろ差はつきにくい科目です。理社では、今年の西大和は理科が難しく、結果として社会選択が有利となりました。

 大阪星光の算国につけた「能開マーク」は、能開生の「不」合格者の実平均点です(合格者の実得点は知ることができません)。両校は競争率が約2倍で、受験者平均点で合格できる可能性があります。能開マークは、算数では不合格者~受験者平均点の中間にありますが、国語では受験者平均点の少し上にあります。これは能開生の国語での健闘、つまり記述力を身につけたアドバンテージを証明しています。

 能開センターでは、どんな子がどういう結果となったのか、様々な分析を行っています。両校を受験した能開生の合格者・不合格者の、入試直前3回(10・11・12月)の公開模試での平均偏差値を見てみますと、合否の差は各科目とも約5ポイントです。そして合格者・不合格者とも、算数・理科と国語・社会との差が明確にあり、これまた約5ポイントあります。まさに男子型で、「うちの子は国語ができなくて…」とよくお聞きしますが、この通りそれが普通なのです。

 合格偏差値は受験生があくまで最後に到達すべき数値です。大阪星光に合格した彼らが今からちょうど1年前、つまり5年生の頃、どうだったかと言いますと、あくまで平均値であるということをお断りしておきますが、国語以外は3~5ポイント足りませんでした。また、合格者の中にはこの平均値にさえ至らない子も多くいましたし、2年前の4年生まで追いかけますと、さらに多くの子たちがいました。能開の男子たちは、そこから合格にまで大きく羽ばたいていくのです。私たちが導きます。どうかお任せください。

大阪星光・西大和に合格できる子になる4つの学習行動ポイント

星光西大和プロジェクト図6

では、どうすれば男の子たちは伸びるのかを考えてまいります。<図6>に学習チェックポイントをまとめました。保護者の皆さまも一緒にご確認いただけたらと思います。

 まず、授業に関してです。「いつも自ら思考して学ぶ姿勢であるか?」。近ごろ、「解説待ち」の子が増えています。習った通りなら問題が解ける、でもそれでは大阪星光や西大和入試には通用しません。両校の入試で要求されているのはその場での思考力です。自分で考える力です。手を動かし試行錯誤していく力なのです。そういう構えでいつも授業を受けているか、また実際に行動できているかです。

 次に宿題についてです。「ただ終わらせるだけになっていないか?」。宿題は授業で習ったことを自分の学力として定着させていく実践の場です。安易に解答解説や授業ノートに頼らず、自分の手と頭だけでとことん取り組むことが欠かせません。言うまでもなく、いくら形だけ宿題を終わらせても力はまったくつきません。
 関連して、直しについてです。「インプット以上にアウトプット重視か?」。インプットとは「わかる」「わかった」ということです。もちろん、インプットは重要です。しかし目的は「できる」こと、アウトプットです。特に国語や理社の知識問題などは「わかった」で終わりになりがちです。「できた」「解けた」にまで持っていく行動、もう一度自分でやってみる再挑戦が必要です。
 よくあるのは、わからない問題を質問して「そうか、わかった」と理解するのはいいのですが、それだけで「できた」気になってしまうパターンです。そのあと自分で再び解き直すこと、アウトプット行動が絶対に必要です。

 最後に、確認テストについてです。「満点をとる準備は万全か?」。大阪星光や西大和をめざす子にとって、基本となる問題の理解と習熟を確認する「確認テスト」をきちんと仕上げていくことは非常に重要なことです。あたり前ですが、「できない」問題を確認するテストになっていては意味がありません。満点を目指してしっかり準備し、「できる」ことをきちんと確認するテストにしていくことが大事です。

一人ひとりの合格をめざし、ホーム&アウェイを本気の指導でつなぐ

 ここで、星光・西大和プロジェクトの役割と活動をご紹介させていただきます。

星光西大和プロジェクト図7

<図7>は能開センターの指導システムの構造図です。上段に集結特訓や志望校別模試など能開全体で実施するもの、次に土曜特訓や日曜実戦、合格講座などエリアで実施するもの、最後に各所属校での総合講座を置きました。ここに各段をつないでいる赤い指導ネットワークがあります。これがプロジェクトの位置づけであり役割です。
 サッカーで言えば、上2つは出先で行う「アウェイ」の試合で、それに対して所属校は「ホーム」です。前者は実戦、チャレンジ、専門性重視の場、後者は文字通りアットホームに、クラスで担任のもと、仲間といっしょに自分をじっくり磨く場です。

