大学受験コースの教科指導方針 [高校生]

英語

指導のポイント

英語の土台となるのはもちろん語彙や文法・語法であることは言うまでもありません。
その上に構文の理解を深めることで英文解釈力が身につきます。文法が不安定なままで長文問題演習を繰り返しても力がつなかいのはそういう理由です。近年、大学入試の長文化が進み、単なる理解だけではなく、処理スピードも要求されています。自分の主張や思想を形にするような自由英作文も増えています。この傾向を踏まえ、理解度を確認しながら順を追ってを基礎力を身につけ、早い段階から実践力を鍛えるアウトプット学習も随所にとり入れた、能開独自の学習カリキュラムで授業を進めています。

高1では

英文法と語法の学習が中心となります。ただし、英文法・語法の問題(選択問題、空所補充問題、語句整序問題など)に対応できる力だけでなく、「読む(読解)ための」、そして「書く(英作文)ための」英文法を身につけていきます。難関大学を目指すコースでは、文法の単元に合わせて英語構文の学習も平行して行い、英文解釈力を養います。

高2では

高1に引き続き英語構文の学習を行うと共に、英文を効率よく読むための論理展開を学びます。さらに頻出テーマを素材にした英文で各分野の背景知識を養いながら英文読解力を深めていきます。英作文においては文法単元別演習を通して正確な英文,通じる英文を構成する力を、テーマ分野別演習で語彙力と表現力を養います。

高3では

高1・2の学習をもとに、志望大学レベル別の総合演習を通して実践力を養います。ここで言う実践力とは「実際の入試問題の各設問に対して一定の方法論に基づいて解答することのできる力」つまり、 解答作成力を指します。
大学入試問題の長文化が進み、単なる理解だけでなく処理スピードが求められています。また、テーマ英作文など自分の思想や主張をアウトプットさせるような問題形式も増えています。大学側が入試問題を通して受験生に伝えようとしているのは、英語を通して相手の主張を理解できる力、自分の主張を論理的に表現できる力、そしてそれをスムーズに行えるコミュニカティブな(意思伝達型の)英語力をつけられるよう、能開独自の学習方法で進めています。

数学

指導のポイント

STEP1
記号や用語の定義の導入は、その定義が明確に記述できるよう、定理・公式(定義から得られる結果)の導出過程・性質・特徴が説明でき、典型問題の解法が言語化・シナリオ化できることを目的とします「合理的な知識の表現」に必要な数学的言語力の養成)。また導いた(導かれた)解答を逆からたどる訓練を常に行うことで、定理・公式・典型問題の解法が試行錯誤をするための手段であり、到達目標ではないということを認識できるよう指導します。

STEP2
「収集」した知識を、演習を通して「選び、あてはめ」「合理的に表現」できるレベルに引き上げるとともに、その経験値を増やすことにより粘り強く問題を考える力を養います。

STEP3
新しい数学的概念に対する多様な導入プロセスや一つひとつの問題に対する多面的な解法の提示などを通じて、論理展開の方法を習得し数学的思考力を養います。文理別・単元別、あるいは志望レベル別にその開始時期は異なりますが、目的意識を明確にもって収集された知識や論理を再度整理し、さらにそうした知識や論理のアウトプットの訓練を行います。

また、様々な単元が入り混じった融合問題の構造を分析させ、出題者の意図を見抜く力を、演習を通じて培っていきます。さらに「記述答案」の作成の訓練を通じて、自分の考えを「合理的に表現する」力を養っていきます。合理的に伝えるためには何が条件として必要なのか、自分の論理の展開は説得性があるのか、などを、経験値を増やすことで個々の数学力の底上げと更なる深化を図ります。

国語

指導のポイント

現代文(評論・小説)

  1. ① 頻出の重要な語句の意味を理解するとともに、文章の構造を把握し内容を整理・解釈する能力。
  2. ② 入試問題を解くために、必要な着眼点を見抜き、解釈し、解答を作り上げる能力。
  3. ③ 出題形式別に、適切な思考手順のもとに、正解にたどり着く能力。

