明石 智行・八木校責任者が語る“合格指南”
この記事は 2014年10月01日 に書かれたものです。
現在は状況が異なる可能性があります。
『自ら選ぶ「中学受験」はお子さまの将来への最高の贈り物』
八木校責任者:明石 智行
八木校指導陣のパワーを最適化するのが私の役割
今年から八木校責任者ですが、いかがですか?
明石 王寺校で4年間校責任者を務めまして、昨年八木校に戻りました。王寺校に移るまで八木校にいた期間が長かったので、古巣に舞い戻った気分でしたが、今年からは校責任者として重責をしっかりと受け止めています。
同じ校責任者と言いましても、校ごとに状況、課題や役割、またスタッフが異なります。たとえば王寺校の校舎は中学受験部門の専用でしたが、八木校の校舎は中学受験、小学受験、個別指導の各部門が同居しています。行事スケジュールの重複の際の調整などいろいろ手間がかかる反面、各部門の連携を深める機会が多くあります。校責任者としては、互いに相乗効果が出るような形で上手に運営していくのが腕の見せ所です。
八木校の指導陣につきましては私もよく知るベテランが多く、能開センターの中でも屈指の指導力と安定感を持つスタッフ揃いだと考えています。ただし校責任者としては、各スタッフにパワーがあるだけにそれぞれの指導への思い入れが過ぎて校トータルでのパワーが低下しないように、先回りしてバランスを取るなど校指導力の全体最適化を常に考えて手を打っています。ここが八木校責任者としての最も重要な役割だと考えています。
そのためにもまず大事なことは、各スタッフと、またスタッフ間で常日頃からコミュニケーションをしっかりと取っておくことだと思います。実際、徹底を欠いた指示や情報は子どもたちを混乱させたり保護者の方々を不安にさせたりしてしまいます。校としての意思を明確にし、これをチームとして共有し、そして内容をブラッシュアップ(磨き上げ)していく――そうありたいと思います。
そういう場の1つとしては、クラス担任を中心にした日頃の教科担当者相互の情報交換の上に立ってですが、月例のテスト日に全指導者会議を実施しています。当日のテスト結果を速報で確認しながら、学年・クラスごと、また一人別の状況チェックを全員で行います。こうして、校全体および各生徒に対しての指導成果の状況、そして問題や課題の共有化を図っています。
この会議では、風通しの良い校風土が反映されてか、忌憚のない意見がどしどし飛び出します。また、私が他校で見つけた成功事例なども提案し、導入可能なら施策に織り交ぜていきます。こうして激論の末、問題に対しての対処改善策、さらなる成績向上のための指導案などをみんなで生み出しています。
固い“信頼のスクラム”で第一志望校合格をめざす
そういう中で、八木校の最重点施策はズバリ何でしょう?
明石 はい、会員生全員の第一志望校への合格です。私が王寺校責任者の時も同じことを言っていました。と言いますか、能開センター共通の目標ですね。何としても、自分が志望する学校へ行かせてあげたいと思っています。なぜなら、行きたい学校を自分で選べるのが中学受験なのですから。
言うまでもありませんが、“無謀”な受験を勧めているわけではありません。多くの子どもたちにとって“壁”となっているのは目標までの距離と時間であり、志望通りにいくかいかないかは“そこを駆け抜ける努力”だと思います。“走り方”や“トレーニング方法”の問題もありますが、それは言わば“専属コーチ”として私たちが徹底指導します。
6年生になると、私たちは何度も保護者の方と懇談いたします。私はその度、保護者の方々のお気持ち、お子さまへの切なる思いを痛いほど感じます。次なる指導への新たなパワーをいただくとともに、気持ちが引き締まります。そして改めて心に期すのです、「何としても第一志望校へ」です。
合格への“信頼のスクラム”を三者で組まなければなりません。受験生本人、保護者の方、私たちです。「二人三脚」と言ってもいいですし、“保護者の方と私たちを両輪にして生徒本人が運転する車”にたとえても構いません。要は一致団結して目標に全力で立ち向かうことです。これなくして、最善の結果はありえません。
この“一致団結”は相互信頼の上にあります。お子さまが保護者の方のお気持ち、私たちの指導を心より信じ、何より自分自身が必死で努力すること。保護者の方がお子さまを信じられ、私たちの指導をご信頼くださること。そして私たちが保護者の方に信頼いただけるよう、お子さまの気持ちと努力に応え、お子さまを志望校合格まできちんと導くことです。
たとえば、こんなことがあります――受験生本人と保護者の方で第一志望校がずれている…。当然、これは一致させなければいけません。私たちが間に入ってギャップを解消し、ベクトルを合わせていきます。
子どもたちは、保護者の方が思われている以上に学習環境に“神経質”です。ご家庭内でのささいな意見の違いや親子トラブルも、学習意欲や効果を大いにそいでしまいかねません。合格に向けた“信頼のスクラム”をしっかりと作り、守り育てていくのも私たちの任務だと考えています。
国語は“学ばなければならないもの”だと教える
ご担当の国語ではどのように指導を進めていますか?
