国語主任が語る“合格指南”

記事の日付:2016/07/21

この記事は 2016年07月21日 に書かれたものです。
現在は状況が異なる可能性があります。

 

2016夏・学年別 学習攻略ポイント
『夏を制する者は受験を制す』
国語主任 露口 和男

国語科目主任が語る“合格指南”

「夏を制する者は受験を制す」
2016夏・学年別 学習攻略ポイント 国語

 7月下旬から始まる子どもたちの“熱い夏”「夏期講習」「夏の集結特訓」に先立って、能開センターの科目主任にこの夏の学習攻略ポイントを学年別に語ってもらいました。また、能開の各科目の特長も聞きました。「夏を制する者は受験を制す」ともいいます。この夏を充実した時間にきっとしてください。

露口 和男

国語主任

露口 和男

能開の国語の特長――言語技術として学び、他者理解力を身につける

露口

 はじめに、能開センターの国語の特長について少し申し上げます。国語は学ぶべきものであり、学べる「言語技術」であるというのが私たちの基本的な考え方です。国語力は自然に任せて身につくものではない反面、意欲さえあれば知識やスキルとしてだれでもが学び得るということです。

 私たちは一般論や抽象論として国語を論じているのではありません。これは私たちが責を負う、中学入試問題を突破し得る国語力をどう養成するかという議論の中から生まれてきた実践的な考えであり具体的な手法です。

 国語の入試問題は構造的にどうできているかを、能開独自の視点から入試分析を進めていく中で見出したのが、後でも述べます「語彙の知識」・「文章読解」(読解スキル)・「解答技法」(解答スキル)の3つの切り口です。これらは国語を言語技術、つまりスキルとして習得していく手法なのです。

 能開センターの国語カリキュラムとテキストは3年生から6年生まで、「語彙学習」と「読解学習」の2本立てになっています。「語彙学習」はさらに「漢字学習」と「語句学習」に分かれ、3年で『漢字ドリル』『ことばの学習』、4年で『漢字ドリル』『ことばの学習』、5年で『漢字大全』『ことばの学習』、6年で『漢字大全』『ことばの学習』という編成をとっています。

 「読解学習」の方は、「文章読解」(読解スキル)と「解答技法」(解答スキル)の全細目を体系化した6年生テキストを全5巻の『入試大全』とし、3年生から5年生までは各学年に合わせてブレイクダウンを施しながらも設計思想は厳に守った内容構成としています。

 3年生から5年生までは、文章ジャンルとして、物語文・説明文、文学的文章・論理的文章などとくくり、文章の主題や主張にも一部言及しつつ学びますが、6年生ではそれを文学的文章の展開や主題、論理的文章の立論や主張としてテンプレート(ヒナ型、定型)化し、初読の文章にも十分対応できる思考のベースを構築します。

 思うに、国語の問題に用いられる素材文は他者が書いた文章であり、その問題に解答するには他者によって書かれた文章を再構築するというプロセス、つまり読むという行為が必要となります。目の前の文章が分かりにくいのは、他者の分け方と自分の分け方が違うことによるものか、自分の再構築=読む「言語技術」が未熟であることによるものか、のいずれかです。

 私たちは、能開の国語学習を通じて、子どもたち一人ひとりが外国語学習の際にも絶対的な核となる母語に対する普遍的な「言語技術の力」を高めるとともに、自分とは異なる「他者を理解する力」を身につけていってほしいと考えます。

2016夏・学年別 学習攻略ポイント

2016夏・学年別 学習攻略ポイント 小3国語

3年生は「日常的な学習習慣づくりの中で国語力を育もう!」

露口

 能開センターでの夏を、初めて過ごされる3年生も多いことでしょう。3年生にとってこの夏は、学習習慣を生活の中にきちんと組み込む大事な機会となります。「夏期講習」中だけでなく、少ない時間でいいので毎日つくえの前にすわり、集中することを習慣づけることがとても大切です。