古典(古文・漢文)

  1. ① 基本となる語彙・文法事項・句法などについて理解するとともに、解釈の際に使いこなす能力。
  2. ② 入試問題を解くため、必要な着眼点を見抜き、解釈し、解答を作り上げる能力。
  3. ③ 出題形式別に、適切な思考手順のもとに、正解にたどり着く能力。

高2の前半まで

主に文章の読み方を理解することが大切になります。「文章・段落・文・文節・単語」と続く言葉の単位の中で、「段落」「文」のとらえ方を中心に学び、一文一語を正確に理解するための方法を学んでいただきます。まず基本事項として、国語という学問に必要な項目を学習します。国語で必要な語彙そのものを獲得したり、言葉を運用する上での法則である「文法」や、何かしらの主題を伝達するための「論理構造(対比構造など)」を理解したりしていきます。続いて「指示語」の示す内容や、同内容の文章を探す、あるいは、対比された箇所を整頓していくような、着眼すべき「思考の対象」を把握し、解釈していく力をつけます。

高2の後半以降

近づきつつある大学入試に向けた実戦的な入試問題演習も行っていただきます。本文全体の構造をつかみつつ、設問において何が問われ、どのような答えが求められているのかなどの設問からのアプローチにもこだわりながら、入試を見据えた演習を行います。難関大学合格への入試スタート時期は高2の冬です。演習量が増え始めるのもこの時期からです。

高3になってから

「国語の点数があがらない」「時間が不足する」などと焦ったりすることのないよう、十分な演習量をこなし、入試問題に役立つ「経験値」を高めていきます。高3では、入試問題の出題類型に合わせた演習を行っていきます。本質的な国語力を問うという点では変わらないものの、入試によって、出題の形式・内容が大きく異なります。それぞれの受験問題に合わせた演習を行うことが、合格への最適な方法です。骨太の素材文を用いた演習を行い、試験会場でのアクシデントや出題傾向の急激な変化、文章量の増加等々に負けないような「タフな」学力を養成しましょう。

化学

指導のポイント

STEP1授業
基本事項の徹底的理解を図ります。レベルに応じてどこまで応用事項を扱うかは異なるが、基礎の徹底をおろそかにすることはしません。

STEP2復習
問題集や宿題をじっくりと考える。機械的に問題を解くのではなく、なぜそのような解法になるのかをきちんと考えます。

STEP3完成
疑問が残ったら必ず質問して完全なものし、苦手なまま残すことをしません。この流れを繰り返すことで、理系に求められる科学的思考力を身につけることができます。

化学を得意科目とするために最も必要な事は、現象として目の前に現れている事実に対し、どのような説明を与えれば、その事実が起こる理由として矛盾が生じない説明とすることができるかを常に考えることです。ありきたりの言い方をすれば「なぜ?」を常に考えるということです。残念ながら問題を数多くこなすだけでは、この「思考力」、つまり提示されている具体的事象の問題点(議論すべき点)がどこかを分析し、すでに既知となっている抽象的事象を組み合わせて論証を進めるといった力はほとんど育たないのが現実です。このような論証力は、普段から、教科書で説明されている事象に対して論理的な説明を示していくような授業を受けて、初めて身につきます。

能開では、ある現象が起こる仕組みや、ある化合物がその性質をもつ理由、ある反応がその方向に進む理由などをしっかりと地道に積み上げていきます。なぜなら、そのような根本的な理解なしに真の実力などは到底身につかないからです。“回り道”に感じるかも知れませんが、この積み上げが揺るぎない自信と実力を生み出します。難しい専門用語を聞きかじった程度に知っているという「うわべ」だけの、あるいは「勘違い」した知識は何の役にも立たないのです。

