京阪滋エリア責任者が語る“合格指南”

記事の日付:2018/04/04

この記事は 2018年04月04日 に書かれたものです。
現在は状況が異なる可能性があります。

 

『子どもたち一人ひとりの“成長物語”を応援していきたい』
京阪滋エリア責任者:河上 浩治
(聞き手)草津校責任者:小林 礼朋

河上 浩治・京阪滋エリア責任者が語る“合格指南”

子どもたち一人ひとりの
“成長物語”を応援して
いきたい

今年度の「リーダーズインタビュー」は、華やかに桜舞う春の便りが届いた京阪滋エリアからのスタートです。今回は同エリアの新責任者・河上の話を中心にお届けします。聞き手は草津校責任者の小林です。

プロフィール

京阪滋エリア責任者

河上 浩治

本部での人事や文書管理、「最難関α選抜特訓」講座や「算数オリンピック」の運営、難関入試過去問解説の映像講座の制作、四条烏丸校や泉大津校での算数授業など、多種多方面の業務をてきぱきとこなすマルチプレイヤー。今春からは京阪滋エリア責任者も務める。紳士の言葉遣いと身嗜みが身上。

聞き手:草津校責任者

小林 礼朋

今年も灘中合格者を出し、能開センターの灘中受験を、草津校ぬきでは語れなくした張本人。綿密周到な指導の一方、一律ではなく各人の潜在力を引き出す「自力突破」のメソッドで真の最難関突破力を鍛え上げる。

能開センターから大きく羽ばたいていく子どもたちの“成長物語”

小林

 河上さん、このたびはエリアの陣頭指揮をよろしくお願いします。

河上

 こちらこそ、よろしくお願いします。ところで、私の話の前に、草津校にはうれしい春の便りが届いているように聞いていますが…(笑)

小林

 あ、海士部君兄弟のことでしょうか? 実は二人には先日も、後輩諸君ならびにその保護者の皆さま方に、ホヤホヤの東京大学現役合格にまつわる話をたっぷりと披露してもらいました。
 彼らには、機会あるごとに自分たちの得がたい体験とそこでの思いを後輩たちに直接話してもらってきました。それらをもとに、後輩能開生たちも素晴らしい先輩たちに続いていってもらいたいとの願いからです。

河上

 “夢のバトン”をつないでいくのですね。彼らの歩みは能開センター草津校からの1つの“成長物語”そのものです。読者の方へ、二人の紹介を簡単にお願いできますか。

小林

 はい。海士部宏紀君・佑紀君は双子の兄弟で、そろって草津校で楽しくかつ厳しく学び、ここで大いに学力を育み、伸ばしていってくれました。結果として、日本最高峰の私学・灘中学校に共に合格。しかも佑紀君は入試成績トップでの合格でした。彼はその後も話題提供に事欠かず、灘化学クラブ部長にして「国際化学オリンピック」に2年連続出場、2年連続銀メダル受賞という快挙の達成者です

 あれから6年。今度は大学受験生として難関大学に挑み、見事、日本最難関とされる東京大学にそろって現役合格ということをさらりと成し遂げてくれました。灘中入学時点では、二人とも医学部志望と確か聞きましたが、物理研究部に所属していた宏紀君は理科一類、化学そして生物学に関心のある佑紀君は理科二類へ進学するそうです。京大ではなく東大なのは、「オリンピック」での友人も集まる日本の中心で学んでみたいからとのことです。

河上

 いやぁ、素晴らしいですね。うれしいですね。能開センターとの出会いが1つのきっかけともなり、未知なる自分自身の可能性にチャレンジし、自らの夢に向かって大きく羽ばたいていく。それが本来の学びというものですが、私たちはこんな子どもたちの成長物語に直に関われて、本当に幸せ者です。

小林

 ええ、そうですね。彼らのように、能開卒業後も絆(きずな)を大切にし、折に触れて能開センターを訪ね、また後輩たちの「入試激励会」などに快く参加してくれるOBやOG諸君が数多くいるのが能開センターならではの良さです。会うたびに、彼ら彼女らの成長が感じられます。本当に幸せなことです。

八面六臂の大活躍。趣味と実益を兼ねるような算数の仕事とは?