 国語という科目はどう学習すればよいかわからないとよく聞きます。それは、他科目よりも基礎的で根底的な「言語と思考そのものに関する学習」であるという科目特性によるものです。国語力は言語と思考に反する生活習慣に近いものだからです(早い話が特効薬はありません)。ただし、あるがままの生活では国語力は向上しません。意識的戦略的な言語学習生活が必要なのです。それが、「少しずつでも毎日」という意味でもあります。

 しかしお断りしておくべきは、読書が万能ではないということです。読書の効能はどんなものをどう読むかで異なります。そして、強調すべきは「良い生活習慣は意識して作り出すもの」なのと同様、「国語力は(語彙力も読解力もです)学んでこそ身につくもの」だということです。決して生まれつきのもの、自然と身につくものではありません。

 さて、「夏期講習」では毎回、漢字と語句、文章の読み取り、その両方を学習します。漢字と語句は1学期ゼミで学んだことの整理と復習ともなります。講習中を含めて、夏の間に『漢字ドリル』『ことばの学習』で学んだことが定着できているか、チェックしていってください。漢字では「とめ・はね・はらい」を確認しながら、ゆっくりと着実に進めていきます。

 文章の読み取りでは、物語文と説明文のいろいろな文章に接し、読み取り方のポイントを復習しますが、文章はマーキングしながらていねいに読むことがまず大事です。物語文では「登場人物の気持ち」、説明文では「こそあどことば」や「つなぎことば」が読み取りのかぎになります。これらのマーキングはできていますか。

 夏の間にゼミテキストにも戻り、読み取りテーマの復習とともに、マーキングのやり方や習慣づけをふくめて、もう一度学習していく計画を立てましょう。

2016夏・学年別 学習攻略ポイント 小4国語

4年生は「受験学習の本格化に向け、学習の変わり目となる夏!」

 4年生の学習について、要は3年生の継続と発展だろうというふうに思われがちですが、それは違います。学習の質的な面で重要な展開がいくつもある、その意味では最重要な学年ともいえます。

 まず、学習スピードのテンポアップがあります。たとえば学習習慣では、ただつくえの前にすわっていればよいということではなく、その過ごし方の中身がやはり大事になってきます。時間の長さは変わらずとも、集中度を高め、テンポ良く学習内容を進めていかなければならないということです。

 4年生の「夏期講習」では3年生と同様、語彙と読解を並行して学びます。4年ゼミの語彙テキストが『漢字ドリル』『ことばの学習』に発展していますので、講習もこれらの学習を前提とした整理と復習となります。

 能開の国語プログラムでは、4年ゼミ終了段階で小学校で学ぶ漢字1006字全部を一通り学習してしまいます。5年ゼミからは語彙でも受験に向けての学習が本格化するからです。だから4年生の夏の課題のひとつは、この夏の間に『漢字ドリル』と『漢字ドリル』で習熟できていない漢字をきちんと復習しておくということになります。

 それから「確認テスト」の受け方についても、この4年生の夏の機会にしっかりと腕を磨いておきましょう。5年生になれば内容的にもう一段レベルアップしますし、「出たとこ勝負」ではいつまで経っても「得点力」は身につきません。腕を上げるにはいまが最適のタイミングなのです。

 チェックすべきは次の項目です。これまで自分はどこをどう間違えたのかを調べてのテスト対策学習、テスト時間内の見直しのしかた、結果の受け止め方、次のテストに向けての反省と行動など。これらを講習中の確認テストでトレーニングしていきましょう。

 また、「夏期講習」での読解学習では、春期講習に引き続き、ひとつの作品を通読して総合的な読解力を磨いていきます。登場人物は同じですので、各編での事情を読み解きながら、作品全編を味わって読み進めていきましょう。

 そこでの問題は次の3レベルで構成しています。文中の語句をそのまま抜き出せばよい問題、語順を入れ替える記述など自分で一部を再構成しなければならない問題、文と文をつなげるやや長めの記述問題や指定に合うものすべて選ぶ選択問題などです。