星光西大和プロジェクト図8

<図8>の歯車のようにこれらのシステムを組み合わせて、効率よく、またバランスよく力を伸ばしていきます。
 そこでは、入試問題という「敵」を知るとともに、自分自身(己)の特性をよく知ることもとても大事です。この「敵と己を知る」ことをホーム&アウェイの往復運動の中で深めていくのです。自分自身の特性を知ることでは、プロジェクトが提供する「個人分析表」がその一翼を担います。
 入試シミュレーションの真剣勝負である志望校別日曜実戦、集結特訓や志望校別模試の全結果を、一覧表に、またグラフ化してお返しします。プロジェクトとクラス担任を中心にこれらの情報を分析し、各人の課題を明確にすることが1つの目的です。そして得手不得手の科目別テーマ別にも目標と戦略を立案するなど、より具体的で実行可能な突破策を練り、自分だけの「勝ちパターン」を探っていきます。

星光西大和プロジェクト図9

 受験生、最後の6カ月のスケジュールを<図9>で確認します。7月に第1回の大阪星光学院中模試を実施します。これは現時点での合否判定以上に、「受験生意識」への強烈なアラーム、警鐘です。そして受験の天王山・夏期講習に突入していきます。合格には、ここで本気でがんばることが決定的に重要です。

 そして全能開受験生が集まる8月の集結特訓を経て、プロジェクト主導の志望校別日曜実戦がいよいよ始まります。その算数は、大阪星光の合格実績向上のKFS(成功要因)となった、インプット講座とアウトプット講座のデュアルシステムです。公開模試のあとに実施の合格講座では不足となりがちな知識を補強します。

 10月以降のテストや模試でも、当日ただ模試を受けるだけでなく、算数の解説授業を併せて実施し、アウトプット訓練とともにインプット強化を行います。また、合否判定テストでは「合格発表」を実施します。頭も心も本番に近いシミュレーションを行い、一人ひとりがよりリアルに危機感をもってもらい、残された時間を悔いなく過ごしてもらいたいからです。そして志望校別模試では、子どもたちも私たちも予想問題で真剣勝負に挑みます。

 最後に、私たち星光・西大和プロジェクトのお約束を申し上げます。
○常に最良の教材を提供し、ベストの受験学力を養成します。
○志望校合格に必要かつ十分な知識とツールを定着させます。
○いち早い自覚を促し、本気の受験生へと全力で指導します。
○挑戦する受験生とともに、より高い目標に向かって私たち自身も挑戦し続けます。

 以上です。

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四天王寺プロジェクトリーダーが語る合格への道標

競争率が低減しても医志コースが最難関の理由とは?

藤井 こんにちは。四天王寺プロジェクトの藤井です。今年も能開センターの女の子たちは大変がんばってくれました。その中で、大阪トップの女子校・四天王寺中には、医志コース10名、英数Ⅱコース38名、英数Ⅰコース29名の計77名が合格してくれました。これで3年連続の過去最高実績の更新となります。今日は、2017年四天王寺中入試の実態、および四天王寺プロジェクトの取り組みについてご報告させていただきます。

 今年の四天王寺中入試はどうだったのか、まず四天王寺を受験した能開女子はどんな併願作戦を取ったのかを確認します。

四天王寺プロジェクト図1

 <図1>をご覧ください。四天王寺中入試は統一入試の初日午前でしたが、そのうち約2割は午後に奈良の帝塚山を受験。2日目には四天王寺受験者のほぼ半分が清風南海を、約2割が午後の西大和学園を受験。さらに3日目の帝塚山を約3割が、4日目の清風南海を同じく約3割が受験しています。上位の女の子たちはほぼこういうパターンでした。

 ただし、今年はこうだったから来年も…という保証はどこにもありません。中学入試では、毎年いずれかの学校で日程や内容など何らかの変更があるのが常です。だから併願作戦も毎年変わるのです。実際、四天王寺も今年から「面接が廃止」となりました。これにより午後入試の併願がしやすくなり、たとえば、そのポジションに西大和学園の「21世紀型特色入試」が新設されています。

 さらに来年2018年の四天王寺では、これまで4科必須だった入試に、ついに「3・4科アラカルト」が導入されます。初めて3科受験が可能となるのです。これは注目の大変化です。

