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VOL.1 文学的文章の攻略
文学的文章は手掛かりから心情・信条の変化を解くこと。

最難関・難関・有名私立中学受験専門の能開センターで
近畿最難関中学レベルの国語を指導している露口。
「勉強法がわからない」と言われる中学入試国語の攻略法を5回に渡り、お伝えいたします。
初回は文学的文章の攻略法です。

(VOL.1 は雑誌『プレジデントファミリー』2010年12月号に掲載したものです。)

演習を繰り返しても成績が上がるとは限らない

物語文のような文学的文章の問題が苦手だとよく聞きます。特に男の子に、その傾向が強いようです。その理由は文学的文章では〈他者理解〉が問われており、周りのことを意識している女の子が多い一方で、男の子は他人のことを気にしない精神的に幼い子が多いからです。〈他者理解〉ができないと、問題の解答を聞いても何故そう答えるかを理解できないでしょう。テクニックだけでなく解答の根拠がわからないと、問題演習をたくさんしても本番のテストで問題を解けない恐れがあります。

"人"について知る訓練をしよう

〈他者理解〉とは、他人の性格・人間関係等の"事情"を理解したうえで、気持ちや思考を読み取る能力。そこで大切になってくるのは、人そのものを知ることです。そのための有効な訓練のひとつが読書。しかし、ただ読むのではなく、物語を通じてさまざまなタイプの人間を知り、描写から登場人物の心の動きをとらえることを意識する必要があります。人の感情を知るということでは家庭でたくさん会話することも大切。そうして普段から、〈他者理解〉をする土台をつくっておくのです。

文中に書かれていない言葉を見つけ出そう

さて、それでは心情を読み取る力が実際に試験でどのように役立つのか。物語文の問題では、棒線部を引いた文を指して「それはなぜですか?」と理由を問われることが一般的です。その出題形態は小学校低学年から大学入試センター試験に至るまで、次のようなA、B、Cの3パターンに分類できます。

理由吟味の形態

設問で多いのは描写に線を引いているBのパターン。例えば「ガッツポーズした」「大声で泣いた」のような人の行動の要因を問われるので、"事情"と"できごと"、そして"心情語"を使って答えます。このとき、"心情語"は書かれていない場合が多く、手掛かりを見つけて考えなければなりません。

例文 問い

この例文には「雨傘を買ってもらった」という"できごと"と「誕生日」という"事情"があります。では「誕生日に雨傘を買ってもらったから」で完全な正解でしょうか。設問者が聞いているのは、棒線部の行動がどんな気持ちによるものかということ。そこで気持ちの手掛かりになるキーワードを文中から探します。「誕生日」「プレゼント」「傘をだいて寝た」があり、それらがどんな気持ちをもたらすのかを考えます。そうすれば文中にない「うれしい、さしてみたい」という"心情語"が適切だと気づき、「誕生日プレゼントに雨傘を買ってもらったことがうれしく、1日も早くさしてみたいと思ったから」という解答を導き出せます。

このように文学的文章ではその理由となるポイントを見つけ、どのような"心情語"が適切かを考えるのです。同じ"描写"でも"事情"や"できごと"によって、心情は変わりますので本文を注意して読み解いてください。

最後の仕上げは"信条"の変化の読み取りです。人は道徳的な"成長"を遂げます。同じできごとでも物語の最初と最後では、感じ方に変化が生じるのです。試験のときだけでなく、普段の生活でも心情と信条を読み取ることを心掛けましょう。

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