明石 現在、3年生から6年生まで受け持っていますが、どの学年・クラスであろうとも“明るく楽しく国語力をつける”が私のモットーです。と言いますのも、男子を中心に国語嫌いの子を多く見受けるからです。
その1)「枚方校通信」は今年からの新企画で、私たちの教育活動をよりご理解いただくために、枚方校内外での出来事や予定などを毎月お伝えする、国語の木本先生を編集長に発行しているマンスリーニュースです。 教育講演会や集結特訓などの行事レポート、「先生に訊く」と題した連載インタビュー、また、卒業生が登場したり、推薦本の紹介があったりと内容豊富で、モノクロですが写真入りで編集してあり、わかりやすく読みやすいとご好評をいただいております。
私はそういう意味で国語が一番重要な科目だと考えています。では、どうすれば国語力がつくのか、そして成果が出るのかを、たとえば4年生の場合で申し上げましょう。まず、国語を嫌がらないことです。だから、「国語は苦手でも授業は楽しい、能開に行きたい、休まない」が第1ステップとなります。
第2ステップは、授業の中で国語が好きになるきっかけ、変わるきっかけを与えることです。「わかる」「わかった」という体験を数多くもつことです。そういう機会は実は無数にあります。第3ステップは、「だから、テストに向けてがんばってみる」です。そして第4ステップが、「努力がテストなどの成果に表れる」です。
「国語」は日本語ですので、苦手な子は“感覚”で国語の文章が読めて問題も解けるものと思っているのです。そうではありません。国語は学ばなければならないものです。この壁を越えさせてあげるのがポイントです。国語の文章には読み方があること、また国語の問題には解き方があることを教え、そのやり方を伝授していきます。
その際、子どもたちは国語だけを学習しているわけではありませんので、限られた時間でも効果が出るということを意識して指導するようにしています。中学受験の場合、やはりバランスとしては、算数に時間をかけなくてはならないでしょうから。
私学の先生に教わった板書スキルを受け継いで
明石 楽しい授業のために、日頃からいろいろ小ネタを収集しています。もちろん、ただの冗談話ではなくて、国語学習に役立つ知識でなくてはなりません。たとえば、「弘法も筆の誤り」ということわざがありますね。これを空海の実際のエピソードに仕立てた、ことわざ由来話があります。
筆の名人であった弘法大師・空海が頼まれて、京の都の大きな門にかける額のために「応天門」の字を書いたとき、うっかり点を1つ書き忘れた。額がすでに門にかけられた後、それに気づいた空海が額に筆を投げつけて「点」を書き足したという“伝説”です。こんな話は子どもたちの印象に残ります。
また、私の授業の“特色”としては、板書が多いとよく言われます。子どもたちはたくさん写さなくてはならないので大変です。しかしノートに授業でのことがしっかりと書かれてあることで、家で宿題をする際に授業内容を思い出しやすくなり、学習テーマを理解する手がかりになると思うのです。
実は、この板書内容をしっかり詰め込んだノートの“効能”につきましては、自分自身の経験に基づいています。中学受験して入学した私の母校で、初めて国語をご指導くださった先生がきっちりと板書をされて、それが自分の国語の学習にとても役立ったのです。今こうして自分が国語指導しているのもそのおかげだと思いますし、日々当時の先生の板書を思い出しては自分なりの工夫を積み重ねてきて、今日に至っています。
「中学受験」は保護者の方からのお子さまへの贈り物
中学受験をお考えの保護者の方へアドバイスお願いします。
明石 「中学受験」は保護者の方ができる、お子さまへの最高の贈り物です。その贈り物のすばらしさはその時には気づかずとも、後年に気づかれることでしょう。実は私がそうです。
親の言うがままに能開センターに通っていた当時は、ただ楽しく、がむしゃらに学習に励み、中学受験に挑みました。ただし、それ以上は何も思いませんでした。そしてある私学に入学し、中学・高校と充実した6年間を過ごしましたが、それが当たり前だと思っていました。しかし大学進学後に、そして社会人になって、はっきりと気づきました。中学受験し中高6年間を私学で過ごした経験の替えがたい有り難さについてです。
その最大のメリットは「環境」です。たとえば同級生たちは、自分と同じくこの学校を自ら選び、合格をめざしてがんばり、見事に突破した人たちです。大切な青春の6年間をともに過ごす中で、一生の付き合いとなる友人にも出会いました。
