小林 礼朋・草津校責任者が語る“合格指南”

記事の日付:2016/03/10

この記事は 2016年03月10日 に書かれたものです。
現在は状況が異なる可能性があります。

 

『楽しく学ぶからこそ力が伸びる。灘中受験の3名全員が合格』
草津校責任者:小林 礼朋

小林 礼朋・草津校責任者が語る“合格指南”

楽しく学ぶからこそ力が伸びる。灘中受験の3名全員が合格

小林 礼朋

草津校責任者

小林 礼朋

長年、京滋エリアで中学受験指導に携わる。気さくな人柄で、明るく楽しい授業がモットー。教科は算数を担当し、大人気の算数体験講座「パズルの缶詰」もプロデュースする。輝かしい合格実績を誇る草津校責任者としてのキャリアも長い。人呼んで「自力突破の伝道師」。ますますの活躍が期待される。

「灘中へ3名全員が合格!」の草津校イメージが心配?

前回のインタビューから9年ぶりです。

小林 そうですね、前回は2007年でした。草津校から初めて灘中に合格者が出た年でした。それからも後輩たちが続いてくれました。しかし、上手くいくとは限りません。無論、成功はその子の能力と努力の結果であり、失敗は私たちの指導の至らなさによるものです。今春は灘中受験の3名全員が合格してくれました。ありがたく、また喜ばしいことです。

能開センター全体としても過去最高の15名合格となりました。その一翼を草津校メンバーが担ったというわけですね。

小林 ええ。とても光栄でうれしい反面、自分で言うのもなんなのですが、地元の皆さまから見た、能開センター草津校のイメージはどうなのかな?と思っています。

えっ?

小林 草津校では「難しいことばかりやっているのでは?」とか「きっとおもしろくもない授業だろうな」とか「中堅校志望者には合っていないのでは?」とか、そんな風に誤解されていないかと心配しています。

なんとも、ぜいたくな悩みというか、取り越し苦労だと思いますが…(笑)。

小林 いや、まあ(笑)。でも、私としてははっきりさせておきたいのです。まず、能開センター草津校では「中学受験」全般が指導の対象で、決して「最難関受験」専門校ではないということ。次に「楽しく学ぶ」ということこそ、草津校が、また能開センターが一番大切にしていることだということです。今回の合格もまた、そういう中から生まれたものです。

わかりました。それはそれとして、今回の「全員合格」の秘密を教えてください。

小林 はい。やはり一番に挙げなければならないのはすばらしい子たちが能開センターを選んでくれたこと、草津校に来てくれたことです。三者三様の個性の持ち主たちであり、入会の動機やタイミングもそれぞれ異なります。

 算数が得意な子もいれば、国語が抜群にできる子も。ただし裏を返せば、そうではない科目もそれぞれあるということです。一人の子は習い事をしていて、とうとう入試まで続けていましたし、別の子は社会が大好きで得意で、入試直前まで4科学習していました。

 小3入会の子がいまして、講習で初めて担当したとき、「この子は頭の切れが違うな」と直感し、お母さまに「将来、灘中を受験することになりますよ」と申し上げましたが、そのときは信じてもらえませんでしたね(笑)。3人がそろったのは5年生のときでした。

入試までとうれし恥ずかしの合格発表、草津校の都市伝説

小林 ともあれ、そんな風にして灘中入試に向けての本格指導が始まりました。お断りしておきますが、灘中受験生だけを特別扱いしているわけではありません。いまはお求めに応じて、この3名に絞ったお話をさせていただいているだけです。

 さて、各人の武器となる得意科目を伸ばすとともに苦手の科目は手当てしていくのですが、その内容ややり方は当然それぞれ違います。私ができることは何でもしました。指導科目違いですが、国語が不得意な子には漢字テストにもずっと付き合いました。

 性格の良い3人で、目標を1つにした仲間同士としてお互いに励まし合っていましたね。それと、さすがにポテンシャルが高い3名でした。少し指示するだけで、あとはほとんど自学自習でやれてしまうのです。

 科目別に成功ポイントを申し上げますと、算数は鳥居先生プロデュースの「α教材」の存在が大きかったと思います。日曜実戦の授業教材としても自習教材としても存分に活用させてもらいました。あと、灘中入試の過去問題を5年生後半以降の特訓授業で演習していました。

 国語は、αクラス担当の露口先生に直接特訓してもらったり、国語科ブレーンとして担当指導陣へのディレクションをしてもらったりできました。理科は3科生用の発展理科で着実に強化していきました。

 結果として、驚くほどプラン通りに、各自の力をうまく発揮する形で合格を勝ち取ってくれました。それぞれ、得意科目は合格者平均を上回り、苦手科目は受験者平均から合格者平均の間にピタッと収まっていました。

 合格発表を鳥居先生たちと見に行った際、1人、2人と確認し、そして一番心配だった3人目の番号を見つけて、「本当によかった…」と感慨無量になっているところへ、「3人とも合格だね…」と鳥居先生が私の肩にやさしく手をかけました。もうダメでした。あふれる思いが涙となってこぼれてしまいました。

 振り返ると、なんとそこには子どもたちのお母さま方がいらっしゃいました。情けない姿を見つかり恥ずかしかったのですが、私をご覧になって誘われるように今度はお母さま方がうれし涙を流される始末に…。

 草津校は「最難関受験」専門校ではありませんが、「灘中受験」への良き流れがあることは確かです。今年も入試前々日、3年前に合格した灘中生の先輩がふいに草津校の3人の前に現れ、励ましてくれました。その日は入れ替わりで、もう1人、4年前に合格した灘高生の先輩も。