最難関大化学α難関大化学β<<設置講座>>最難関大入試の合否を左右する化学について、合格のための応用力養成を図る講座です。入試頻出テーマを中心に、最も重要な「なぜそうなるのか」という理論をしっかりと押さえたうえで、発展レベルの問題演習を通じて実戦力の強化を図っていきます。難関大入試の合否を左右する化学について、合格のための応用力養成を図る講座です。入試頻出テーマを中心に、「なぜそうなるのか」という理論を意識した授業展開を行い、また標準レベルの問題演習を通じて実戦力の強化を図っていきます。

物理

能開では、次の3つのステップを基軸として物理を指導していきます。

指導のポイント

STEP1定義の記憶
原理・法則の理解。

STEP2定義・原理・法則の理解
問題に対して適用する原理・法則の見抜き方を学習する。

STEP3問題を解く
原理・法則・公式の使い方を中心に学習する。

「理解すれば、記憶することは少ない」とよくいわれます。逆に「公式を暗記しただけでは、問題を解くことはできない」ともいわれます。これらの言葉から、〈暗記することよりも、理解することが重要〉ということが容易にわかります。では何を理解すれば良いのでしょうか?例えば、質量という量は何を表していますか?
質量50kgと70kgでは何が違うのでしょうか? 物理学を勉強していないならば「先が軽く、後が重い」でも十分ですが、物理を学んでいるのならば「慣性の違いを表している」と答えなければなりません。そして、こう答えることができるためには、その前提条件として「慣性」という言葉の意味を知っていなければなりません。暗記することの少ない物理ですが、それでもその概念の「定義」は記憶しなければなりません。「定義」を覚えたあと、「原理」や「法則」の理解にうつりますが、定義や原理を理解することで、公式も自ずと導かれるので、記憶(暗記)する量が減るというわけです。これで、何を記憶・理解すべきかが見えてきます。

また、単に問題の解き方のみを解説する授業は行いません。最終的に問題を解き、点数を獲得することが目標となりますので、アウトプット(すなわち「問題を解く」ということ)の練習は必要となります。定義・原理・法則をしっかり理解した上で、問題を解く練習が重要なのです。物理は難しい科目と思われがちですが、基礎理論をマスターしてしまえば、どんな難問も基礎理論だけで解けてしまいます。それを実感してもらえるような授業を展開していきます。

地歴

社会という科目は、覚えることが多いので、暗記科目であると思われているかもしれません。しかし、覚えることが多いとはいっても、まったく整理されていない知識を、やみくもに詰め込んでいるだけでは大学入試に対応できません。重要なことは、覚えている知識をつかいこなして問題が解けるようになることです。知識を覚えるときには、必要な知識がすぐに使えるように頭の中を整理しながら覚えておくことが大切です。整理された知識こそが、入試で「使える知識」となるのです。

そうした知識を身につけるためには、しっかりと自分で考えて、納得しておくことが重要です。なぜそうなるのか、どのようなつながりがあるのかなど、自分で考えたあと理解することが、整理された知識の定着につながります。こうしたつながりや意味をもつ知識の集積を知識の体系化というのですが、知識を自分で体系化していってもらいたいのです。このように自分で考え、納得して覚えるようにしてもらいたいのです。この連続により、体系化された知識の定着があるのです。日本史・世界史によって学習する内容は異なりますが、基本的な学習方法は同じです。

STEP1思考 STEP2理解 STEP3暗記

一連の知識事項の暗記はいつもこの順番でおこなってほしく思います。学力が伸び悩む人は、暗記を先に行ってしまいます。そうすると暗記量がますます増えてしまうのです。だから、学習効率が低下し、成果が出ず、やる気を失う……といった下降スパイラルに落ち込んでしまいます。一方、しっかりと考えておくと、覚える量が減らせるだけではなく、忘れてしまっても考えて問題を解くことができるのです。「使える知識」「体系化された知識」を増やすことによって、必ず学力は伸びるものと信じています。能開では、生徒たちの理解や思考を触発し、深めるための授業を展開していきます。そして授業内で提示した暗記事項を定着させることで、知識の体系化を目指します。