四天王寺プロジェクト図2

2017年の受験者動向を見てみましょう。<図2>のように、受験者数が減りましたが合格者数は変わりませんでしたので、結果、競争率が前年の1.4倍から1.2倍に下がりました。これは共学化された高槻中学校が同日程入試となり、女子受験生がそちらへ多く流れたためと推測されます。両校に共通するのは医学部志向です。

 四天王寺では医志コースも競争率はダウンしましたが、それでも5.4倍と非常に高い数値です。これに関連して、速報でお伝えしますが、2017年大学入試で四天王寺から国公立大学医学部医学科に40名(うち現役22名)が前期試験で合格しています。例年、四天王寺は前後期で約50名の合格者を輩出します。そして、さらにこれに私立大学の医学部合格者が加わるのです。

医志コース合格の決め手は? 四天王寺に合格するためには?

 2017年入試そのものに迫っていきます。<図3>はここ4年間の受験者平均点です。合計点をご覧ください。昨年までは200点を大きく上回っていますが、今年はなんと200点にさえ届きませんでした。わかりやすいようにパーセント表示に直した表が<図4>です。合計点で約6割だったのが、2017年は5割を切る入試となりました。科目別には、算数4割、国語だけ例年と変わらず6割、理社は5割でした。

四天王寺プロジェクト図3 四天王寺プロジェクト図4

四天王寺プロジェクト図5

 さらに詳しく見ていきます。<図5>で示しましたのは、各科目のコース別平均点(ただし、各コースの合格者平均点は能開センターの推定)です。下から紺色が不合格者、青色が英数Ⅰ合格者、赤色が英数Ⅱ合格者、緑色が医志合格者の平均点で、各グラフ上方のピンク色の★印は合格者最高点です。受験者平均点は点線でつないだ○印で表していて、今年は赤色のゾーン中にありますが、例年はほぼ青色と赤色の境目、つまり英数Ⅰ合格者平均点付近にあります。これは、今年は英数Ⅰより英数Ⅱの合格者の方が多くなったことによるものです。

 このグラフからわかることの1つは、医志コース合格にはやはり算数と理科に相当の力が必要だということです。英数Ⅱとの差が算数で22点、理科で9点あります。また、合格者最高点と受験者平均点の差でも算数が一番大きく、得意な人にとっては算数で稼げる入試だったことを示しています。一方の国語ですが、受験者平均点自体が高得点です。国語が得意であることが言わばあたり前の入試であり、国語では点差が開かないことを示しています。

 また、青色の合否分岐ゾーンのところでは、算数で11点、理科で7点と差がありますが、文系科目の国語でも11点、社会でも6点と同等の差があります。つまり、四天王寺合格には理系科目を伸ばす一方で、文系科目をしっかりと固めておくことを忘れてはならないことが読み取れます。

四天王寺クラス女子の今年のがんばりと来年に向けて

 能開女子にとって、四天王寺はどんな入試だったのかをお話しします。2017年の実績については初めに申し上げました。そのうち医志コース合格者は10名でしたが、彼女たちはすべて後期開講の「日曜実戦・志望校別クラス」で、「αクラス」「女子最難関クラス」「四天王寺クラス」のいずれかの受講生でした。それぞれ受講資格要件があります。

 四天王寺クラスは四天王寺プロジェクトが直接コントロールするクラスです。2クラス編成で、Aクラスが英数Ⅱ、Bクラスが英数Ⅰコース合格をめざします。医志コースは女子最難関クラスからめざすのが基本形です。ところが、四天王寺クラスで学力が資格判定時より大きく伸びて、医志コースや西大和学園に合格する子たちが毎年出ます。うれしい結果です。コツコツがんばる子が多い四天王寺クラスから四天王寺中へは、一定の偏差値まできれいに100%合格できています。

 今年四天王寺を受験した子たちが、能開センターではどんな成績だったのかをご紹介します。入試直前3回(10・11・12月)の中学受験公開模試の平均偏差値でご説明していきます。医志コース合格者は算数・国語・理科の偏差値がほぼ一定ラインに並んでいて、社会だけ少し下です。例年、だいたいこんな感じです。

四天王寺プロジェクト 図6

 <図6>は、コース別合格者間の偏差値の差異だけを表にしたものです。左はしの医志と英数Ⅱとでは、算数と理科に偏差値6ポイント前後の開きがあります。英数Ⅱ合格者は、算理では医志合格者に及びませんが、国語でならほぼ並んでいます。興味深いことは、英数ⅡとⅠでの最大の差は国語なのです。これは国語はできるけれど、算理の高い壁で医志へのアップをはばまれている状態の子たちが引き上げています。