 文章読解では、物語文と説明文で得意不得意が分かれるということもありますね。長い夏休みの期間はそういう不得意や弱点を克服できる、またとないチャンスでもあります。物語文が弱いときは、ゼミテキストの「登場人物の心情」「心情とその理由」などを復習し、気持ちの言葉を理解する練習量を増やしてください。

 説明文が苦手な場合は、ゼミテキストの「指示語・言いかえ」「接続語」などを復習し、指示語の働きと読み取り、接続語の種類と使い方がちゃんと理解できているかチェックしましょう。

 みなさん、2年後の第一志望校突破を本気でめざすなら、この4年夏での弱点克服が絶対に必要です。学習内容が本格化する5年生になると、克服の苦労もより大きくなってしまいますから。先手必勝ですよ。

2016夏・学年別 学習攻略ポイント 小5国語

5年生は「自分をワンランクアップさせるため、今こそがんばろう!」

 国語力は経験や学習によって大いに刺激されますが、その定着には学習概念の受け容れに見合う内面的な成長が欠かせません。逆に、内面的な成長があれば、これまで理解できなかった領域での国語学習も進展していきます。つまり、年齢・成長とともに国語キャパシティーと国語力は追いつ追われつ、変化し成長していくのです。

 そういう意味で、国語力の成長途上にあった3・4年生段階から、5年生になってようやく本格的な受験学習が可能なステージに上ります。入試にそのまま出題されるレベルでの漢字、語句、文章を用いての学習が初めて可能となったのです。

 「夏期講習」では、やはり語彙と読解の学習を並行して進めます。ゼミでは、漢字が『漢字大全』、語句が『ことばの学習』のテキストにそれぞれステージアップしています。これらは小学校で習う漢字すべてを学習していることを前提とした受験対策教材です。

 特に『漢字大全』は、主要な私立中学校の過去入試で実際に出題された約6200題を集計・分析した結果に基づき、高頻度で出題された漢字と熟語について入試を想定して編集、再配列したものです。近年入試でも、『漢字大全』の学習漢字からの出題ヒット率は70%近くに上ります。1学期ゼミで学んだことがらは、必ずこの夏に完成させましょう。

 『ことばの学習』で扱う内容に関してもチェック&フォローしてほしいのですが、特に「夏期講習」で採り上げる「反対語」「同義語」「同音異義語」「同訓異字」については入試での出題頻度が高いだけでなく、その理解が読解問題にも影響しますので念入りにチェックし、マスターしてください。

 4年生のところでも触れました「テスト」についてもひとこと述べておきます。4年生が「チェンジ」(変える)だとしたら、5年生は「チャレンジ」であり「真剣勝負」です。6年生でがんばるのはあたり前です。みんながそうします。だから、自分をワンランク、アップさせたいなら、この5年生のときに人一倍がんばることです。

 テストは自分で自分を鍛える機会、いまの自分がもう一人のなりたい自分に向かって挑戦していく場です。「確認テスト」も「実力テスト」も「公開模試」も、入試だと思ってください。現状の自分に満足せず、なりたい自分をめざしてください。真剣勝負です。入試に対するように、これまでのテストと自分を徹底的に分析した上で、対策学習を進めましょう。

 さて、「夏期講習」での読解学習についてです。この夏は記述問題にスポットを当てます。記述は入試でも合否の最後のかぎを握る非常に重要な解答スキルです。同時に、だれでもが使えるようになれるスキルなのです。できないと決めつけないことが一番大事なことでしょう。ゼミでも記述解答のしかたをすでに学びました。ゼミテキストで復習しておきましょう。

 「夏期講習」では文学的文章、論理的文章として学びますが、物語文が弱い人はゼミテキストの「心情・因果」「対比」などを復習し、心情語と事情をつかむ練習量を増やしてください。説明文が苦手な場合は、「言いかえ」「因果」などで同格と因果の関係を、「文章の構成と段落」などで中心文と段落構成の理解に対する手順に誤りがないかチェックし、必要ならすぐに担当の先生に相談し、この夏中に手当てしておきましょう。

2016夏・学年別 学習攻略ポイント 小6国語

1. 語彙が不安なら、ヒット率70%の『漢字大全』の制覇!

