横川 毅・枚方校責任者が語る“合格指南”

記事の日付:2014/10/31

この記事は 2014年10月31日 に書かれたものです。
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『良き「中学受験」体験は最高の家族メモリアルとして輝く』
枚方校責任者:横川 毅

横川 毅・枚方校責任者が語る“合格指南”

良き「中学受験」体験は最高の家族メモリアルとして輝く

枚方校責任者

枚方校責任者

横川 毅

長い指導暦を持ち、縁があって能開センター、そして枚方校へ。入社後は教科・進学指導に専念してきたが、本年2月、満を持して校責任者に任命される。根っからの生まじめ、何事にも全力投球してしまうタイプで、今は寝食を忘れたように本職務に勤しむ。指導は理科・算数を担当し、特に理科では「実力テスト」等試験作成にも携わり、「2013年度 西大和学園中模試」で作問担当した化学問題は今春入試でみごと予想的中となった。その入試では、指導した枚方校受験生が理科得点トップをとったことも自慢の1つだ。子どもたちの笑顔のためにがんばる校責任者と自任する。

地元の受験・進学ニーズをしっかりと受け止めて

校責任者になって、いかがですか?

横川 大変です。毎日、四苦八苦しています。校責任者としての仕事は初めてですので、一通りこなしてみるまでは力加減がまるでわからなくて、すべてに全力投球してしまっている状況ですね(笑)。

 ここ枚方は交通の便が良い京阪ラインにあり、近畿でも中学受験がさかんな地域の1つです。文字どおり京都と大阪に通じていて、京都の洛南高附属や洛星、大阪の大阪星光学院や四天王寺、また奈良の東大寺学園や西大和学園、兵庫の灘など広域の中学校への受験・進学ニーズがあります。その一方で、地元の高槻や同志社香里などの中学校が根強い人気を集めているのも言うまでもありません。

 手前みそになりますが、能開センター枚方校はこれら地元校への高い合格率を誇ります。また、いま挙げました京阪神および奈良の難関校へも毎年合格者を輩出しています。

 ご家庭ごとのこういう受験・進学ニーズをしっかりと受け止め、それに1つ1つきちんとお応えしていくのが、枚方校責任者としての私の仕事だと認識しています。そのために、前任者から引き継いだ施策「7つの賞賛と3つの一緒」に磨きをかけていきたいと考えています。

がんばる子どもたちを日々励ます“賞賛”システム

「7つの賞賛と3つの一緒」とはどういうものですか?

横川 まず「7つの賞賛」というのは、子どもたちへの学習激励施策です。

 その1)「鉄人カード」は毎回の「確認テスト」での成績優秀者に配布するなど、日ごろの学習努力に対して“賞賛”、つまり“褒め称える”ものです。カード5枚ごとに昇級・昇段でき、段位を競い合います。そんな“名誉”をめぐり、大変熱い戦いが繰り広げられています。“賞賛”というのはみんなの前で行うのがポイントで、当人の喜びと周りの人の羨望の相互作用が大切です。それが、本人に「次もがんばろう!」、周りの人に「今度はボクだ!私だ!」というモチベーションを相乗的に生み出すのです。

 その2)「テスト通信」は、毎月の「実力テスト」または「中学受験公開模試」の結果に対して、枚方校としての講評と優秀者ランキングを紙面にまとめ、配布しているものです。そこでは、学年・クラス別、また総合・科目別のランキングを明示し、優秀者を称えています。

 その3)「ダイアリーチェック」とは、学習スケジュールを立案・管理するツール「能開ダイアリー」の活用状況をクラス担任が確認するものです。可能な限り、コメントをたくさん書くようにしています。少しでも励ましができればという思いです。また、保護者の方とのご連絡にも活用しています。

 その4)「ノートチェック」は、各自のノート活用についてのチェックで、科目担当者ごとに評価とアドバイスを行っています。

 その5)「ノート大賞」は、ノートチェックを受けて、科目ごとに月1回以上、優れた使い方のノートを掲示してみんなで賞賛し、ノート活用術の底上げを図っているものです。

 その6)「読書/コラムシート」は、入試国語につながる読書あるいは新聞コラムの読解を進めるきっかけを作り、それを校として後押しし、みんなで盛り上げていくものです。全員に評価とコメントを返しています。

 最後に、その7)「MVP表彰」は、単なる成績優秀ではなく、つまずきからの回復など成績向上のプロセスを含めた素晴らしい努力家を選び出し、枚方校の“最優秀学習プレイヤー”として褒め称えるものです。

保護者の方とのコミュニケーションは先手を打てているか

横川 次の「3つの一緒」とは、保護者の方に対してのコミュニケーション施策のことです。

 その1)「枚方校通信」は今年からの新企画で、私たちの教育活動をよりご理解いただくために、枚方校内外での出来事や予定などを毎月お伝えする、国語の木本先生を編集長に発行しているマンスリーニュースです。  教育講演会や集結特訓などの行事レポート、「先生に訊く」と題した連載インタビュー、また、卒業生が登場したり、推薦本の紹介があったりと内容豊富で、モノクロですが写真入りで編集してあり、わかりやすく読みやすいとご好評をいただいております。