 右はしの合否分岐では、例年は算国が逆でまず算数で差がつきますが、今年はお話しした通りの状況でしたので、例年通りだった国語での差が前に出ることになりました。いずれにせよ、4科ともそれぞれ5~7ポイント前後あります。これが四天王寺です。4科をバランスよく力をつけていくことがとても重要なのです。医志と英数Ⅱコースとの合格者の差異もここにあります。

 では、まとめます。来年入試は今年と同じことにはならず、例年通りに復するものと想定されます。すると合格ラインは、英数Ⅰで6割、英数Ⅱで7割、医志コースで8割です。医志コース合格には最難関レベルの算理の力が必要です。国語はどのコースでもハイレベルの戦いとなり、出題傾向に基づいた徹底した対策と訓練が欠かせません。理社については3科選択も可能となりますが、いずれにせよ合格には科目バランスが必須です。
 なお、能開センターは公開模試におきまして、それぞれのコースの合格可能性80%ライン偏差値をお示ししますが、これはあくまで「80%ライン」です。実際にはそこに届かずとも合格のチャンスはあります。ぜひ果敢に挑戦してもらいたいと思います。私たちが全力で指導、応援いたします。

女子特有の気持ちのフォローを含め、最後の最後まで応援

四天王寺プロジェクト 図7

 四天王寺プロジェクトの取り組みのご説明に移ります。<図7>に主な動きをまとめました。ご注目いただけたらと思いますのは、5月の4・5年生対象「四天王寺チャレンジテスト」と6年生対象「難関模試」、11月の「四天王寺模試」です。これらは四天王寺中学校を模試会場にお借りしての実施で、入試前に「本番会場」を実際に体感できる貴重な機会となります。奮ってご参加ください。

 そして8月末からの「志望校別日曜実戦」で、いよいよ四天王寺クラスが始まります。天王寺校のみでの実施です。昨年ですと60名ほど(2クラス合計)が在籍でした。女子専門指導クラスだということが大きなポイントです。女子校はもちろんですが、共学校でも入試は女子枠の中での戦いになります。たとえば、女子だけの中では得意な国語が、不得意な算数が違った位置づけに…。そんな自分のポジショニングの変化を含め、女子の中でどう戦えばいいかを身をもっての実戦で学んでいきます。

 日曜実戦・四天王寺クラスは全10回の講座となりますが、入試分析に基づき四天王寺入試に向けて特化した専用教材で演習と授業を進めます。演習結果は一人別小問別に徹底分析し、それに従って毎回改善指導を図っていきます。得点結果のランキングはコース別「合格発表」として教室掲示も行います。「ここまで○○コース合格、…そしてここからは不合格」と、スパッとラインを引きます。一回一回非情で厳しいようですが、これで以降の真剣さが変わってくるのです。

 各人へは個人別「成績表」をフィードバックします。ここに、日曜実戦だけでなく志望校別模試や集結特訓の結果を含めて一覧化、グラフ化していきます。4科バランスが良いのが一番ですが、たとえば「文系型だけど、このパターンで得点できたときには合格できる」など、自分だけの勝ちパターンを発見し探っていけるツールです。私たちも一人別に指導をコーディネートしていきます。

四天王寺プロジェクト 図8

 女子専門指導の四天王寺クラスの特色としてあるのが、<図8>の「四天王寺クラスダイアリー」です。毎回の結果をふり返り、客観的に自己分析していくツールです。下には、「お悩み相談」のコーナーも設けてあります。女子が抱きがちな不安がもしあれば書いてもらい、学習面ばかりでなく気持ちを含めたフォローアップを進め、このダイアリーを介して漏れのないコミュニケーションを図っていきます。言わば、交換日記です。

 このように、私たちは彼女たち一人ひとりに時に優しく、時に厳しく寄り添ってまいります。それは、四天王寺クラスの門をたたいてくれた時から、入試当日、四天王寺中学校の門をくぐる時までです。実際、それまでそんなそぶりも見せなかった子が入試会場に近づくその道で急に不安になってしまうことも毎年のようにあるのです。私たちはそのような事態まで常に想定しながら伴走してまいります。
 お約束します。四天王寺を、そして女子を知り尽くした私たちが能開女子を最後の最後まで指導し応援し、一人ひとりを凜とした受験生に育て上げ、それぞれが大輪の花を美しく咲かせてくれるよう力を尽くしますことを。

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