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泉州エリア・泉佐野校のリーダーたちが語る“合格指南”

プロフィール

泉州エリア副責任者・算数科主任 梁川 裕奉
能開算数科全スタッフを束ねる算数科主任。長らく大阪南エリアでその辣腕を振るってきたが、3年前に北摂エリアへ。そして今春よりは泉州エリアに軸足を置き、算数および受験指導の陣頭指揮を執る。

泉佐野校副責任者 紙田 敦史
能開全体の入試算数力を底上げしたといわれる基幹教材システム「算数大全」を開発した、伝説的チームメンバーの一人。指導者として関わっていた泉佐野校で、今春より校副責任者としても活躍中。

 二度目の「東京オリンピック」が開催される2020年、未来に向けて大学入試など教育制度が大きく変わります。子どもたちは単に入試目標突破にとどまらず、来るべきAI(人工知能)時代の到来に向けた、人間にしかできない創造的な仕事を支える能力を培っていく必要があります。その核となる“算数力”を能開センターはいかに育むのか。能開・泉州エリア、また算数科をリードする二人に聞きます。

大阪トップ校、さらに近畿圏トップ校へのチャレンジを強力サポート

――ここ泉佐野に来ますと、目の前には広大な関西国際空港が広がります。2年後の東京オリンピックの際には今以上に多くの外国の人たちが訪れ、日常的な国際交流がますますさかんになることでしょう。

 2020年の大学入試など教育制度改革のねらいの一つは、グローバル時代に対応できる英会話など実用英語力の向上にあります。そしてもう一つの大きなねらいは、数学や国語への記述式解答問題の導入に代表される、AI時代を自在に生き抜く「自分で考える力」(思考力・判断力・表現力)の養成です。将来この力につながる一つが小学生では算数。今日はこのあたりのお話もお聞きできればと思います。

 まず、梁川さん、泉州エリア副責任者となって、いかがですか?

梁川 責任重大だと感じています。いま言われた教育の潮流も踏まえながら、泉州エリアの全スタッフとともに、泉佐野校、泉大津校の全6年生を導いて、一人ひとりが納得のいく最高の達成を成し遂げてもらうのが私の責任だと考えています。

 ここ泉州は能開センターのホームグラウンドの一つで、才能、素養豊かな子どもたちが大勢集まってくれています。だからこそ、合格実績ナンバーワンの清風南海や智辯和歌山など地元に近い人気校だけでなく、視野を広げて大阪のトップ校、またさらなる高みをめざして近畿圏のトップ校にぜひともチャレンジしていってもらいたいと思っています。私たちが強力にサポートします。

紙田 付け加えますと、能開センターでは入試対応力をいっそう強化するため、難関校受験システムを進化させています。「最難関選抜Sクラス」といいますが、毎年灘中実績を更新し続けるαクラスのシステムとスピリットをそこで培養・共有した上で、「αクラス」「βクラス」「女子最難関クラス」へと分有・特化し、受験に万全を期すという仕組みです。

梁川 そうですね。これに乗って、各自存分に自分の“最高峰”にチャレンジしてほしいと思います。

 

――紙田さんは泉佐野校副責任者となって、いかがですか?

紙田 どこまでできているかわかりませんが、エリア責任者であり校責任者を兼ねる南さんをしっかりとフォローしたいと考えています。現在、講習企画やスタッフ会議運営などの役割を担当しています。
 何はともあれ、活気のある校に、楽しく学べる校に、学ぶことが楽しい校にしたいと思います。できなかった問題ができるようになれば学ぶことが楽しくなります。そこにこだわりを持つ子になってほしいですね。

梁川 すべての教科でそうありたいと思いますが、私としては特に算数がその牽引役でありたいと願っています(笑)。

AI時代にも通用する論理的な「読解力」を培う正しい算数学習の確立を

――算数スペシャリストのお二人に、「算数にどう取り組んでいけばいいのか」をお聞きしたいのですが。

梁川 入試本番で力を発揮するためには、受験に向けた本格学習に入る前、3~4年生の間に、算数学習への取り組み姿勢、自分の学習フォーム(型)を作っておくことが重要だと思います。