 その2)「個別保護者懇談会」は、保護者の方と私たちとのコミュニケーションでも基本となる大切な場です。お子さまを直接指導しているクラス担任が年間数度にわたり、定期的に懇談させていただきます。そのほか、都度つどのお電話はもちろん、ご送迎の際のちょっとしたお話も大切にすべきコミュニケーションの機会だと認識しております。

 その3)「保護者フォーラム」は、私たちが保護者の方々へ家庭学習の進め方などについてお話をさせていただく催しです。入会前の方もご参加できるイベントで、春と秋に定期的に開催しています(これをお読みになっている方も、ぜひご参加ください。無料です)。

 この教育フォーラムは、お話の内容もさることながら、お話をする私たち自身を保護者の方々に知っていただく良い機会でもあると考えております。2012年度に算数の鬼頭先生、2013年度に理科の横川つまり私、そして今年は国語の岩田・平田・木本の3先生をフューチャーさせていただき、お話させてもらっているのはそういうわけなのです。

 さて、私は校責任者に就くに当たり、この「7つの賞賛と3つの一緒」を支えている精神自体をブラッシュアップ、つまりいっそう磨きをかけたいと考えました。物事は自然に任せているだけでは安易な方へ流れていくのが常です。

 たとえば、子どもたちとの親密さに適切な距離感が保たれているか、です。下のお名前で呼び捨てにするなど、知らずしらずのうちに自己満足の親しみ感覚を押し付けることになっていないかなど、礼儀の基本となる言葉遣いから再点検しています。

 保護者の方に対しても同様で、本当に保護者の方の立場になって思い、考え、行動しているかを反省するようにしています。気がかりなことについて、問題になってからではなく、必ず事前に予防的に心配りができているかどうかがそのリトマス紙の1つになると思っています。

当人だけでなく保護者も“当事者”となる「中学受験」

先生のそういう感覚はどこから生まれてくるのですか?

横川 「中学受験」は特別な体験だと思うのですね。受験する当のお子さまだけでなく、付き添われる保護者の方も受験の“当事者”となる、そういう意味で“家族の受験”となるのが中学受験だと言えます。やはり、お子さまが自立期前の小学生であることが大きいと思います。中学生以降の受験でこんなことはありません。

 実は、私自身が中学受験を“保護者として”体験した者です。中学受験のプロセスでは、お子さまだけでなく保護者の方も特別な状況、特殊な心境になられていると思います。だからこそ中学受験に関わる私たちは、そこでおごるようなことがあってはならないと思うのです。

 世代的なこともあって、保護者として中学受験を体験しているスタッフはさほど多くはありません。だからこそ、スタッフからは時おり煙たがられますが、保護者としての中学受験体験を持つ私がいろいろとうるさく言うのは大いに意味があるというわけです。

親子が本気で取り組む“最後の家族プロジェクト”「中学受験」

横川 その私自身のことを申し上げますと、息子は第一志望校に不合格となりました。その発表を自分の目で確かめたとき、息子は泣きませんでした。何とも言えない複雑な表情をしていたことが強く印象に残っています。次に第三志望校の発表があったのですが、これもまさかの不合格という結果でした。

 続いて第二志望校の結果を確かめるため、その学校へと向かいました。少し時間があったので食事をとることにしたのですが、息子も私も食べ物がのどを通りませんでした。ただ沈黙の時間ばかりが過ぎていきました。店を出たところにあった書店で、“全滅”を覚悟してか、息子は今から出願が間に合うある中学校の赤本を手に取り、「これ、するよ」と言いました。

 このあと、息子は第二志望校に合格していたことがわかり、そこへ進学することで私たちの中学受験は一件落着するのですが、こうした一連の体験の中で親として感じ、思うところが多々ありました。

 涙こそ見せませんでしたが、息子は言葉にできぬほどの辛さを強く感じていたはずです。こういう状況に追いやったのは他ならぬ私自身です。親の良かれという考えで受験させたのです。しかし思い通りに行かないのが人生であり、中学受験です。あの複雑な表情をした息子を思い出すたび、どうすることもできないやるせなさ、居たたまれなさを感じていました。

 このような思いをした私だからこそ、今から中学受験に向かわれる皆さまに、またその途上でお悩みお迷いの皆さまに、自分自身の体験に基づいたサポートなり、ケアなり、アドバイスなりがきっとできると自負しているのです。そして、息子の話は続きます(笑)。

 息子は中学入学後、勉強しなくなりました(笑)。反動ですね。それなりの親子バトルがあったのですが、今は懐かしくも楽しい思い出です。大学生となった今、息子は学業とともに2つのクラブに所属し、アルバイトもしながら、生き生きと青春を謳歌しています。

 本当にいろいろありましたが、すべては中学受験での“がんばり体験”があったからこそ今があると、振り返っては思います。結果を超えて、親子の絆、家族のつながりを深め強めた中学受験でした。お子さまが小学生だから可能になる、親子が一丸となって本気で取り組む、いわば“最後の家族プロジェクト”が「中学受験」だと言えます。

理科は具体事象を楽しく学び、原理原則を理解すること

どんな授業をされていますか?