露口

 6年生については、この夏のことに触れながらも、入試に向けて自分は今後どうすればよいかがわかるよう全体展望をお話しします。初めにも述べましたように、国語の入試問題を構造的に解析してみますと、国語力には3つの切り口があることがわかります。

 まず漢字や語句など語彙に関する習熟知識、次に文章・文脈中の心情表現や論理展開の読解理解、及びそれらに基づく主題や主張の読解把握、最後に選択肢の吟味や指定字数での記述など解答作成に関する処理技法です。漢字書き取りなどの単独問題を除き、どれか1つだけでは対処できない総合性が国語の特性といえるでしょう。それぞれの切り口のレベルアップが望まれるわけです。

 国語は比較的、差がつきにくい科目です。ベースがふだん使う日本語だからです。しかし、だからこそ日常的な日本語(口語)を超えて、文章の中での日本語(文語)を通じて国語力を磨く必要があり、またそれが入試でも科目として試されるのです。ここで気をつけなければいけないのはアドバンテージを取ること以上に下振れしないこと、すなわち最低でも平均点は確保することです。

 順に見ていきます。最初に、漢字や語句など「語彙の知識」を増やしましょう。ことばを辞書的な意味で理解しているだけでなく、文脈の中で理解できたり使えたりすることができるどうかが重要です。

 漢字なら、発音は同じでも文字が違う、「同音異義語」と「同訓異字」の理解がポイントとなります。漢字は表意文字です。字義(字の意味)を理解すること、特に形声文字の“音・意味・形”に留意して理解を進めると、活路が見いだせることでしょう。そのためには、ヒット率70%を誇る『漢字大全』の制覇です。

 語彙の習熟には、「ことばの学習」シリーズの復習が効果的です。その際、「反対語」「同義語」で語句をリンクさせることがポイントです。漢語・洋語・和語を問わず、“反対・同義”の関係で知識の相互乗り入れがスムーズにできるようトレーニングしてください。慣用句・ことわざは、物語文の心情把握に関係するものを優先すれば、その効果がすぐさま読解にも表れることでしょう。

 なお、漢字や語句関連の知識を定着させるには、チェックテストをすることが不可欠です。目ではなく手で記憶していくことが大事なのです。頭の中の記憶をどんどんノートなどの紙面へ出力すること、手による反復が習熟へのかぎです。この夏にこそ、鍛えましょう。

2. 選択・記述問題は解答スキルの面からも磨くことができる!

 次に、順序は前後しますが、アプローチしやすく効果も表れやすい「解答技法」について採り上げます。あなたの国語は、せっかく文章の読解はできているのに、ここが未熟で「得点」できていないのかもしれません。特につまずきが多いのは、次の2つです。

 1つは選択問題です。4択問題が多いですが、そのうち2つははずしやすく、残り2つが絞り切れずに迷うというのがパターンですね。不正解を「おしい」で済ましてはいけません。正解か不正解か、つまり得点か無得点か、明暗が厳しくも明確に分かれる、情け無用の解答形式がこの選択問題なのです。

 選択肢を選び分ける力を磨きましょう。正解は傍線部の「言いかえ表現」である場合が多いのですが、言いかえというのは同じような語句とは限りません。本文のある箇所の「同義語」であったり、意地悪にも「反対語」の“反対”であったりもするのです。また、傍線部近くにある語句が選択肢の文に含まれているからといって、その選択肢が正解の条件を満たしているわけではありません。

 選択肢を選び分ける学習経験を増やし、その技能を高めていくことが必要です。『国語大全』には「選択問題」のテーマがあります。夏から入試までにこのスキルを磨いていくことは十分に可能です。じっくりと取り組みましょう。

 そして、もう1つは記述問題です。苦手意識をもつ人がいますが、まず、記述は作文ではありません。また、選択問題とは違い、こちらは部分点がもらえやすい着実な得点源なのです。感覚や好き嫌いではなく、国語スキルとして記述問題に取り組むことが大事です。