紙田 私もそう思っています。私は、それはものごとを論理的に考える習慣、論理的な観点を持って問題に取り組む学習スタイルだと考えています。そのためにはどうすればいいのか。簡単な問題でも頭の中だけで解かずに、必ずノートに書き出して解くこと。そして数式だけでなく、ことばで意味を明らかにする習慣をつけることです。後で見て、自分が何をどうしたのかわかるようにしておくのです。たとえば、場合の数の積の公式も単純に掛け算の式にするだけでなく、それぞれの要素の名称を書くことで意味を明確にします。

 計算は解答を求めていく途上での手段でしかありません。だから計算はできても、文章題が解けない子がいます。一つ一つの数の意味や論理関係が読み取れていないのです。解けたとしても、実はキーワードとパターンで何となく足したり割ったりして解いているだけです。自分がいま何のために何をどうしようとしているのか、わかっていない。だから、手順として次にすることもわからなくなる、つまり手が止まる、ということになるのです。

 

――いまのお話で思い出しましたが、AI(人工知能)にそっくりですね。AIはパターンが決まった、プログラミングされた計算や処理が大得意です。でも、想定外の論理や文脈を読み取る「読解」が苦手なのです。

 少し以前に話題になりました「東大合格をめざすAI“東ロボくん”」開発に携わった、国立情報学研究所・社会共有知研究センター長の新井紀子さんが、今年『AI vs.教科書が読めない子どもたち』という本を出されています。そこにはAI(東ロボくん)は決して万能ではなく、その弱点が読解力にあること。一方でそのAI(東ロボくん)以下の読解力、すなわち教科書の文章を正しく理解できない中高生が数多くいるという衝撃的な事実が書かれてあります。

紙田 なるほど。そういう意味では、算数は論理的な「読解力」が必要となりこれを培う教科です。AI時代にも通用する真の算数力とは、論理的な読解力に基づくものだということができます。そして、正しい学習をくり返していくことで回路がつながって論理思考力となり、いわゆる算数のひらめき、つまり直感が生まれる土壌となります。まずは正しい学習スタイルの確立が大切です。

算数の正しい学習フォームの根底にあるチャレンジと主体性の精神

梁川 私は、算数学習への取り組み姿勢、自分の学習フォームづくりの根底に据えるべきは「主体性」だと考えています。奇しくも文化省の改訂学習指導要領の「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」とも重なります。
 どういうことか、プロセスをさかのぼりながら説明しますので、よくお聞きください。

 武道の習得プロセスに「守・破・離」というものがあります。受験もこれを同じで、本番で基本を超える応用・発展、つまり「破」や「離」レベルの力を発揮するには、まず「守」、すなわち基本となる解法(解き方)を一通りマスターしておく必要があります。そしてこの段階では、「正しくまねること」が学ぶことなのです「我流」はダメです。ちなみに、「破」「離」の力は「守」を踏まえながら日曜実戦や集結特訓などで徐々に養っていきます。

 さて、その「正しくまねる」なのですが、「ただまねる」のではありません。まねる前に「まず自分ひとりの力でしっかりと解いてみる、考えてみる」ことが最重要のポイントです。「我流」との違いは、たとえ解けてもそれで良しとせず、正しい解き方を確認し、それをまねる、学ぶということにあります。「ただ解答を求める」のではなく、「正しい解き方」を学ぶのです。

 新しい問題に対して、この「まず自分で考える」(主体的に解く)という姿勢が、自然にそう構えるフォームができているかどうかが「守」の学習を進める上でたいへん大事なポイントになります。そうでなければ、「ただまねる」やただ解答を求める「我流」につい陥りがちになるからです。

 さかのぼります。では、その「まず自分で考える」の素地は何か。算数のさまざまな問題との出会いを大切にすることだと思います。具体的には、問題を解くことを楽しむこと。わからなくてもすぐに投げ出さず、とにかく鉛筆を動かしてみる、ノートに書いてみる…。試行錯誤ですね。たとえ間違っても失敗しても、くじけないこと。答えではなく解くことを楽しむこと。あきらめないこと、挑戦することです。