 先輩たちは受験生といっしょに算数の確認テストを受け、勝負していくこともあります。そんなときは手加減せず後輩たちを打ち負かして奮起を促すのが彼らの常ですね(笑)。小4生たちは先輩を見つけたら、サインを求め、自分の能開ダイアリーを持って並ぶのが習慣です。どうも、「先輩たちのサインを集めると合格できる」という都市伝説があるようです(笑)。

「自力突破」は思考力自体を深めることができる機会

今後に向けて、草津校のご紹介をお願いします。

小林 まず、能開伝統の「密着・とことん指導」はここ草津校でも変わりません。各教科担当ができるまで、しつこくお相手いたします。特に受験合格に関しましては最後の最後まで絶対にあきらめません。

 次に、草津校の名物指導に「自力突破」というものがあります。これは算数を中心に折りに触れて実施するトレーニングで、時間制限を設けて問題を一斉に解いていくものです。通常の演習との違いは、例題やヒントなど抜きでいきなり「自力で突破」してみるという場設定で、気持ちを集中させて自分の力で考えること、思考力自体を深めることができる機会となります。

 時間が来ると「はい、そこまで!」と声をかけ、解説(解答)を始めますが、それまでに解けていないと「負け」です。そこでしっかりと悔しさを感じることが大事だと思います。次への意欲、また「自力突破」できたときの達成感が違いますから。

 公開模試などの試験データでみると、なぜか草津校は能開センターの中でも優秀な子どもたちが集まっている校です。学年ごと、絶対基準でのクラス設定ですが、草津校では成績の推移で子どもたちがクラスを移動し、次第に上位クラスの方の人数が多くなっていくのです。

 我田引水ですが(笑)、「自力突破」などで考える力をうまく伸ばすことができているのではないか、と私は思っています。

 関連して、学力を伸ばす上での大事なポイントを申し上げましょう。お母さま方から「うちの子は算数の問題を解くのに時間がかかり過ぎているのではないでしょうか?」とご質問いただくことがあります。お子さまの様子をご覧になって、ただだらだらとしているせいでそうなら学習姿勢の改善が必要です。

 ですが、そうではなく集中して時間がかかっているのなら、それはお子さまにとって必要な時間、自分の頭の中の思考回路をつなげていく大切な時間です。それには個人差があって、同じ問題の思考に費やす時間がその子によって1分であったり5分であったりします。子どもたちには成長のために、じっくりと見守ってあげなければいけない時期があるのです。

 もとより、算数の習熟にはさまざまな解法を学習することが必要です。ただ、これだけですべてを網羅することはできません。それをカバーするのが、1問をどこまでも深く考えることで他の問題を解くときにも活かせる思考力自体を身につけることです。

 だから、思考力を鍛えることがかえって一番効率的な学習法だと、一方では言えるのです。私は「深い思考が算数上達の一番の近道」と子どもたちに奥義伝授しています。

 そういう意味で、自宅で算数の問題を解くとき、「自力突破」で難問に挑むときに、「わからない状態」から安易に逃げ出さないこと、むしろそれを楽しむことこそが算数力を磨く上でとても大切なことだと言えます。

おもしろい先生や授業が学習や科目そのものの好きにつながる

小林 一方で、宿題は一律には課しません。各自の現時点での学力到達段階に応じたカスタマイズを行います。最低限の質や分量から意欲に応じてチャレンジ課題まで、数段階に分けて用意します。本人のやる気に従って、戦略的なレベルアップにも協力します。

 最後に、草津校の授業は楽しいというのが特色です。体験授業に来てくだされば、きっと気に入っていただけると自信があります(笑)。

 私が企画担当する「パズルの缶詰」という算数体験講座は近畿各地の能開センターで実施されていますが、本家の草津校では1度に48名がお集まりいただいたこともあります。助手スタッフ3名とともに行い、大いに盛り上がりました。パズルを解く過程で、ものすごい分量の消しゴムのかすが出ました。子どもたちの試行錯誤、激しい思考の戦いの跡なのです(笑)。

 長時間の通常授業も、子どもたちはすぐに慣れ、集中できるようになります。しばしば「もう、おしまい?」という声が聞かれます。「芸達者」な先生が多いのだと思います。なんでもないことのようでいて、これってとても大事なことではないのかなと、実は思っています。

 というのも、「先生が、授業がおもしろい」が、「その学習や科目の時間が楽しい」になり、「その学習や科目そのものがおもしろい、好きだ」という良い錯覚を抱くのがむしろ普通だからです。そして好循環を起こし、実際に好きに、ついには得意になっていくのです。かく言う私自身がそうでした。

 おもしろいというのはただ面白おかしいというのではなく、「へえー、そうなんだ」という驚き、興味、関心といった知的好奇心が揺さぶられることを含めてです。このときって、「脳が開いて」思考がポジティブな状態になっているのだと思います。そんなときに大事なことをインプットすれば、絶対に忘れません。理解も深まります。いま言ったこともそういう理屈なんだと思います。

 このような、楽しくて力のつく授業を草津校スタッフ一同はめざしています。今春巣立っていった草津校OBたちも、楽しく学べたからこそ力をぐんぐん伸ばしてくれたんだと思います。草津校の授業をぜひご体験ください。春期講習では「体験講習」もご用意しています。お待ちしております。

ありがとうございました。

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