横川 4・5・6年と担当している理科について申し上げます。3科あるいは4科と申しますが、授業の比重は科目均等ではなく、時間的にも短くなるのが理科担当としては辛いところです。しかし、受験に向けてそれらすべてを学習しなければならない子どもたちの身になれば、入試配点などから逆算しての配分はしかたのないことです。

 4年生では、身の回りの自然についての知識学習が中心で、本格学習に向けての基礎的な内容になります。受験につながる理科としては初めてのものですので、さまざまな事物や現象での自然の不思議に気づいてもらい、理科を学ぶ楽しさや面白さを知ってもらうことがこの学年での大切なコンセプトです。そういった楽しい授業を心がけています。

 5年生からは本格的な受験学習内容となります。4年生で具体的な事物や現象として登場した事柄を含めて、より一般的な原理原則の中で科学、すなわちサイエンスとしての理解を深めていくとともに、入試問題に対応できる解法も学んでいきます。

 授業では、4年生で体感できた楽しさを失わないように配慮しながらも、いま言いましたような理屈と技、セオリーとスキルをマスターできるようにしています。先日、3年ぶりの「皆既月食」がありました。こういうトピックを上手に使いながら、原理原則を理解していくのがコツですね。

 この皆既月食ならば天体の話になりますが、たとえば、ふだんはなぜ皆既月食は起こらないのか、皆既月食のとき月はなぜ真っ暗ではなく赤黒く見えるのか、といった疑問から、太陽・地球・月の位置関係、月の自転と公転、また昼間青く見える空が朝日や夕日の時には赤く見える理由(大気の存在)といったことを興味深く学ぶことができます。

 6年生では、4・5年生でインプットした知識を志望校入試に応じてアウトプットできるようにならなければなりません。幾重にも縦断的・横断的に知識の再整理を行いながら、実戦的にアウトプット法を習得していきます。

 このときに原理原則が理解できているかどうかが“効いて”きます。原理原則の理解があれば、比較的スムーズにインプットとアウトプットをつなげていくことができます。5年生での学習を、表面的なものでなおざりにせず、深いところでしっかりと理解していくことが大切なのです。

教育の“原点”を忘れず、最高の受験を全力でサポート

最後に枚方校のアピールをお願いします。

横川 枚方校では現在小学3年生から通年ゼミを開講していますが、春・夏・冬の講習では小学2年生の講座も開講しています。

 実は、私がその小2講習での算数授業を担当しているのですが、たいへん楽しく担当させてもらっています。何が魅力かといいますと、子どもたちの成長が早くて、それを体感させてもらえるということです。保護者の方といっしょに子どもたちの成長を見られる喜びを共有させてもらっています。

 その成長というのは、知識と社会性が育つということです。スポンジに水が吸い込まれていくように、見る見るうちに子どもたちが変化していきます。「人は学びで変われる――」、これを目の当たりにさせてもらえるのです。

 変化の早い遅い、見えやすさ見えにくさの違いはありますが、これはどの学年であろうとそうなのです。ともすれば忘れがちな、こういう根本的に大切なこと、教育の“原点”を指導する側の私たちに改めて教えてくれるのがこの子どもたちなのです。指導者冥利と言うほかありません。

 最後に、中学受験をお考えの方へ申し上げます。小学3年生の講座は、土曜・週1日のペースで開講しています。また、小学4年生の講座は基本・週2日となりますが、土曜・週1日の講座もございます。4年生までなら、習い事と並行して中学受験準備を始めることも可能です。

 私自身の体験を例として申し上げましたが、確かに「中学受験」にはたいへん厳しい一面もあります。それは、親子・家族が初めて直面する“現実”だからです。しかし、だからこそ他では決して学べないものが学べる代えがたい機会なのだとも言えます。

 最適の学習環境を求めての中学受験。それは、保護者が主導できる“最後”の家族プロジェクトでもあります。もちろん最善の結果を追求した上でですが、良き「中学受験」体験は、結果を超えて最高の家族メモリアルとして輝きます。

 枚方校には良き伝統があります。各志望校へ進学した卒業生たちがふらっと立ち寄ってくれます。毎年1月の近畿圏統一中学入試解禁日前日に行う「激励会」にも、卒業生たちが参加し、後輩受験生たちを激励してくれます。昨年の自分の行動と心境を綴った「受験体験記」を読み上げて、励ましてくれる先輩もいます。

 そして、「教育」つまり「指導を受けての学習」の核心は指導者です。すなわち、良き指導者に出会えれば必ず良い学習生活が送れます。志望校合格まで、私たち能開センター・枚方校にお任せください。お子さまにとっての、そしてご家族にとっての、最高の受験を全力でサポートすることをお約束いたします。皆さまのお越しをお待ちしております。

ありがとうございました。