 ここで磨き、身につけようとしているのは、失敗をおそれない、とにかく自分で解いてみるというチャレンジするフォームであり主体性の精神です。ここを水源として、「まず自分で考える」学習姿勢→基本レベルのまねる学習(守)→入試レベルの演習(破)を経て、入試本番での飛躍(離)という大海へと至るのです。

 紙田さんのお話に接続しておきますと、論理的な読解力とは問題への主体的なアプローチ力だと思います。これは意志の力で、チャレンジ精神と同様、AIには不得意な領域だと思います(笑)。

夏は正しい学習姿勢・習慣づくりと自分の学習状況チェックの機会

―― 一年で最もじっくりと学習に時間がとれるのが夏です。夏学習へのアドバイスをお願いします。

紙田 能開はローリング式反復学習カリキュラムですので、同一テーマでは復習的側面も大きくなっているはずです。そういう意味で、テーマごとに自分の学習理解状況をチェックする絶好の機会と捉えてください。今できている問題でもサラッと流すのではなく、いちいち立ち止まり、学習ポイントや解法ポイントを再確認していきます。

 「わかるとできるはちがう」(頭で理解できていても、問題で正解できるとは限らない)とよく言いますが、実は「できる」と「わかる」も違います。問題に正解できていても、そのテーマの意味を理解できているとは限らないのです。その場合は、同テーマの高次の出題段階でつまずくことになります。

 理解があいまいなテーマについて、「なぜかできていた」ではなく「こうだからこうした」に一つ一つ変えていくチャンスです。間違い直しでポイントを書き込むとともに、正解している場合でも、「○○に注意!」などと自分へのアドバイスをノートに書き込む習慣をつけます。

梁川 少し具体的に申し上げますと、各学年とも正しい学習姿勢・習慣づくりとともに、3・4年生ではしっかりと計算力を身につけましょう。また、5年生ではとりわけ分数計算が重要です。ここから割合の概念に入り、速さや比のテーマへと進みます。受験基礎力は5年生の夏に定まります。どんどんチャレンジしてください。

 6年生は受験生としての夏になります。この夏はみんな頑張るのが当たり前です。それどころか、すでに夏前から頑張っている子が多くいます。でも、あせりは禁物です。課題はそれぞれ別だからです。それでも夏の課題はやはり各自の弱点克服が中心です。そして夏前に自分が何をすべきか、すなわち自分の課題テーマを知っておくことが最重要ポイントです。しっかりと準備して夏学習に臨みましょう。

受験生へ得点力アップの技術・精神両面、また保護者の方へのアドバイス

紙田 6年生は夏およびそれ以降、「得点力アップ」が大きな目標となります。それには、技術面では「ミスを減らす」が一番の課題でしょう。まず原因の解明が必要です。自分が「しなかったこと」、あるいは「してしまったこと」を点検します。
 たとえば、長い問題文であるいは図やグラフで、条件を読み落としたり、読み違えたり、取り違えたりがあります。目だけで追う、頭の中だけで考える、をしないことです。書き込む、書き出す、手を使って考える、考えを対象化・客観化して試行錯誤することが大事です。

 精神面では「柔軟に対処する」です。まず、自分が得意な解法にこだわらないこと。問題や条件に応じて、いろいろ試しながら最適な手段・方法で解くことです。次にあせらないこと。最初からスマートに、素早くはできなくてもよいのです。すべて書き出してみるなど、手間がかかり野暮ったいやり方でも解き進めていけば、その中で次の糸口が見つかるものです。

 それから、大きな目標は一挙には達成できないということ。だから、段階的に中間目標、小目標を上手に作っていくのです。小さくてもたくさんの「できた!」が大事です。そして「もうあと一歩だ!」というやる気を連結していきます。長い夏、そして入試までをそういうふうに自分の学習スケジュールを組み立てていきましょう。これらが得点力アップに確実につながります。