小林

 さて、河上さん。今春から四条烏丸校での授業、また京阪滋エリア責任者、という新しい任務が加わるのですが、まさに八面六臂(ろっぴ)の大活躍です。本部での教育イベント要員の人選・調整、さまざまな配付文書の作成・管理。
 また、4・5年生対象で、6年生のSそしてαクラスにつながる「最難関α選抜特訓」講座、および小学生の全国算数選手権である「算数オリンピック」の運営マネジメント(能開センターは算数オリンピックの公式会場です)。
 さらに、難関中学校の算数入試問題(いわゆる過去問)解説の映像講座への出演および全体プロデュース、それに遠く泉大津校での授業もあります。常人にはとてもこなし切れません…。

河上

 いえいえ。スケジュールを立てて、そこにやるべき仕事を配分し、1つ1つきちんと期限通りに仕上げていけば大丈夫です(笑)。

小林

 まだ、ありました。入試での「解答速報」責任者です。これも大変ですよね。

河上

 解答速報は趣味と実益を兼ねるような仕事でして(笑)、実は楽しみでもあるのです。小林さんもそうでしょうが、私も根っからの算数好きです。灘をはじめ難関中学校の入試担当の先生方は、毎年知恵を絞りに絞って私たちの予想を超える新作問題を作成、出題されます。これを知恵比べのように、鮮やかに解いてみせるのがいわば“算数マニア”としての醍醐味です。

小林

 とは言っても、即日に解かなくてはいけない入試問題が目白押しです。灘1日目・2日目、大阪星光学院、甲陽学院1日目・2日目、洛星(前期)、四天王寺、高槻(A日程)、西大和学園、清風南海(A入試)、東大寺学園、神戸女学院、洛南高附属、と入試が始まれば連日連夜の解答出し作業となります。能開センターを代表しての「解答例」ともなりますので、神経も相当に使いますでしょう。

河上

 解いた答えの検証チェックのため、何名かにフォローはしてもらいますが、基本的に指定中学校の入試、算数全問を自ら解き、私の最終責任で「解答速報」としてリリースしています。むろん緊張感はありますが、今も言いましたようにむしろ楽しんでこの仕事をしています。
 そういえば、清風南海のA入試の解答速報作業をしますので、数日後に実施のB入試に向けての対策として、A入試の解説をすぐさま作成しています。内部的にはとても役立っていると好評をいただいております(笑)。

小林

 その清風南海への志望者が毎年多数いる泉大津校でも、今年は算数の指導をされるのですね。

河上

 はい。5・6年生を担当します。感触では泉大津校の子は元気がよく、ただし受験生としてはまだ荒削りかなという印象です。これから一緒に刺激し合い高め合い、どこまで伸びていけるのか、とても楽しみですね。伸び代があるね、どんどん成長できそうだね、と校スタッフとも話し合っています。私自身は、いろんなエリアや校で多くの能開生、受験生と出会え、指導ができ、幸せ者だと思っていますよ。

京阪滋エリアの強みと持ち味。もっと楽しい所への環境づくりを

小林

 話題を変えまして、京阪滋エリアについてですが、今後の戦略をどうお考えですか?

河上

 いきなりですね(笑)。本エリアは、京都に四条烏丸校、滋賀に草津校、京阪に枚方校と、発展途上の3校から構成されています。プラス要素としては、四条烏丸校は岡本さん、草津校は小林さん、枚方校は横川さん、と手練(てだれ)の責任者を擁していることです。おかげで、校運営においては私の出る幕はありません。私はエリア全体のことを考えて、戦略的に動くことができます。
 エリアの特長としては、入試で得点差がつきやすい算数や理科に強い指導者が多数いるといえるのではないでしょうか。

小林

 具体的には?

河上

 まず草津校には、「自力突破」算数の権化・小林さんがいますよね(笑)。草津校からは毎年灘中合格者を輩出しています。その指導力は安定した難関突破力を誇ると言ってよいと思います。滋賀県の子どもたちには、教え過ぎず可能性を引き出していく指導法が合っているのだと思います。理科には中村伝さんもいます。

 次に四条烏丸校ですが、岡本さんは理科の先生ですが、実は優れた算数センスの持ち主でもありますね。指導にキラリと光るものを感じます。ここに今年から私、河上も加わります。私の担当は4年生です。なお、3校とも駅からすぐですが、特にこの四条烏丸校は地下街から直接入館できて、雨の日もカサをささずに通えますね(笑)。

 枚方校責任者の横川さんも理科が専門の先生です。算数は鬼頭さんが力強く牽引します。鬼頭さんは小林さんや私に勝るとも劣らない、無類の算数好きです。算数好きの先生のメリットは、自分が好きなだけに、算数の楽しさが子どもたちにも伝わりやすいことでしょう。どの科目でもそうなのですが、まずその科目を好きになることが成績向上の一番の秘訣です。

小林

 なるほど。

河上

 各メンバーと気心も通じ合っています。たとえば、小林さんとは「算数オリンピック」で、鬼頭さんとは最難関プロジェクトの「難関模試」や「α模試」の運営でいつもご一緒しています。
 まずは、京阪滋エリアをより楽しいところにしたいですね。誰でも参加いただけるイベントをもっと企画し、能開センターを知ってもらう機会を増やしていきたいです。そういう環境づくりがエリア責任者としての私自身の役割だと考えています。

磨いてきた自分の力をしっかりと使って入試で戦える受験生を育む

小林

 河上さんは受験指導、そして入試結果でも優れた成果を上げておられます。先生の算数指導について伺えますか?