当たり前だと思っていた先生方の指導や学習内容も、今から思えば他ではめったに出会えるものではないものだったことがよくわかります。また、良い学習習慣が自然と身についたことも一生ものの財産です。社会人になってこそ“自学自習”が必要ですが、それが今スムーズにできているのも私学6年間の賜物だと思うのです。
難関校だけが“良い学校”ではありません。偏差値だけでなく、直接に学校を見学され、先生方とお話されて、ご自分たちの「第一志望校」をお選びください。将来、そこで過ごして良かったとお子さまが思える学校が“良い学校”です。自分で選び受験し入学した学校には、自分が将来したいこと、行きたい道に近づけてくれる不思議な力もあります。もちろん、私たちも精一杯サポートいたします。
くり返しになりますが、「行きたい学校を自分で選べる」のが中学受験です。私自身が身をもって知っているこの「中学受験」というすばらしいチャンスを、より多くのご家庭の方々に是非とも知っていただきたく思います。
「中学受験」の輪を能開センターがますます拡げていきたい
明石 私は能開センター八木校責任者として、以上のような中学受験というチャンスの“輪”を少しでも拡げていきたいと思っています。八木校のある奈良県だけをとりましても、いくつもの優秀な私学があることは皆さまご承知の通りです。
私たち指導スタッフの仕事は、ご家庭ごとに「行きたい学校=志望校」との距離を近づけていくことです。それを実現していくのが指導力です。能開センターの指導スタンスは私が会員生だったときと変わっていません。
子どもたちの能力を最大限に引き出すための、楽しさと厳しさの両方がミックスされた授業展開、テクニックに止まらず中学高校でも役立つ原理原則や考え方重視の指導内容、学習姿勢・方法を含めた学習スタイル自体の確立など、いずれも志望校合格だけでなく中学進学後のことをしっかりと見据えるというのが能開センターの変わらぬスタンスです。
そしてこれを支えているのが数々の能開メソッドで、私なりの言い方をしますと、「当たり前をきちんとやる」のが能開センターです。たとえば「クラス担任制」です。能開センターに「形だけ」はありません。実際に教科指導しているスタッフが担任として、すべての対応をさせていただきます。こういう責任ある態勢は他ではあまりありません。
中学受験の指導はすべて私たちにお任せください。最善の結果をお約束いたします。
来春入試での能開センター会員生の第一志望校合格を祈願
しだいに今年も入試が近づいて参りました。最後に来春の入試についての思いを一言お願いします。
明石 はい。「行きたい学校を自分で選べる」のが中学受験ですが、だからこそ競争があります。中学受験の世界では、これまで“華”は男子でした。しかし近年は“女子の時代”の到来となり、女子校ならびに女子コースにも注目が集まっています。
西大和学園中が女子募集を開始したことがきっかけとなりました。能開センターでも「女子最難関中クラス」や「四天王寺中クラス」を設置し、女子の時代に対応しています。来春も、洛南高附属中、西大和学園中、四天王寺中、神戸女学院中学部などに注目が集まります。
男子校につきましては、私が5年前に王寺校責任者としてインタビューを受けた際、大阪星光学院中についてお話しましたので、その続きを申し上げます。その時の話題は、大阪星光学院中の2010年入試の行方でした。この年から大阪星光学院中はそれまでの4科目入試オンリーから3科目併用型入試となり、合格実績が前年トップだった能開センターはそれを維持できるだろうか、ということでした。
2010年の結果は能開センターの「V2」となりました。実は、現在3年連続トップ実績を更新中で、過去6年間でのべ「V5」を収めています。ここで詳しくは言えませんが、大阪星光学院中入試に関する、能開センターの合格ノウハウを詰め込んだ新講座も予定しています。
思えば、前回インタビュー前後が能開センター“快進撃”の始まりでした。今回の私の再登場で、能開センターが会員生皆さまの第一志望校合格をいっそう後押しできますように祈願いたしまして、今日はお開きとさせていただきます。
ありがとうございました。
八木校責任者
明石 智行
自身が能開センター会員生として中学受験した経験を持つ。これを活かした“厳しさ・熱気・大笑い”があふれる授業、また受験合格と進学後をともに見据えた懇切な進学指導で、子どもたち・保護者の方双方から信頼が厚い。奈良県下の各校で授業を担当し、最難関中学のみならず幅広い志望校への指導で実績を上げてきた。また、国語科スタッフとしても活躍し、長年「西大和学園中模試」を作成してきたが、今年度より「東大寺学園中模試」を担当する。王寺校責任者を4年間務め、今春より八木校責任者に就任。