梁川 保護者の方へも少しアドバイスさせていただきます。保護者の方のお気持ちは、お子さまを思うからこそ、もどかしいものです。ご自身が学習しているわけでも受験するわけでもありません。でもだからこそ、あせるのです。それが高じては、もうどうでもいいやとあきらめる心持ちになったりさえもします。

 私たちは子どもたちに対しても同じことを言いますが、決してあせることはありませんし、絶対にあきらめないでください。子どもたちはいま到達点にいるわけではなく、あくまで学習の途上にあり、刻々と成長中なのです。点と点が少しずつ、つながりつつあります。思考のシナプス回路が、徐々につながり始めているところなのです。

 目に見えているのは明らかな結果だけです。たとえば、テストの得点。思考がOKでも、最後の計算ミスで×です。まだ得点力には結実していません。私たちがいま見るべきはプロセスのどこまで到達できているのかであり、まず評価すべきは成長しつつあるたくましさです。子どもたちの得点力は、入試が近づけば近づくほど加速度的に急上昇します。子どもたちは頑張っています。どうかお子さまを信頼されて、私たちといっしょに温かくお見守りください。

算数科が追求するパフォーマンスの最大化、そして能開算数の原点とは

――最後に、能開の算数指導、受験指導の特長をお聞かせください。

梁川 能開・算数科は、頻繁に研修会、勉強会を開き、日々研鑽を重ねています。いかにして自分たちの指導力を高め、どうすれば子どもたちの算数力を伸ばすことができるかを議論し、さまざまな観点から検討や実践を積み重ねています。
 その中で改めて自覚し直すことができたのは、一口に「指導力」といってもいくつかの側面があり、大きくは教科・教学的な面と授業・指導的な面があること、また異なる切り口では静態・知識的な相と動態・実践的な相があるということであり、それぞれ両方の要素の掛け算によって最大のパフォーマンスが発揮できるということです。

 たとえば、教科力があり入試問題に精通していても、それだけで子どもたちにわかりやすく力がつく授業ができるわけではありません。また、子どもたちの成績状況を知悉していることと、それを活用して子どもたちをやる気にさせ、成績を改善させていくこととは別物です。

 私たちが議論の中でくり返し確認していることは、私たちが力をつけるのではなく、子どもたちに力をつけることが目的だという明白な事実です。教科・教材研究が目的ではありません。たとえどんなに素晴らしい授業でも、子どもたちがやる気になり、力がつかなければ何の意味もありません。家庭学習も同様です。宿題を出すのが目的ではなく、子どもたちがそれを仕上げ、結果として子どもたちに力がつくのが目的です。

 こういう、2×2の座標軸で考えるとき、能開の強みは両方の軸で優れていることです。得てして、教科・教学的な面、静態・知識的な相を誇るところは多くあります。が、「厳しさ・熱気・大笑い」にあふれ、子どもたちを刺激しやる気にさせるダイナミックな授業。そして、時には保護者の方まで巻き込んだ、一人別家庭学習の徹底管理・指導。こうした実効性豊かな指導は能開センターの誇るプライオリティーです。

 私たち指導陣が教科・入試の徹底研究の上に、子どもたちの頭脳と心へ深く届く最高の授業・指導のパフォーマンスを実践することで、能開生自身が意欲的主体的に考える力を発揮しながら自らの算数力を高めていく。このような指導者と子ども双方の力の掛け算で大きく伸びていくのが能開生の算数力です。

紙田 くり返しになるかもしれませんが、能開の算数の原点は、楽しく学ぶこと、学ぶ楽しさです。「できた、解けたから面白い」「できない、解けないから面白くない」は当たり前ですが、本当に力をつけるためにはここをどう乗り越えるかだと思います。能開はだからここにこだわります。

 失敗とチャレンジこそが本当の面白さの始まりです。失敗しても再びチャレンジし、そして乗り越えることができたときの最高の楽しさ。そこから初めて「失敗からも学べる」ことが学べ、たくましさなど人間的な力の成長にもつながっていくのだと思います。そんな能開の算数を、子どもたちとともにこれからもしっかりと追求していきたいと思います。

――ありがとうございました。

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