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さらに続けます。

「二つの漢字の組合せなら簡単に出てくるんだけど…」と、多くの方が思われたのではないでしょうか。このように基準を決めると漢字の合成にまつわる様々なことがわかってくるものです。

解説

 ところで、こんな漢字をご存知でしょうか。

馬3つ

 これで1文字の漢字だというのですから驚きですが、もちろん日本では使いません。漢字の中で最も画数の多い漢字だということでしたので取り上げてみただけのことですが、これ以外に龍を組み合わせてできる漢字の例がほぼないという点がポイントなのかもしれませんね。つまり、通常組み合わせるために使う漢字の画数は少ないものだと考えた方が自然だということです。また、漢字の80%が形声文字(音と意味の組合せによる文字)だという点についても先の試問群の難度に影響を与えていた事実を傍証する要因だといえるでしょう。
したがって、冒頭の5種類の漢字、
1.魑魅魍魎  2.薔薇  3.蜜柑  4.西班牙  5.醍醐味  を問う意味も、それぞれに正解を出しにくい理由と覚えやすい理由があることをお考えいただく機会とするのにうってつけだったからです。ぜひお考えいただきたいと思います。ヒントは、今回常用漢字となった憂鬱の‘鬱’という漢字のおぼえにくさにあります。

 さて、皆さんは「猿人」という漢字を読むことができるでしょうか。もちろん、高学年以上ならどなたでも読めると思いますが、問題はそういうことではありません。この‘えんじん’の意味を問われて答えられるかどうかというのがポイントです。おそらく、「猿と人間の中間」という程度の答えを認める限り、読める人の100%近くの人が意味もまた答えられるはずなのです。実は、漢字とはそういうありがたいものなのです。たとえばこれを英語にすると、Pithecanthropeとなるのですが、英語を母国語にする人なら誰でも意味がわかるものでしょうか。なんと、これがわからないそうなんです。私自身も、高学歴のネイティブ・スピーカーに確認させていただいたことがあるのですが、単語そのものは知らないものの‘Pithec-’という接頭語によってだいたいのことをイメージすることができる旨の返答にとどまっていたという記憶があります。この単語はギリシャ語源の単語なのですが、専門的に学習する機会でもない限り正確に使える人がいない単語だということを知っていささか驚きました。考えてみれば、漢字は見た瞬間に多くの情報が飛び込んでくる性質を持っていますが、英語というのはアルファベット26文字からの組合せだけで成り立つものですので、見た目ですぐになんらかのものをイメージするということには難のある言語です。そこで、こんな話題のついでといってはなんですが、以下のような英文をご存知でしょうか。
The quick brown fox jumps over the lazy dog. (pangram)
この英文、実は26文字のアルファベットを1つずつきれいに使い切って作られています。こういう言葉遊びのことをパングラムといいます。まったくの余談ですが、ここにアルファベットによる言語構造を知る手がかりがありますので紹介させていただいた次第です。日本語でもひらがな(カタカナ)だけを使ってなら同様のことができそうですのでお試しいただいたらいかがでしょうか。 
以上のように、漢字には様々な観点による多様な効能があるということをお分かりいただけたのではないでしょうか。また同時に、たった一つの簡単な漢字がそれぞれ部品となって様々なものに変換されていく事実についても再発見があったのではないかと思います。
JigJamJungleも今回で一区切りをつけて、また新たな展開に備えることになります。このような内容をさらに進化させる項目の蓄積は着々と進んでおりますので、どうぞご期待ください。

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