河上

 私は、特別なことは何もしていません。当たり前のことを手を抜かず、きちんとやっているだけです。

小林

 やはり、指導でも河上さんらしいですね(笑)。その「当たり前」をお聞かせください。

河上

 私の指導目標は、それまで磨いてきた自分の力をしっかりと使って入試で勝負できる受験生を、算数学習を通じて育てることです。自分の学習姿勢や習慣、スタイルそのものを育んでいくことに力点を置いていますから、仕上がるにはある程度時間がかかります。

 最初の学習姿勢作りということでは、まずは計算練習ですね。毎日、基礎ランニングのようにやり続けること。算数でのフットワークを良くするために欠かせぬ基本運動です。次に、問題の解き方、解くプロセスをノートに必ず書く習慣。算数が得意な子ほど、かえって答えだけ書いて答え合わせをし、それが勉強だと思いがちです。3つ目に、算数の楽しさ、面白さを存分に味わうことです。これが入試まで持続するあきらめない底力になります。以上のことを楽しく、時には厳しく身に付くまで指導していきます。

小林

 一人ひとりに定着させていく方法は?

河上

 授業内容そして宿題は、基本的にクラス一律になります。ですから、次回授業での確認テストと回収した宿題で「一人ひとりと対話」します。解いていく中で1つ1つのステップがきちんと踏まれているか? 指導した正しい解き方ができているか? 徹底したチェックを行ったあと、各人に改善フィードバックをします。また、確認テストで間違った問題についてはやり直しを指示します。

 この子はどこでどう間違ったのか、それを知ることが一人ひとりに応じた指導につながります。自分のミスを自覚し、次に自ら改善できることが成績向上に直結します。たとえば、問題の読み間違いや見落とし、計算ミスなど。それをどう改善すれば良いのか? 問題の重要ポイントにマーキングをする、最後に見直しを欠かさないなど、踏むべきステップの見直しを再度指示します。解法のマスターとミスの撲滅は成績向上の両輪です。

 正しい解法を理解していること、問題読解から解答出しまでステップを着実に実行すること、そして問題を解いているそんな自分に自覚的であること。入試では自分の実力では解けない、また解かなくても良い問題があります。その中で自分の学力でできることをやり尽くす、ベストを尽くせること。これが私の言うところの、入試で戦える受験生です。そんな子どもたちに育てたいと指導においては日々励んでいます。

京阪滋エリアでインパクトある実績を上げていくことが重要な使命

小林

 最後に、京阪滋エリアの2019年入試に向けて考えをお聞かせください。

河上

 言うまでもなく、近畿圏中学入試全体において、洛南高附属や洛星などの難関中学校を擁する京阪滋エリアは最重要地区の1つです。ここでインパクトある実績数値を上げていくことがわがエリアの重要な使命だと強く認識しております。

 2018年の能開センターの京都府における主な合格実績を申し上げますと、洛南高附属13名(うち女子4名)、洛星9名、東山31名、京都女子5名、同志社系25名、立命館系13名などですが、四条烏丸校でエリア実施の「日曜実戦」受講者に絞り込んだときの合格率にご注目ください。

 洛星(前期)89%(洛星洛南クラスでは100%)、洛南高附属67%、東山100%、京都女子100%、さらに高槻が67%、東大寺学園(洛南と同日入試)が67%でした。自讃になりますが、非常に高い合格率だと思います。
 2019年入試では、灘をはじめ、いま申しました難関校はもちろん、能開受験生全員が第一志望校に合格できるよう、いっそう充実した指導を全力で進めたいと考えます。

小林

 合格率が高いことは、能開センターそして京阪滋エリアの自慢です。私も、河上エリア責任者のもと、ますます奮闘して参りたいと思います。

河上

 ただし、私たち能開センターの中学受験は本物でなければなりません。「本物」というのは中身が伴うということです。つまり、単なる結果としての合格ではなく、受験学習のプロセス自体がトータルな意味での学習でなければなりません。それでこそ、「中学受験」の体験全体が中学進学後の充実した学生生活、そして人間としての成長につながっていくのです。私たちは、一人ひとりの学力と人間力両面での“成長物語”を応援していきたいと強く願っています。

小林

 そうですね。これからも能開センターが子どもたちの成長の舞台となれる指導に力を尽くして参りたいと思います。ありがとうございました。