 実際、記述スキルを向上させるには、そのまま抜き出すことから始めて、それを字数に合うよう一部加工する、求めに応じて語順を入れ替える、さらに因果となるよう2要素をつなげる、などといったステップ学習をしていくことで、だれもがこの力を磨くことができます。

 記述問題のポイントは部分点の稼ぎ方にあります。高配点の記述問題は複合的な要素を要求していて、そこで減点となるのは必要な要素がどれか欠けているからなのです。必要十分な要素を選び出して集め、それらを制限字数で適切に再構成していくことが高得点へのかぎなのです。記述問題攻略のポイントについても『国語大全』にテーマを設けています。

 ただし、これら解答スキルを単独の技術と捉えることは間違いです。たとえば、文章を読まずに選択肢だけで正解を判断することはできませんし、記述問題の解答に必要な要素は文章を読まずに取り出せません。

 前に国語力の「3つの切り口」「総合性」とお断りしたとおり、あくまで「漢字語彙」や「読解理解」と連携した「解答技法」です。そのバランスを取った上で、スキルとしての面からも磨く必要があるということです。実際、この側面からの改善だけでも、得点力は必ず向上します。この夏、しっかりと取り組むべき課題でしょう。

3. テンプレートと読解スキルの学習で、万全の読解力を磨こう!

 3つ目に「文章読解」についてです。難関校国語の難しさは文章自体の難しさに象徴されます。読み方自体はこれまで学んできた方法・スキルで問題ありません。しかし、用いられている語句の難度が高いと、時に全体に関わる重要なことがらが不明なまま読み進めることにもなります。また、著者の思想レベルの難しさは文脈と表現の中に集約されていて、これは辞書を引けばわかるというものではありません。

 そこで「夏期講習」と二学期ゼミで学ぶ『国語大全』『国語大全』では、受験生として知っておくべき思想・テーマのテンプレート(ヒナ型、定型)が身につけやすいように工夫されています。先入観で文章を読解するのは禁じ手ですが、ここで学んだ定型を座標軸とし、出題された文章で展開される著者の考え方を比較対照することができれば、著者の思想レベルでの理解に対しても大いなる助けとなることは必定です。

 とはいえ、読解の基本は「情報を下から積み上げて論理的に処理すること」です。物語文であれば、事情・できごと・心情・描写の情報、論説文であれば、同格の情報、主張と根拠の情報を客観的に把握することが不可欠です。夏には、テンプレートの学習とともに、これまで学んできたこれらの「読解スキル」を再点検していきます。

 さて、受験の天王山・夏を迎える前門としてそびえるのが「志望校別模試」です。7月には、灘、大阪星光学院、四天王寺、3中学校の模試が実施されます。特に、男子では大阪星光学院の物語文での長文記述問題、女子では四天王寺のハイパフォーマンスが要求される抜き出し問題、それぞれへの対応を中心に、年度中間点での自分の到達度と入試へ向けての課題を計測する絶好の機会となるでしょう。

 夏明けから入試直前期にかけては、来年入試を想定した「入試実戦演習」等で難解な文章に出合うことが多くなります。物語文であれば、他者の事情を文章全体からピックアップする必要があったり、心裏腹(うらはら)といいますが、相反する気持ちが芽生えていたり、回想場面の挿入により時間の流れをつかみにくくなったりする文章があります。

 論説文であれば、具体例に対立が組み込まれることにより問題提起と結論が離れてしまい、そのことで段落の構成を見誤ってしまう文章も珍しくありません。また、文章内容の難度が高くなることにより、明言されていない情報を想像力で補うことがはなはだ困難な文章に出合うこともあるでしょう。

 入試での実戦が予想されるこれらの文体・文章タイプに対しても、「基本の形を崩さずに読み進める」ことができる国語の基礎体力を鍛えるため、気を抜かず、この“最後の”長い夏を使ってトレーニングをしっかりと積み重ねていきましょう。

科目主任4人が語る“合格指南” 2016夏・学年別 学習攻略ポイント