社会科

社会科の指導方針

社会生活の仕組みを学び、知恵と知識を活用する力を養成

社会科の入試内容は、まず地理の分野では、警察の仕事・消防署の働きなど地域生活に密着したものから、地形の特色・日本の産業・人口動向など日本社会全体をとらえるもの、また日本との関わりの中で世界にも目を転じていくものまで広範囲で出題されています。近年の傾向としては現代社会に関する出題が多く扱われ、ニュースや新聞などを通して今の社会状況に対しても敏感になっておく必要性が生じています。
歴史の分野では政治・外交・文化などテーマにそった通史や近代史、また戦後の世の中を映し出した現代史などが最近の世の中の動静とともに出題されたり、建築物・人物写真(人物画)などの写真資料を用いた史料問題が多く出題されていることにも目を向けておく必要があります。

このように、社会生活を営む上で必要な「知識」という机上のものから、日本の政治や世界の国々との関わり、介護や社会福祉、情報化などという世の中の具体的な動きに子どもたちの目を向けさせ、広がりを持たせていくことが、現在の社会科には求められているのです。
次に、入試で求められる解答形式にも留意してみましょう。

首都圏の難関中学校では、グラフから読み取れること、歴史の史料(社会を映し出した絵画など)をみて考えられることを論述させる問題が多く見られます。これに対して近畿圏の入試問題を眺め見た場合、一部先述のような論述問題も見受けられますが、首都圏難関中学校の問題とは傾向を異にしているといってよいでしょう。
では、近畿圏における解答方法の特徴はというと、難関中学校になれば選択問題が増えてきます。選択問題というと、選択肢の中から一つの答えを記号で選びだせば良いのだから簡単なように思われますが、そうではありません。
地理分野においては、統計資料の意味しているところを読み取って判断するものであったり、また社会現象として現れていることに対して、その原因となっている部分を理解しているかどうかを確認する問題であったりします。

歴史分野であれば、歴史的事件の背景や、その時の社会状況などが問われるという傾向が見られ、断片的な知識では正しい答えを選び出せないのです。したがって、一問一答式に答えを出せば良いという用語記述問題と比べて難易度が高いと言えるのです。ただ、用語記述の問題についても「漢字指定」が増えており、いくら用語を知っていても漢字で正しく書けないために得点に至らないということもありますから、日ごろから漢字で書く習慣づけが必要となってきます。

社会科の主要指導者

主任

天雲 寛

天雲 寛

今の世の中、世界の情勢や国内の動きもめまぐるしく変化しています。日本の産業・歴史や政治、人口や環境の問題、他国や国内でおきるさまざまな出来事。入試でも、社会への関心の度合いや社会人としての常識が問われています。社会の学習では、それらを自分の頭で考えみることが大切です。